沖縄建築賞
2023年9月8日更新
[第9回沖縄建築賞 受賞作品決まる]正賞に小林氏・仲本兼氏ら
沖縄県内の優れた建築や建築士を表彰する「第9回沖縄建築賞」(主催・同実行委員会)の最終審査が9月3日に行われ、入賞者が決定した。住宅建築部門の正賞には小林進一氏(50・一級建築士事務所コバヤシ401.Design room㈱)が設計した「ヨナシロのいえ」が、一般建築部門の正賞には仲本兼一郎氏(36・㈱一級建築士事務所STUDIO MONAKA)らが設計した「謝敷集落の宿」が選ばれた。各作品の詳細は9月29日発行のタイムス住宅新聞で紹介する。
住宅建築部門正賞を受賞した「ヨナシロのいえ」。東西は閉じ、南北に大きく開いた住宅
「ヨナシロのいえ」を設計した小林氏
「ヨナシロのいえ」を設計した小林氏
一般建築部門正賞の「謝敷集落の宿」。やんばるエリアにある分散型ホテルの一室
設計者の(左から)仲本氏、岡山氏、森田氏
第9回沖縄建築賞の応募総数は24点(住宅建築部門15点、一般建築部門9点)。
その中から、住宅建築部門の正賞には小林進一氏が設計した「ヨナシロのいえ」が選ばれた。LDKを中心に、東西は水回りや寝室など閉じた空間、南北には外とつながる大きな開口部やアマハジ空間を設けたシンプルな間取りの住宅で、審査員からは「デザインもレイアウトも単純明快ながら、いろいろな可能性にも応えられる」と評価された。
一般建築部門では、仲本兼一郎氏、岡山泰士氏、森田修平氏による「謝敷集落の宿」が正賞に輝いた。やんばるエリアにある分散型ホテルの一室で、現地調達しやすい材料や、現地の職人が使い慣れた工法を選ぶなど、地域の資源を生かしている。「集落の環境を存続させるというオーナーのビジョンに建築士が応えており、空き家問題の解答例としても素晴らしい」と評価を集めた。
住宅新聞社賞は松田氏
正賞に次ぐ、タイムス住宅新聞社賞には、松田まり子氏(松田まり子建築設計事務所)が手掛けた「衣食住創~育む家~」が選ばれた。奨励賞は、仲本昌司氏(ADeR)の「具志の二世帯住宅」、濱元宏氏ら(濱元宏建築設計事務所+GAB)の「金城次郎館」、平良和礼氏(渡久山設計)の「中城ひらやすこども園」の3作品が選ばれた。
古谷誠章審査委員長は「これまでの『気候風土に合わせた建築』を一歩越え、これからの沖縄を持続可能にして次世代に継承するには、どういう建築やデザインが求められるのかという議論につながる作品が多く見られた」と話した。
第9回沖縄建築賞受賞作品一覧
【住宅建築部門・正賞】「ヨナシロのいえ」小林進一氏、菊池彩加氏(一級建築士事務所コバヤシ401.Design room㈱)【一般建築部門・正賞】「謝敷集落の宿」仲本兼一郎氏、岡山泰士氏、 森田修平氏(㈱一級建築士事務所STUDIO MONAKA)
【タイムス住宅新聞社賞】「衣食住創~育む家~」松田まり子氏(松 田まり子建築設計事務所)
【奨励賞】
「具志の二世帯住宅」仲本昌司氏(㈱ADeR)
「金城次郎館」濱元宏氏、豊崎孟史氏(濱元宏建築設計事務所+GAB)
「中城ひらやすこども園」平良和礼氏(㈱渡久山設計)
最終審査の模様はコチラ
9月3日に行われた最終審査の模様を、タイムス住宅新聞社のユーチューブでアーカイブ配信している。タイムス住宅新聞ウェブマガジンからアクセスできるほか、またはコチラをクリック。
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1966号・2023年9月8日紙面から掲載