地域課題は住民の手で解決【特定非営利活動法人かなえ】|共に支える地域のチカラ⑦|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

スペシャルコンテンツ

特集・企画

2016年12月2日更新

地域課題は住民の手で解決【特定非営利活動法人かなえ】|共に支える地域のチカラ⑦

特定非営利活動法人(NPO)かなえは「地域の課題は地域住民が解決する」という理念で、豊見城市高良地域で生活弱者の支援を行っている。

特集・企画

タグから記事を探す

手助けが要る高齢者や障がいのある人たちを同じ地域の人たちで支え合っていこうと頑張っています。

高良地域は字平良、高嶺に豊見城団地周辺を含めた地域を指す。かなえはこの地域を、高齢者が明るく元気に暮らせる地域、児童・生徒が伸び伸びと心身ともに健康に暮らせる地域、障がい者が安心して自立した生活を送れる地域、住民が共に支え合おうという意識を持てる地域・社会にしようと、2011年7月に設立された。
地域内には県道7号とその旧道に挟まれた緑地帯に、せせらぎ公園があり、せせらぎの下流には落差およそ15㍍の滝がある。住宅街の中にありながら管理は十分には行き届かず、草木が伸び、ごみが散乱していたため、かなえが同公園の清掃活動などを通して、地域の憩いの場をつくろうと取り組んでいる。
山下政広事務局長(66)は「お互いさまという心でみな、活動をしている」と話す。人は誰でも年齢を重ねるに連れ体力や知力は衰え、また病気になり事故に遭うこともある。支援をしていた人が、支援を受ける立場に変わることもあるという考えだ。
活動は、せせらぎ公園の美化活動などを行う清流化・憩いの場づくり、子どもたちの居場所づくりなどを行う児童支援、介護研修会の開催や介護予防としてのノルディック・ウオーキングに取り組む高齢者等支援など多岐にわたる。中でも、下校時見守りや食事、学習支援は次代を担う子どもが対象なだけに急いで取り組むべき課題として位置付けている。
活動の拠点確保へ
ことし10月に第3代理事長に就任した宮良紀美子さん(74)は「ボランティアを含めた若手の人材確保と会員同士が集まってさまざまな思いを出し合える拠点(事務所)確保に努めたい」と語る。現在、事務所は間借り状態。自前の事務所を持つことで会員が気軽に立ち寄って情報交換をしたり、互いの発想を述べ合うことができる。
せせらぎ公園ではさまざまなイベントを展開している。その中の一つ、灯篭まつりはことし2回目、12月10日(土)に行われる。山下事務局長は「心を一つにし、環境美化への動機づけに役立っている」と会員と近隣住民らの参加に期待した。


ことし10月に行われた清掃活動。約60人が参加、全長600メートルのせせらぎの周辺の草刈りなどを行った。公園では生き物学習会や写生大会なども行っている(かなえ提供)


学習支援の一環、与根漁港祭りでハーリー体験をした子どもたち=2016年10月(かなえ提供)


せせらぎ下流にある滝は近づかないと気付かないが、県道7号平良大橋の西側の緑地帯にある


特定非営利活動法人かなえ事務局長山下政広さん(66)


灯篭まつりの内容充実

Q. 灯篭まつり開催の意義など教えてください
A. 宮良  第1回以来、親子で川遊びをする姿が見られるようになった。メディアを通してせせらぎや滝の存在が知られるようになったおかげ。みんながもっと環境を良くしなければいけないという意識につながった。2回目のことしは内容をさらにグレードアップしたい。
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1613号・2016年12月2日紙面から掲載
 

特集・企画

タグから記事を探す

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2395

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る