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2023年10月27日更新

生き物の“カワイイ” 絶妙なバランスで|アートを持ち帰ろう(31)

文/本村ひろみ

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生き物の“カワイイ”
絶妙なバランスで

来月、浦添美術館と県芸で交流展

コトウミクの作品を初めて見たのは沖縄県立芸術大学の卒業作品展のとき。2点展示されていて、作品『おでかけ』は愛らしい形態のマルチーズがモチーフ。足元にはキャスターが付いているので一緒に散歩ができるという楽しい作品。もう一つの『散歩』はヒョロッと背の高い青い髪の人物とピンク色の生き物が軽やかに歩いている。そぎ落とされデフォルメされたフォルム(形状)に温かみを感じる色調の立体だ。そんな生き物の“カワイイ”を表現するカタチのバランスが絶妙でくぎ付けになった。


「おでかけ」非売FRP
W1000×D500×H600mm


上の作品と一緒に散歩する作者


「散歩」 非売FRP
W3500×D3000×H2300mm


立体にし一緒にお出かけ

彼女の制作コンセプトは「生き物との距離感」。「人間と共に暮らす理想の生き物との生活を想像しながらドローイングを描き、立体にして一緒に出掛けてみたりしています」と話す。実際、作品と一緒に散歩している写真を見たら後ろ姿のシルエットが実にほのぼのとしていた。穏やかな日常の中にある幸せな何かを思い起こさせてくれるコトウの作品たちは、いろいろなことを語りかけてくれる。

一方、石や木にドローイングした作品は、バラバラになったジグソーパズルのピースを見つけるように作品を集めて物語を紡いでみたくなる。木に描かれた子どもとヤギ。石に描かれた魚たちやうれしそうに生き物を高らかに持ち上げている作品など、幾つものストーリーを創作し、並べ替えてみたりしてひそかに空想する。なので、彼女は新作を早く見たい! と思わせてくれるアーティストの一人なのだ。


「木のドローイング」
250×195mm 7000円



作家近況
アーティスト・コトウミク
https://www.instagram.com/kotoumiku/?hl=ja
【年内展示会】
◆11月11日(土)~21日(火)/アジア芸術系大学
交流展in沖縄「彫刻の五・七・五2023」浦添市美
術館、県立芸術大学付属図書館2F(休館:浦添会
場11月13日、県芸会場11月18日・19日)
◆12月14日(木)~19日(火)/「首里城復元・復興プロジェクト-大解剖 沖縄県立芸術大学 日本画、彫刻、漆芸展」神戸阪急

本村ひろみ
もとむら・ひろみ
那覇市出身。清泉女子大学卒業。沖縄県立芸術大学造形芸術研究科修了。ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2」でパーソナリティーを務める


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1973号・2023年10月27日紙面から掲載

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本村ひろみ

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ロマンチストなラジオDJ
那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学 造形芸術研究科修了。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2(毎週 日曜日 19時~20時)」でパーソナリティーを務める。

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