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2024年10月11日更新

[2024年度地価調査]県内地価5.9% 11年連続上昇

県が9月17日に公表した2024年の県内の基準地価(7月1日時点)は、林地を除く全用途の平均変動率が11年連続で上昇。上昇率は5.9%(前年4.9%)、住宅地の上昇率は5.8%(同4.9%)で9年連続で全国1位だった。

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県内地価5.9% 11年連続上昇

県が9月17日に公表した2024年の県内の基準地価(7月1日時点)は、林地を除く全用途の平均変動率が11年連続で上昇。上昇率は5.9%(前年4.9%)、住宅地の上昇率は5.8%(同4.9%)で9年連続で全国1位だった。




 住宅地 北部で需要強まる 

用途別の上昇率は、住宅地が5.8%(前年4.9%)、商業地が6.1%(同4.8%)、工業地が10.6%(同10.0%)=下記表1。県内は持ち家比率が低いため、潜在的に住宅需要がある。加えて、これまでの低金利政策などが影響して、住宅地は高い上昇率が続いてきた。

住宅地で地価が上がったのは41市町村中31市町村で、昨年より2増となった。横ばいは2減の8町村、下落したのは2町村だけだった。

住宅地の市町村別上昇率トップ5は①宮古島市②北中城村③恩納村④宜野座村⑤今帰仁村=下記表2。今年は北部地域が3~5位を占め、住宅地の地価上昇が中南部だけではなく、ほかのエリアでも強まったのが特徴だ。県地価調査分科会の代表幹事で不動産鑑定士の仲本徹氏は「『多拠点居住地』を求める富裕層から別荘や移住先として注目を集めて、地価の上昇を後押ししている」と分析する。





 高値推移で地元住民に影響 

恩納村の真栄田は基準地別で住宅地の上昇率が29.0%と、全国1位。ダイビングなど観光スポットに近く、関連施設が充実。移住希望者によるニーズが高い。宜野座村は東海岸近くに住宅地があり、海を望む土地は人気があるという。

今帰仁村は昨年横ばいだったが、プラスに転じた。開業を予定しているテーマパーク「ジャングリア」が周辺の地価に影響。隣接する東村や国頭村の住宅地も上昇している。

宮古島市では昨年から引き続き需要が強く、港に近い伊良部島の集落内の地点が上昇。今年は同市平良の中心市街地で活発な取引も見られたという。

本島北部や離島で不動産取引は好調だが、地元住民の生活に影響。住宅購入やUターンが難しくなるという課題がある。


 商業地トップは宮古島市 

仲本氏は「ローンの金利引き上げの動きも強まっており、今後の不動産取引にどういった影響が出るのか注視しなければならない」と話した。

県内の最高価格地点は、住宅地が34万円で8年連続の那覇市天久2の11(前年33万3千円)と同市泉崎2の14(同32万円)、商業地が34年連続で同市松山1の1で135万円(同127万円)だった。

商業地は調査対象25市町村のうち23市町村で上昇、2町村が横ばいで、下落はゼロだった。ホテルなどの開発計画は離島をはじめ各地にあり、地価の上昇基調は続くという見方が強い。商業地の上昇率は宮古島市15.2%を先頭に、糸満市11.8%、豊見城市9.1%と続いた=上記表3

地価調査は、7月1日時点の基準地の1平方㍍当たりの標準価格を判定する。今年の対象は41市町村で284地点。土地取引の指標や公共事業用地の適正な取引価格の目安となる。
取材/市森知
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第2023号・2020年10月11日紙面から掲載



 

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