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2024年2月23日更新

カギは空調設備 一元管理し制御|省エネ診断⑥

文・写真/名嘉光男(NPO法人 沖縄県環境管理技術センター)

カギは空調設備 一元管理し制御

中小企業のエネルギー使用状況を調査し、省エネの工夫を提案する「省エネお助け隊」。県内でお助け隊として活動するNPO法人・沖縄県環境管理技術センターの名嘉光男さんが実際の調査結果を基に省エネのヒントを紹介する。


今回は、医療法人陽和会 南山病院の省エネ診断事例
1984年8月に開院し、業容の拡大に応じて順次病棟を増やし、現在5棟。診療科目は精神科・心療内科・内科で、関連する業務として精神科デイケア、ナイトケア・重度認知症デイケア等多岐にわたる
1984年8月に開院し、業容の拡大に応じて順次病棟を増やし、現在5棟。診療科目は精神科・心療内科・内科で、関連する業務として精神科デイケア、ナイトケア・重度認知症デイケア等多岐にわたる


◆南山病院の現状
使用しているパッケージエアコンと照明

各部屋ごとにリモコンスイッチで温度管理している

 
空調の消費電力増

今回の省エネ診断事例は本島内の南山病院です。病院は新型コロナウイルス対策として換気量が増加し、その分空調の電力消費量が増加する傾向にあります。また、療養者や訪問者に快適な空間を提供するために空調、換気、照明の管理をきめ細かく実施することが求められます。

同病院の空調システムは、業務用のパッケージエアコンと家庭用のルームエアコンによる個別空調方式です。空調機は順次高効率型に更新しています。照明設備のLED化はおおむね済んでいます。給湯設備は真空式温水発生機で、1カ所の加熱装置から供給する中央式で給湯しています。


使用状況の見える化を

本事業所で使用しているエネルギーは電力(約85%)、A重油(約10%)、LPガス(約5%)です。これより電力消費量の削減が主な省エネのターゲットになります。

同病院は日頃から省エネ活動を行っており、専任の担当者も常駐していました。しかし、エネルギー使用状況を把握するための「見える化」は実施していません。また、空調設備のエネルギー消費量を管理・削減するための制御システムを導入していますが、十分な機能を発揮していませんでした。

電力使用量の中で空調の占める割合は約30%です。パッケージエアコンは約155台と多いため管理に多大な労力を要します。現在の空調制御システムを整備して再構築することでデマンド値(最大需要電力)の低減、電力使用量の低減、一元管理による省力化など大きなメリットが得られます。また、変圧器も開院当時の古いものから更新することで大きな省エネ効果が得られます。

そのほか、設定温度の適正化や空調の清掃などもすることで予想される削減金額は年間約292万円でした。



◆省エネ診断による提案事項
運用改善
①空調設定温度の適正化
②室内機のフィルター清掃(室外機フィン洗浄含む)

設備導入として
③高効率変圧器への更新
④BEMS(空調制御システム)の導入

提案事項の実施による予想削減量は292万1千円/年の見込み。
電力削減量は107,870kWh/年




省エネ診断の補助事業(中小企業向け)

事業所のエネルギー使用状況を把握し、省エネできる項目の洗い出し、改善策について提案するのが省エネお助け隊による「省エネ診断」。中小企業は国の補助(地域プラットフォーム構築事業、2024年度も継続)により、1割負担で診断を受けられる。1人での診断は1万120円、2人診断で1万5400円(いずれも税込み)。規模が大きい場合は2人診断をすすめる。詳細は「省エネお助け隊ポータル」で検索。

▼詳細はこちらをクリック。




執筆者
なか・みつお/NPO法人沖縄県環境管理技術センター理事長、エネルギー管理士、一級管工事施工管理技士。電話=098・853・3739

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1990号・2024年2月23
日紙面から掲載

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