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2024年3月22日更新

ブロック塀の安全性 所有者が確認・管理|ウチのブロック塀は大丈夫?

大きな地震が起こるたび、倒壊したブロック塀による犠牲者が出ている。自宅のブロック塀が倒壊して人や物に被害を与えてしまったら、所有者の責任となる。沖縄県の耐震化促進に関する事業より、ブロック塀の調査を行う県建築設計サポートセンターが2月に開催した「RC造建築物の耐震と劣化」セミナーでは、その調査結果も報告された。自分でできるブロック塀診断と合わせて紹介する。

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危険な塀が半数以上

住宅と同じくブロック塀も、建築基準法によって高さや厚みなどが定められている。例えば、高さは地盤から2.2メートル以下でなくてはならない。厚さは10センチ以上(高さが2メートル~2.2メートルの場合は15センチ以上)、塀の長さが3.4メートル以下ごとに控え壁を設けなくてはならないなど。

しかし、そのルールにのっとらずに造られた危険なブロック塀は数多くある。

沖縄県では、2022年度~23年度にかけて既存コンクリートブロック塀の調査を行った。同調査をした建築士・福島弘志さんは「調査対象の塀は31。うち『要建替・除去』と判断された塀は約3割。それも含めて『危険』と判断された塀は約6割あり、半数を超えていた」と報告した。

原因は「高さ、厚さ、控え壁、基礎の条件で法令に適合しない」「石垣の上の塀」「塀の厚さが薄く、目地の状態が悪い」「鉄筋コンクリートの基礎でない」「鉄筋間隔が広い、たて筋がない」などが挙げられている。


まずは自分で診断を

所有するブロック塀の安全性は、(一社)全国建築コンクリートブロック工業会が出している「ブロック塀の診断カルテ(6面に掲載)」をもとに自分でチェックできる。あくまで目安のため、正確性を求める場合には専門家による診断を受けよう。

沖縄県建築設計サポートセンターのホームページには「既存コンクリートブロック塀耐震診断技術者名簿」がアップされており、資格を持つ建築士とその問い合わせ先が掲載されている。

沖縄県では、3300円で築20年以上のブロック塀を調査する事業を行っている。本年度(23年度)分はすでに終了したが、来年度(24年度)も引き続き実施予定。決まり次第、沖縄県建築指導課のホームページに掲載される。

診断の結果、補修が必要となった場合、小さなひび程度であればモルタルやコーキング材で補修できるほか、控え壁の設置で改善できるケースもある。大掛かりな改修が必要な場合は建て替えるのも手だ。

所有するブロック塀は、責任を持って管理しよう。
 
出典/(一社)全国建築コンクリートブロック工業会、全国コンクリートブロック工業組合連合会発行 「あんしんなブロック塀をめざして」



 役割と注意点 
出典/(一社)全国建築コンクリートブロック工業会、全国コンクリートブロック工業組合連合会発行 「あんしんなブロック塀をめざして」


①地盤
塀全体を支え、基礎から一体となって塀の転倒に抵抗する役目を果たします。したがって、大きな支える力(地耐力)が要求されます。特に、軟弱地盤では大きくしっかりとした基礎を設けましょう。地耐力は、以下の簡易法により、およその判別ができます。

◇良質土/スコップを強く踏んでようやく掘ることができる
◇普通土/スコップに力を入れれば掘ることができる
◇軟弱土/スコップで容易に掘ることができる



②基礎
鉄筋コンクリートで堅固に造ります。塀本体と一体となり、転倒しないように40センチ以上、地中に根入れします。さらに、抵抗力の大きい形式の基礎として、L形、T形および鋼管杭打ち基礎などがあります。また。高い擁壁や石積みの上に設けられている塀は基礎に粘りがなく非常に危険です。安全対策を講じてください。


③たて筋
たて筋は、壁に作用する横力に抵抗する重要なものです。基礎から壁頂まで1本の鉄筋を曲げることなく配置します。特に、基礎と最下段ブロックとの接合部には曲がりやさびがよく認められますので注意しましょう。また、たて筋は建築基準法並びに日本建築学会・ブロック塀設計規準の規定に沿うよう配置し、次の点にも注意しましょう。

◇基礎に確実に定着する
◇壁頂部のよこ筋へカギ掛けする(下イラスト参照)



④よこ筋
壁体の長手方向を強固に一体化するもので、控え壁がある場合は特に重要な役目を果たします。よこ筋は通常、80センチ以下の間隔で配置します。


⑤かさ木
塀本体へ雨水等が侵入するのを防ぎ、ブロックや鉄筋を保護します。壁体へ確実に固定しましょう。また、かさ木は浮きや欠落がよく見られますので注意しましょう。


⑥控え壁
塀の転倒に対する対抗力を増すために、3.4メートル以内ごとに設けます。控え壁にも鉄筋を配置し、塀本体と強固に一体化します。さらに塀本体と同様に堅固な基礎を設けて反対側への転倒に対する抵抗力を確保しましょう。


⑦透かしブロック
多用すると、壁体の強度を低下させます。特に連続した配置は、たて筋の適正な配置を困難にします。


⑧充てんモルタル
充てんモルタルは、鉄筋とブロックを一体化させるもので、強固な壁体を造るとともに、鉄筋を保護する役目を果たします。鉄筋の周辺部にモルタルが密実に充てんされないと、塀の強度低下や劣化を早めることになります。


 まず自分でチェック! 

(一社)全国建築コンクリートブロック工業会などが作成した「ブロック塀の診断カルテ」を用いて所有するブロック塀を診断してみよう。おおよその現状が把握できる。ただし、あくまで目安のため、より正確を期するためには専門家による診断を受けることを進める。同カルテは沖縄県建築設計サポートセンター(電話=098・879・1020)のホームページなどからもダウンロードできる。
 

取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1994号 2024年3月22日紙面から掲載

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東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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