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2023年12月22日更新

エネルギー管理体制整え 利用者にも協力仰ぐ|省エネ診断⑤

文・写真/名嘉光男(NPO法人 沖縄県環境管理技術センター)

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エネルギー管理体制整え 利用者にも協力仰ぐ

中小企業のエネルギー使用状況を調査し、省エネの工夫を提案する「省エネお助け隊」。県内でお助け隊として活動するNPO法人・沖縄県環境管理技術センターの名嘉光男さんが実際の調査結果をもとに省エネのヒントを紹介する。


今回は、沖縄県男女共同参画センター「てぃるる」の省エネ診断事例
同センターは1996年3月に落成した複合施設内にあり、建物延べ床面積の約50%を占有する。女性問題の解決を図り、21世紀に向けて、男女共同参画社会の実現を目指す諸活動の拠点となる施設として設置された
同センターは1996年3月に落成した複合施設内にあり、建物延べ床面積の約50%を占有する。女性問題の解決を図り、21世紀に向けて、男女共同参画社会の実現を目指す諸活動の拠点となる施設として設置された

 
多様な空調設備を使用

沖縄県男女共同参画センター「てぃるる」は、地下1階、地上8階の複合施設のうち、建物延べ床面積の約50%を専有しています。

施設内容はホール、展示コーナー、フィットネスルーム、図書室、各種会議室や研修室などがあります。多様な空間があるため、空調設備もさまざまな種類を利用しています。1階ホールは、水の気化熱とガスを利用した空調システム「ガス焚吸収冷温水機」や、省エネ効果の高い換気設備「全熱交換器」を利用しています。

その他の空間では、ガスで稼働する「ガスヒートポンプエアコン」や、1台の室外機に複数台の室内機を接続する「ビル用マルチエアコン」、さらにパッケージエアコン(業務用エアコン)、ルームエアコン(家庭用エアコン)があり、それぞれ個別空調方式です。これらのエアコンは高効率型に更新されていました。

照明設備および誘導灯は旧来の蛍光灯とLED灯が混在していました。

電気の使用状況を監視するデマンド監視装置は設置しておらず、指定管理者が常駐管理し、日ごろから省エネ取り組みを実施しています。

本事業所で使用しているエネルギーは電力が49%、ガス51%です。施設の現状把握と省エネの新たな知見を得るために省エネ診断を受診することになりました。


消し忘れを防ぐ

本事業所は、不特定多数の人々が来訪し、部屋の使用方法も多岐にわたります。空調・照明の消し忘れを防ぐなど、施設内のエネルギー管理体制の構築が必要であると思われます。その一環として利用者への省エネの取り組みの協力依頼も実施します。

今回の省エネ診断では、冷房設定温度の緩和や人感センサーの導入など、7項目を提案しました=右記参照。

本事業所のエネルギー使用量は年間約74・59㌔㍑でした。省エネ提案による予想エネルギー削減量は、年間で10・74㌔㍑、実施による予想削減金額は年間約145万6000円です。


◆「てぃるる」への提案事項
運用改善
①冷房設定温度の緩和
②室内機のフィルター清掃(室外機フィン洗浄含む)
③ガス焚吸収冷温水機の冷水出口温度調整

設備導入
④ガス焚吸収冷温水機の高効率型への更新
⑤誘導灯のLED化
⑥人感センサーの導入
⑦省エネ型自動販売機の導入

提案事項の実施における予想エネルギー削減量は10.74kl/年、予想削減金額は年間約145万6000円になる見込み。
 


省エネ診断の補助事業(中小企業向け)

事業所のエネルギー使用状況を把握し、省エネできる項目の洗い出し、改善項目について提案するのが省エネお助け隊による「省エネ診断」。中小企業者は、国の補助(2023年度地域プラットフォーム構築事業)により1割負担で診断を受けられる。

1人での診断は1万120円、3人診断で2万2880円(いずれも税込み)。規模が大きい場合は2人、3人診断をすすめる。詳細は「省エネお助け隊ポータル」で検索。

▼詳細はこちらをクリック。




執筆者
なか・みつお/NPO法人沖縄県環境管理技術センター理事長、エネルギー管理士、一級管工事施工管理技士。電話=098・853・3739


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1981号・2023年12月22
日紙面から掲載

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