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2023年7月7日更新

玄関を整えて暮らしラクに|家と心理⑯

空間デザイン心理士®で、一級建築士。2児の母でもある、まえうみ・さきこさんが空間を心理学的に解析。今回は気持ち良い玄関をつくるコツを紹介。玄関を整えると、暮らしが楽に気持ち良くなりますよ!

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快適玄関四つのポイント

 
 
スッキリ使いやすく

「人を家に招く機会が減った」というご家庭も多いと思います。それでも玄関は、その家の第一印象を決める場所。玄関が散らかっていると「家の中も荒れているんだろうな」というイメージを与えてしまいかねません。

風水でも、玄関は外からの運気が入ってくる大切な場所とされていますよね。
家族が外から帰宅した時にも、最初に入る空間だからこそ気持ちの良い、ホッとした空間でありたいです。今回は、気持ち良い玄関をつくるポイントを紹介します。

 
(1)靴が出しっ放しでなく、三和土(たたき)がスッキリしていること。

シューズボックスや玄関収納に靴がすべて収まり、スムーズに戻せることがポイントです。三和土に靴があふれている場合は、靴を全部出して、実際に履いている靴、これからも履きたい靴のみに整理しましょう。

「高かったから」という理由で、モノを手放せない人は多くいます。私もそうです。でも、「シューズボックスに収まるだけ」をルールにしたら手放せました。

どうしても手放せない靴はムリして処分せず、一度「保留ボックス」の中に入れて、他の場所へ移動しましょう。半年~1年以上使用しなければ、手放すことを検討してもいいと思います。

また、戻しやすい収納にすることも大切です。そのためには、物の出し入れに必要な動作(アクション数)を増やさないこと。靴をしまうのに手間がかかると、収納するのが面倒くさくなり、出しっ放しになってしまいます。

わが家では「出しっ放しにしない」を重視し、かつアクション数を減らすため、シューズボックスの扉を外しました=下写真。
扉を外したことで靴が出し入れしやすくなるだけでなく、通気性も良くなりました。

また、履く頻度や目的別に分けましょう。冠婚葬祭用の靴など、年に一度程度しか履かないものは、一番取り出しにくい場所に置きます。

 靴は収納に収まる数にする 

出しっ放しの靴がなく、靴を着脱する「三和土(たたき)」がスッキリした玄関は気持ちが良いですね。そのためには、シューズボックスにすべての靴が収まり、かつ戻しやすいことがポイント。収納から靴があふれるのであれば、何年も履いていない靴を思い切って処分しましょう。
三和土には靴を出さないことを目標にしましょう
手放すかどうか、悩む靴はいったん保留ボックスへ
 
まえうみ家の靴箱
わが家のシューズボックスは「出し入れのしやすさ」を最優先事項にしているので、扉を外しました(中央の扉は鏡付きなので残しています)。通気性がアップし、カビ対策にもなり、臭いがこもることもなくなりましたよ。
 
 
(2)掃除がしやすい場所であること。

三和土などにじか置きするものを減らすことが大切です。極力、玄関にあるモノは〝浮かせる〟工夫をしましょう。例えば傘立ては引っかけるタイプにしたり、玄関掃除用のほうきや、帽子などもフックに引っかけるようにし、床から浮かせると掃除がラクになります。


 モノを浮かせて掃除しやすく 

掃除しやすい玄関であることも重要です。モノを持ち上げたり、移動しなくてもササッと掃除ができる空間を保ちましょう。それには「引っかけ収納」がおすすめです。傘や靴べらなど引っかけ収納にして床から浮かせると掃除がラクになります。


★マグネットで貼って浮かせる

 

★引っ掛けて浮かせる


★突っ張り棒で浮かせる


(3)出かける際、忘れがちなモノや玄関で使うモノの置き場所をつくる。

例えばハンカチ、ティッシュ、マスク、夏場は日焼け止めや制汗剤、虫よけスプレーなど。それらを取りに家の中に戻ることはないでしょうか?

疲れて帰宅したら、元に戻すのもおっくうになってそのまま放置…、なんてことも。

だったら! 初めから玄関に置き場所をつくってしまいましょう。宅配の受け取り時に必要なボールペンなども玄関に置いておくと便利です。
 

 外出グッズの置き場をつくる 

出掛ける直前に「あっ!ハンカチを忘れた!」「日焼け止めを塗っていない」など玄関で思い出すことも意外と多いものです。そこで、ハンカチやティッシュ、マスクなどの外出グッズや日焼け止めなど外出時に使うモノを玄関に置いておくと支度がスムーズになりますよ。

外出グッズなどは玄関にひとまとめにして置いておきましょう
 

(4)インテリアを飾るスペースを設ける。

「家の顔」という側面を持つ玄関には、モノを詰め込み過ぎない工夫が必要です。

季節の小物や花、ディフューザーなど飾る習慣をつけるのがおススメ。ディスプレーすることで余計なものを置かなくなり、おしゃれな玄関を演出できます。

インテリアを置ける場所がないという場合は、壁にアートなどを飾るのもおススメです。


 インテリアスペースを設ける 

使いやすさが大事な玄関ですが、家に入って最初に目に入る場所なので、自分好みに飾り付けると家を出るときも、帰ってきたときも楽しい気持ちになります。写真のような玄関は愛着のあるスペースになることと、シーサーの笑顔につられて人も笑顔になる、という二つの効果が期待できます。



◇     ◇   ◇


モノがあふれやすい玄関ですが、まずはこの四つを意識するだけで、使い勝手はグンとアップします。

新築でも、賃貸でもすぐできちゃいます。皆さんもできそうなことから試してみてくださいね。

 

 
まえうみさきこ
[文・イラスト]
まえうみ・さきこ/1976年、嘉手納町出身。建築会社に20年勤務したのち、2021年6月に「ielie(イエリエ)」を設立。建築の知識やママの経験を生かして、住まいの悩みに応じたコンサルティングやインテリアコーディネートを行う。一級建築士、空間デザイン心理士®、夫、2人の子ども、猫2匹で暮らす。http://ielie.net




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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1957号・2023年7月7日紙面から掲載

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