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2025年5月2日更新
空気を動かし不快感を減らす視・触・嗅覚の対策も|ジメジメに負けず心地良く暮らす|家と心理㊳
空間デザイン心理士Ⓡで一級建築士。2児の母でもある、まえうみ・さきこさんが、空間を心理的に解析する。今回は、湿気に負けず心地良く暮らすヒントを紹介。「湿気をこもらせないよう。除湿機に加えて、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させましょう」とアドバイスする。

空気を動かし不快感を減らす視・触・嗅覚の対策も
ジメジメに負けず心地良く暮らす
空間デザイン心理士Ⓡで一級建築士。2児の母でもある、まえうみ・さきこさんが、空間を心理的に解析する。今回は、湿気に負けず心地良く暮らすヒントを紹介。「湿気をこもらせないよう。除湿機に加えて、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させましょう」とアドバイスする。湿気に負けず心地良く暮らすヒント
4 月の下旬ごろから雨の日が増え、ジメジメしてきましたね。そろそろ沖縄では、梅雨が到来でしょうか。
沖縄の梅雨といえば、長く続く雨、まとわりつくような湿気、乾かない洗濯物、カビの発生…など、住まいの不快感を一気に引き上げることが多く、ちょっと面倒で、ちょっと憂うつな季節ですよね。
しかし! 私は、住まいの力を見直して整えるきっかけにもなると、考えています。
今回は、梅雨時期を快適に乗り切るためのアイデアをいくつかお伝えします。
①「風を通す」より、「空気を動かす」
梅雨の時期、外の湿気がすごくて窓を開けられない日も多いですよね。
そんなときは、思い切って「風を通す」より、室内の「空気を動かす」ことを意識してみましょう。空気が動いているだけで体感的な不快感はかなり減らすことができます。
具体的には、扇風機やサーキュレーターを回して空気を循環させます。クローゼットや押し入れにも空気を流し、湿気がこもらないようにするとカビ対策になります。
除湿機を使う際も扇風機やサーキュレーターを併用すると湿気が分散され、乾きやすくなります。
②「家族の動線=湿気の通り道」に注目
家族が移動する動線は、意外と湿気が滞留しやすいです。
例えば、「脱衣所→洗濯スペース→寝室」のルートは、ぬれたタオルや服、お風呂上がりの蒸気などによる湿気がたまります。
対策として、吸湿性の高い素材のラグや除湿シートを敷くことで、〝湿気の道〟になるのを軽減できます。
また、ルート上に小型の扇風機・除湿機を設置するのもおすすめです。
③心地よさのカギは「五感」にあり!
心地よさは、人の「五感」に深く関係します。梅雨時期にできる五感の対策としては、
◆視覚→カビや黒ずみが見えると、それだけで不快。梅雨前にカビ防止のスプレーをするなど、カビが発生しづらい環境にしておくと良いでしょう。
◆触覚→湿ったシーツや衣類は睡眠の質も下げてしまいます。通気性のよいリネン(麻)素材や速乾性素材の寝具に変えてみましょう。
◆嗅覚→こもった匂いは、心理的にもダメージがあります。そんなときにはアロマや重曹を使った天然の消臭グッズが役立ちます。
④建材や間取りの工夫
これから家づくりを考えている方、リフォームを検討している方は、沖縄の湿気との付き合い方を、プランの中に盛り込むことをおすすめします。
例えば、珪藻土や漆喰など、湿気を吸放出してくれる内装材は梅雨に強い味方です。メリットやデメリット、メンテナンス方法も素材によって違いはありますが、沖縄で建材を選ぶときは、まず多湿を意識した素材を検討するのがおススメです。
収納は湿気をこもらせない建材(すのこなど)をチョイス、小窓の位置を付けて通気性をアップさせるのも効果的です。




◆ ◆ ◆
「空気が動いている」「五感に心地よい」「湿気とうまく付き合えている」。そんな状態を目指して、住まいを整えてみましょう。

[文・イラスト]
まえうみ・さきこ/1976年、嘉手納町出身。建築会社に20年勤務したのち、2021年6月に「ielie(イエリエ)」を設立。建築の知識やママの経験を生かして、住まいの悩みに応じたコンサルティングやインテリアコーディネートを行う。一級建築士、空間デザイン心理士®、夫、2人の子ども、猫2匹で暮らす。
http://ielie.net
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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2052・2025年05月02日紙面から掲載
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