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2026年1月4日更新

新年を機に模様替えしたい人、必読! 沖縄の空間デザイン心理士が説く、捨てる・買い替える前にやるべきこと|家と心理㊻

空間デザイン心理士Ⓡで一級建築士。2児の母でもある、まえうみ・さきこさんが、空間を心理的に解析する。今回は、新年を迎え、気持ちや空間を新たにする「模様替え」の方法について。「模様替えは、自分と向き合い、ここでどう過ごしたいか考えることが大切」と話す。

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自分労り回復する空間に50代からの模様替えのススメ

新年に始める「気持ちの掃除」


「頑張る」から「労る」に

新たな年を迎え、「空間も気持ちも新しくしたい」と思う方は多いでしょう。その際、大掃除や家具の買い替えなどを考えがちですが、私は住まい心理コンサルタントとして、おすすめしたいことがあります。

それは「気持ちの掃除から始める模様替え」です。

子育て中は家を「家族のため」に使ってきました。子どもが中心、仕事や家事が優先。そんな生活で自分の感覚を後回しにしてきた方も少なくないでしょう。

しかし子育てを終えた50代からの住まいは「頑張る家」より「回復する家」でいいんです。そして新しい年に必要なのは、気合いでも完璧さでもありません。適度な余白と、自分自身を労わる視点です。

それを踏まえると「模様替え」は、生活を一新するための大仕事ではなく、これからの自分が少し楽に過ごすための微調整なのです。


空間に表れる「心の疲れ」

「片付けても落ち着かない」「模様替えをしても、しっくりこない」。そう感じるとき、原因はモノの量ではなく、心の疲れが空間に表れていることが多いです。つまり家は、住む人の状態を正直に映し出すのです。

リビングがごちゃついて見えるのは、だらしなさではありません。判断や選択する余裕がなくなっているサインかもしれません。

寝室が落ち着かないのは、年齢のせいではなく、照明や色、配置などが脳の休息を妨げている可能性もあります。

玄関が雑然としているなら、外と内、仕事と私生活の切り替えがうまくいっていないことが影響している場合もあります。

だからこそ、新年の模様替えで最初にやるべきは「捨てる」「買い替える」といった行動ではなく、「自分は何に疲れているのか」と立ち止まって考えることです。家事に疲れているのか、気を使い続ける生活に疲れているのか、役割を演じ続ける毎日に疲れているのか。原因が見えてくると、改善点も自然と明確になります。

例えば、居場所がないと感じるリビングに自分専用の膝掛けを置いてみる、休まらない寝室は照明を少し落ち着いた明るさにする、玄関に好きな花やモノを一つ飾って「迎える」要素を加えるなど。大きな変更をしなくても、空間の印象はガラリと変わります。

住まいを整えることは、今まで怠けていた自分を責める行為ではなく、これまで積み重ねてきた時間を認め、ねぎらうことでもあるのです。

今年の模様替えは、大掃除からではなく、気持ちの整理から始めてみてはいかがでしょうか。


 
 「気持ちの掃除」から始める模様替え3事例 

どれも大がかりな工事や買い替えは不要です。この三つの模様替え事例に共通しているのは、
 
✓物を増やさない
✓無理な理想を追わない
✓「疲れ」のサインにもとづいている


大事なのは「今年はここで私を労る」という視点。模様替えは自己理解です。空間を見直すことは、「これ以上、無理しなくていいよ」と自分に伝える機会だと思います。

 1 「家庭の司令塔」だったリビングを「休まる場所」に

今まで常に誰かのため家族のための場所だった、座ってもどこか落ち着かない、休まらない…そんなリビングに出がちなサイン

□物が詰め込まれた家具が壁沿いに並んでいる
□テレビが主役で、視線が一点集中
□ソファに「自分の定位置」がない

 

★模様替え案
・ソファの向きを少し内側に振り、テレビ中心の配置をやめる
・クッションを一つ減らし、代わりに自分専用のひざ掛けを置く
・家族共有の棚から「自分の物」だけのスペースを1段確保する


「何もしない時間」を許せるようになり、「使うリビング」から「自分に戻れるリビング」へ変わる。

  眠れない寝室を「回復のための場所」に

疲れているのに頭が休まらない、寝ても回復した感じがしない 一日がリセットされない…そんな寝室に出がちなサイン

□照明が明るく、白色
□ベッド周りに物が多い
□色がバラバラで落ち着かない

 

★模様替え案
・天井照明を使わず、間接照明中心に切り替える
・ベッド周りの物を「今使うもの」だけに減らす
・寝具や壁の色を2色以内にまとめる


「眠る部屋」から「回復する場所」へ。朝の目覚めが穏やかになると、気持ちの余裕が戻る。

  通り過ぎるだけの玄関を「切り替えの場所」に

オンオフの切り替えがうまくできない、帰っても気持ちが落ち着かない、外の疲れを持ち込んでいる…そんな玄関に出がちなサイン

□靴や荷物が出しっぱなし
□視線が散って落ち着かない
□「迎える」要素がない

 

★模様替え案
・靴は一人一足分だけ出す
・小さな棚に季節の花か、好きな物を一つ置く
・玄関照明を少し温かい色に変える


家に入った瞬間、呼吸が整う。そんな玄関は「通過点」から「切り替えゲート」になる。

 
 

[文・イラスト]
まえうみ・さきこ/1976年、嘉手納町出身。建築会社に20年勤務したのち、2021年6月に「ielie(イエリエ)」を設立。建築の知識やママの経験を生かして、住まいの悩みに応じたコンサルティングやインテリアコーディネートを行う。一級建築士、空間デザイン心理士®、夫、2人の子ども、猫2匹で暮らす。
http://ielie.net


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週刊タイムス住宅新聞
第2087号 2026年01月04日紙面から掲載

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