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2023年11月10日更新

衝突や寄り掛かりの網戸破れを防止|知財 この人あの会社⑫

網戸の張り替えはなかなか面倒だ。そもそも破れたり枠から外れたりしなければ、交換の必要はなくなる。今回紹介するのは、網戸の枠に取り付けるだけで、子どもやペットが衝突したり、寄りかかったりして網が破けるのを防止する製品。子育て中の夫婦が開発した。

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「網戸だいじょうぶ」をアピールする、アーロの金城博紀・亜弓夫妻
「網戸だいじょうぶ」をアピールする、アーロの金城博紀・亜弓夫妻
 
 網戸だいじょうぶ/アーロ 金城博紀さん・亜弓さん 

衝突や寄り掛かりの網戸破れを防止

網戸の張り替えはなかなか面倒だ。そもそも破れたり枠から外れたりしなければ、交換の必要はなくなる。今回紹介するのは、網戸の枠に取り付けるだけで、子どもやペットが衝突したり、寄りかかったりして網が破けるのを防止する製品。子育て中の夫婦が開発した。
 
網戸に設置することで網のたわみを防ぐ。対応できる網戸の横幅は62センチ~95センチ
 
木材やカーテンレールを使った試作品(上二つ)と完成品(下)


子育て家族の悩みから

南風原町在住の金城博紀さん(44)、亜弓さん(39)は、現在9歳以下の4人の子育て中の夫婦だ。住まいで4人の子どもたちが走り回ると、モノを倒したり、家具にぶつかったりすることがたびたびある。また、子どもが網戸に寄りかかって網が破けてしまうこともあった。一度は息子が網戸の網を破ってベランダに落ちて頭を打ち、慌てて病院に連れて行ったこともあり、子どもが網戸に寄りかったら、外側から網を押す形で子どもを支えていた。そこで、「外側から網戸を補強する商品をつくれないか?」と考えた。

2人は木材を使ったり、カーテンレールを使ったりして、網がたわむのを外側から支える補助具をいくつか試作。網戸の下の段に設置すると、補助具が網のたわみを防ぎ、子どもが手をついたり寄りかかったりしても破れなかった。「子育て世代向けの新たな商品になるのではないか」と、この器具を製品にすることとした。

製品化する前に特許を出した方がよいと考え、特許事務所へ依頼し、3年前に特許出願した。その後、どのように製品にしていくかについて、知財総合支援窓口と相談し、工場との交渉や販売の方法についてアドバイスをもらった。


クラウドファンディングで製品化

製品化は糸満市にある(株)ハーバーゾーン日本に依頼することとなり、社長の崎濱秀和さんと、素材、仕組み、安全性などについて議論を重ね、何度か試作品を作り直してもらって完成した。

試行錯誤を重ね完成した網戸保護器具「網戸だいじょうぶ」は網戸に穴を開けるなどの工事が不要。つっぱり棒の要領で設置でき、さまざまな網戸のサイズに対応する。

お子さんが手をつきそうな位置の外側から設置する。網戸の枠に製品両端のフック部分を引っ掛け、網戸の横幅に合わせて製品の長さを調整し、ドライバーでネジを締めるだけ。棒状の本体が網を支え、網が衝撃を受けた際に十分耐えうる構造になっており、網の破損の度合いを軽減することができる。

「網戸だいじょうぶ」は製品化に際し、クラウドファンディングにて資金を調達。現在は専用のウェブサイトで販売を開始している。「夫婦の悩みが商品づくりのベースになっている。私たちのように小さいお子さんがいる子育て世代にぜひとも使ってもらいたい。子育て世代の小さな悩みを商品で解決できる余地はまだまだあると思っており、今後もいい商品を開発していきたい」と語った。


問い合わせは、
電話=090-1364-1984まで。
ホームページで通信販売している。https://amido.base.shop/







[執筆者]
宮川準(みやかわじゅん)
1967年、東京都出身。大学卒業後、都内で就職。2012年、沖縄に移住し沖縄県発明協会に入職、以来INPIT沖縄県知財総合支援窓口を担当。

 
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●浦添常設窓口 
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沖縄産業支援センター(よろず支援拠点内)
11月21日

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沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センター
11月15日、22日、29日、12月6日

 ●名護外部窓口 
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● 宮古外部窓口 
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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1975号・2023年11月10日紙面から掲載

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