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2024年5月31日更新

建設分野で活躍する外国人|ファン・ヴァン・タインさん[大成設備工業/特定技能1号]

人手不足が深刻化する建設分野で注目が高まっているのが外国人材の登用だ。国によると、業界で活躍する外国人は約11万人、県内は1624人で受け入れている事業所あたりの平均は4.8人に増えている(2023年10月末現在)。設計・管工事・卸売りの各現場で活躍中の外国人と受け入れ企業に話を聞いた。

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集合住宅の工事現場で作業するタインさん。青いサヤ管を取り付けるボックスに傾きがないか、測定器で確認



ベトナム出身
ファン・ヴァン・タインさん
(大成設備工業/特定技能1号)

管工事を最前線で支え

 公 共工事から戸建てまで、管工事業を中心に担う大成設備工業。中でも、空調から衛生設備、給排水まで、住宅にかかわるすべての設備を設置し、口径を合わせながら配管する工事部で活躍するのが、ベトナム出身のファン・ヴァン・タインさん(29)だ。

取材日は、給排水用の配管を内側に通すためのサヤ管に、蛇口とつなぐためのボックスを設置。前後左右に傾くと蛇口も傾くため、一つ一つ計測器で確認しながら慣れた手つきで作業を進める。サヤ管は壁内や床下だけでなく「天井からつったり土に埋めたり。大変なのは埋設配管」とタインさん。大きい管は運ぶのも2人がかりな上、排水用は水勾配が適切にとれていないと詰まりの原因に。炎天下での作業となれば厳しさもひとしお。

建物が完成してしまえば見えないが、快適に水や設備が使えるのは、タインさんら職人がいてこそ。「便器や洗面器、シャワー、キッチンなど取り付ける機器やメーカーによってビスも違うし、現場が大きくなるほど初めて見る器具も増える。今はまだ経験が浅いけど、もっと勉強して、ベトナムで小さな会社を作りたい」と奮闘中だ。

もとは、技術移転による国際貢献が目的の技能実習生として同社に所属。在留期間も5年と決まっていた。そんな中、国は人手不足分野の即戦力として、一定の技能がある外国人労働者を呼び込むため、2019年に特定技能を創設した。

建築配管技能士2級を持つなど特定技能1号への移行資格があり「もっと学び働きたい」タインさんと、「優秀な人材を雇用し続けたい」同社の考えが合致し、昨年末に移行が実現。複雑な手続きは、建設分野に強い宜野湾市の登録支援機関、アジビズがサポートした。


創業40年を迎える大成設備工業㈱の狩俣吉信社長


挑戦できる環境整え

大成設備工業では17年から技能実習生を受け入れはじめ、タインさんは2期目のメンバーの1人。現在、タインさんら特定技能者5人を含む9人が在籍し、兄弟も2組いる。同社の狩俣吉信社長は「現場によっては1年以上かかるが、離島にも喜んで行ってくれるし、目的があるから前向きで一生懸命。家族や年上を大事にするところは沖縄と同じ」と話す。タインさんらは、同社を最前線で支える、なくてはならない戦力だ。

雇用にあたり、住まいは会社近くのアパートを用意。生活面は総務部課長の大城茜さんが相談に乗り、月に一度は社員同士の懇親会でコミュニケーションを図る。技能実習生時代は一律だった給与も、社員らの助言もあり仕事ぶりに応じて改善。狩俣社長は「面談でも成長ぶりをアピールするなど、自分の居場所を自分でつくる姿は頼もしく、応援したい。現場をまとめる職長に挑戦したいと話すメンバーも出てきた」と喜ぶ。今後は「職人希望の女性も積極的に受け入れたい」と意欲を見せた。
大成設備工業株式会社(電話=098・945・3797)



狩俣社長(左)、大城茜さん(右)と話すタインさん。ゴミ出しや銀行の使い方といった生活面から仕事や待遇面まで、幅広く相談できる体制を整える



特定技能、登録支援機関とは?

2019年に創設された特定技能(1号、2号)は、介護、建設、農業など12分野で、一定の専門性を持つ外国人労働者を受け入れるのが目的。受け入れ企業には職場や社会生活上の支援義務がある。支援には書類作成など専門的な知識が必要で、登録支援機関に委託することもできる。

大成設備工業がサポートを依頼したのは、沖縄と福岡に拠点を置く(合)アジビズ。比屋根拓代表は「もともと建設業許可に必要な申請手続きや外国人材の紹介も行っており、特定技能の候補者紹介からビザ申請、登録支援業務まで対応が可能。外国人専門の行政書士、6カ国語対応の専門スタッフが常駐している」と話した。
(合)アジビズ
(電話=090・9586・5446)


建設分野で活躍する外国人
◯中国出身/楊立鑫(ようりっしん)さん(タイガー産業/技術、人文知識、国際業務)
◯インドネシア出身/ラハルディアニ・シャフィラさん(福地組/高度外国人材)


取材/徳正美
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」
第2004号・2024年05月31日紙面から掲載

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