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2023年5月26日更新
心浮き立つ触れたくなるオブジェ|アートを持ち帰ろう(26)
文/本村ひろみ
音楽と絵画融合 ポップで軽やか
心浮き立つ触れたくなるオブジェ
春先にギャラリーアトスで開催した個展「HARMONY/MASHUP/NEUTRAL」を振り返って画家・長田哲は「音楽の抽象的な美しさや人を癒やす側面などに感化されながら日々絵を描いてきたことの蓄積だった」と話す。長田の制作の姿勢は、長田の言葉を借りれば、音楽の温かさを感じながら“音楽と絵画”の融合性をさまざまな手法で(例えば色面を重ね合わせる、音楽でいうマッシュアップという技法を絵に取り込み二つ以上の絵を合成して一つの絵にするなど)実験的に追求し音楽体験を絵にのせていくこと。そして常にニュートラルな視点を持ち続けること。そんな明確なスタンスで描く長田の思考は哲学的だ。大学で哲学を専攻した彼の作品が、現代の哲学家を代表する東浩紀氏の著書『弱いつながり』の装丁に選ばれたのも共鳴するものがあったからだろう。
①
“MICROCOSMOS SUPERPOSED”
210mm×283mm、3万8500円
軽さ、か弱さ、曖昧さ
ともすれば難しく受け取られそうな紹介になってしまったが、ここで改めて長田の作品を見てほしい。洗練されていて分かりやすく構築的。柔らかい線にポップな色調で軽やか。見ていると心がフワッと浮き立つ。今回の展示では初めて立体作品も登場した。音楽を聴いているような楽しげな気分が形になった作品。そこにあるだけでリズミカルなオブジェ。触れたくなるという衝動が発動する。
長田のこれからの立体の展開にも期待したい。「軽さ、か弱さ、曖昧さを大事にし続けたいです。絵を描いた結果“切なさ”“寂しさ”が表現できたら良いなと思っています」。そんな感情が可視化される作品に早く出逢いたい。
②
“MICROCOSMOS SUPERPOSED”
297mm×405mm、5万5000円
③
“NEW DAWN AFTER CHAOS”
283mm×210mm、3万8500円
④
“NEW DAWN AFTER CHAOS”
140mm×140mm×156mm、3万8500円
※写真1と2、3と4は
それぞれ同じタイトルですが個別の作品です。
作家近況
長田哲(おさださとし)
https://www.instagram.com/satoshiosada/
https://suzuri.jp/SatoshiOsada
ギャラリーアトス(今期限定で作品を紹介)
https://www.galleryatos.com/
もとむら・ひろみ
那覇市出身。清泉女子大学卒業。沖縄県立芸術大学造形芸術研究科修了。ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2」でパーソナリティーを務める
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1951号・2023年5月26日紙面から掲載
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ロマンチストなラジオDJ
那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学 造形芸術研究科修了。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2(毎週 日曜日 19時~20時)」でパーソナリティーを務める。