特集・企画
2024年3月8日更新
楽しく美しく手軽に本格みそ汁|知財 この人あの会社⑯
今回紹介するのは、ハイビスカスクッキングスクールの知念美智子代表取締役(76)が、特許を取得した「薬膳みそ」を使ったみそ玉。お湯を注ぐだけで、栄養価が高い本格的な薬膳みそ汁ができる。現在は料理教室で作り方を教えており、商品化も見据える。
ハイビスカスクッキングスクールの知念さん(後列)と宜野湾分校のメンバー
さまざまな具材をトッピングし彩りも美しい「みそっ娘」。一玉20グラムの薬膳みそを使う
みそっ娘/(有)ハイビスカスクッキングスクール 代表取締役・知念美智子さん
「薬膳みそ」で特許
「薬膳みそ」の作り方を料理教室で教え、同みその販売を行っている(有)ハイビスカスクッキングスクールの知念美智子さん。一般のみそと違い、玄米、ハト麦、黒ごま、黄大豆、黒大豆、塩の6種の材料を使った滋味豊かな味わいが特徴で2010年に「みそとその製造方法」で特許も取得。知念さんは、このみその作り方を広めるべく「マイスター制度」と「分校制度」を取り入れている。マイスター資格を取った生徒に、各地域で開校を認める方式だ。
きかっけは「お弁当にもみそ汁」
3人のマイスターが2年前に立ち上げた宜野湾分校では、週2回みそづくり教室を開いている。スタッフの一人がお弁当を食べる際に、「みそづくり教室をやっているのにレトルトのみそ汁を飲んでいるのは忍びない。自分たちの作る薬膳みそをお弁当と食べられないか」と考えた。知念さんも加わって、だしとみそを混ぜて丸めた「みそ玉」を材料にこだわって作ってみようと、さまざまな具材で試作。味も検証しながら作り上げた。
薬膳みそにだしを練りこんで丸く球にし、具材を乗せるだけ。だしは京都府の老舗「うね乃」の協力のもと、煮干し・魚の節のブレンド・昆布の3種のだしをブレンドして使用。具材は無添加にこだわって、とろろ昆布、べに花、えのき、くこの実、きざみ昆布、ゆず、切り干し大根、シイタケ、のり、青のり、アーサ、あられなどを準備し、好みでトッピングする。具材はだしになるものと、彩りになるもので相性のよい組み合わせがあるという。直径3センチほどで和菓子のような美しい見た目だ。これをカップやおわんに一つ入れて150ミリリットルのお湯を注ぐだけ。だしを取らずとも手軽に本格みそ汁ができあがる。知念さんは、このみそ玉を「みそっ娘」と命名し、商標出願している。
食べるときはカップやお椀にみそっ娘を一玉入れて150ミリリットルのお湯を注ぐだけ
料理教室で作り方を伝授
料理教室では麹(こうじ)の仕込みから始める本格的なみそづくり教室のほか、このみそっ娘を作って持ち帰る90分のコースも開講している。10個分のみそっ娘を作って持ち帰ることができるほか、薬膳みその特徴や材料の話も聞ける。みそっ娘は容器に入れて冷蔵すれば2週間ほど日持ちするので、「孫も喜んでみそ汁を飲むようになった」「親が留守の時も子どもたちが楽しんで選んで、みそ汁を飲んでいる」との声もある。知念さんはゆくゆくはみそっ娘を商品化したいと考えている。
「みそ汁離れが進む昨今だがユネスコ無形文化遺産に登録された『和食』の中でも、みそ汁は健康的な食生活に欠かせない重要なメニュー。手軽に楽しみつつ、家庭で受け継いでいってほしい」とアイデアを形にし続ける。=おわり
問い合わせは、ハイビスカスクッキングスクール本校(沖縄市美里)電話=090‐8763‐6176(知念)、または宜野湾分校(宜野湾市愛知)電話=090‐2710‐5157まで
[執筆者]
宮川準(みやかわじゅん)
1967年、東京都出身。大学卒業後、都内で就職。2012年、沖縄に移住し沖縄県発明協会に入職、以来INPIT沖縄県知財総合支援窓口を担当。
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INPIT(インピット)沖縄県知財総合支援窓口、配置専門家相談日の開催スケジュール
「このアイデアに関し、特許を取得できるか」「他社が類似商品を販売している」「契約を交わそうとしているが内容は適切か」といったことについて、専門的な見地からアドバイスをいたします。
3月14日(木)西平守秀弁理士
3月18日(月)大久保秀人弁理士
3月21日(木)本堂裕司弁理士
3月28日(木)松本秀治弁理士
会 場
沖縄県知財総合支援窓口(浦添市伊祖2-2-2 3階)
時 間
各日午前10時~、午後1時~の2枠を設定しています。
ご相談、問い合わせは電話=098-987-6074、またはLINEのお友だち登録から
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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1992号・2024年3月8日紙面から掲載