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2016年8月12日更新

【未来の住まい】 太陽光を活用する実証実験住宅|(株)アイムホーム

時代の最先端を行く「未来の住まい」。さまざまな知恵と工夫を生かしながら、快適に暮らす未来を見つめた住まい作りは進化し続けている。今回は太陽熱を活用する実証実験住宅を紹介します。

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 沖縄県北谷町・モデルハウス 太陽の恵みをフル活用

沖縄の気候・風土下で実証へ
沖縄県本島中部、北谷町にある㈱アイムホームのモデルハウス「結の家」。2015年10月に完成した太陽熱フル活用型住宅だ。
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が、2017年まで全国11カ所で実証実験を行い、沖縄ではアイムホームが実証実験に加わっている。設計は県出身で著名な建築家の伊礼智さん。鉄筋コンクリート造3階建ての分離型二世帯住宅で、最新機器やシステム、素材を活用することに加え、沖縄ならではの住まいの要素も取り入れた。

特徴は太陽熱を最大限に活用している点と設計・施工技術を駆使した省エネ、エコハウスの実現。太陽熱を給湯や冷暖房に使い、太陽光発電で電気を作り出す。さらに外気を専用機器で除湿し、室内の空調システムに活用。太陽の恵みを住宅内でフル稼働させる。

床材やふすま、壁などには蓄熱材、断熱材を使っているほか、外壁に断熱塗料を施すことによる効果も調査。外壁にサーモセンサーを埋め込んだり、窓や床にセンサーを取り付け、そのデータを東京大学へ送信し、分析が行われている。
 

沖縄らしさが表現されているのは、伝統的民家に見られる軒下「アマハジ」や花ブロック使い。屋上緑化や中庭には沖縄の原風景を思わせる植栽がある。また、消臭殺菌効果のある月桃の壁紙や漆喰を使うなど、住み心地の良さを追求する。

同社の三家本真大専務は「伊礼さんが設計したということで、本土からのツアー見学者もいるほど話題になっている」と説明。「今回の試みはこれまで感覚的に住み心地を表現してきたものが、具体的に数値化されてデータになる点が画期的。当社としてもこのデータを設計に生かしたい」と期待を込めた。


屋上に据え付けられた太陽の集熱装置と太陽光発電用のパネル。これらがお湯や冷風を作り出すシステムとして活用される


入り口や窓に木材を使い、シンプルモダンなたたずまいを見せる外観。遮熱塗装が施された外壁も特徴の一つ


除湿剤を使い湿気を除き、機械内で循環させて冷房に活用する空気集熱式システム


住宅内の温度変化を測定


屋上には草花や樹木を植栽


1階の親世帯のリビング


2階のリビングは子世帯が使用


木材の間を除湿された空気が循環し、室内を快適に


足元に窓を設置し風通しを良くする工夫も

[DATA]        
敷地面積:303.66㎡(約91.8坪)
1階床面積:111.0㎡(約33.6坪) 2階床面積:111.0㎡(約33.6坪)
3階床面積:57.4㎡(約17.4坪)
躯体構造:壁式鉄筋コンクリート造
設計:1階 ㈱アイムホーム、2階・3階 伊礼智
施工:アイムホーム 造園:荻堂寿也

問い合わせ 
(株)アイムホーム
098-923-1646
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1597号・2016年8月12日紙面から掲載

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