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2022年5月27日更新
土器を使う暮らし提案|アートを持ち帰ろう(14)
文/本村ひろみ
土器を使う暮らし提案
見て触って 食卓のアクセントに「インパクトのある抽象的な大きなオブジェ」と「素朴で愛らしい印象の器」。その両方の制作を同時に進めながら結果を出し続ける陶芸作家・鈴木まこと。オブジェは数々の公募展や陶磁展で受賞し、器においてはすでに全国にファンを持ち作品展には入場整理券も出る勢い。そんな鈴木の待望の沖縄初個展が先日開催された。
会場にはキウイ、クイナ、ヤギ、タヌキなどの動物がモチーフになった鈴木まことらしいユーモアのある陶器が並び、加えてこれまで彼女が研究してきた南米ペルーの土器の「ネガティブ文様技法」を作品に取り込んだ、オリジナルで懐かしさのあるプリミティブな土器壺(つぼ)や耳付き土器鉢、土器ボウルなどもお披露目された。素材も技法も進化している個展だった。
磨いて、あでやかに
陶展のタイトルに“play with clay”と記されているように、土器の作品は触るとヒンヤリ手に馴染み、土をこねた記憶をよみがえらせる。「土をこねて石と木の板でたたいて丸くしていくんです」と、鈴木は話してくれた。ペルーの土器の特徴は磨くことにあり、磨くことを繰り返しあでやかにしていくそうだ。その質感が大切だという。「土器といえば縄文時代」というイメージから解き放ち、その丸みを帯びたフォルムや色調、生き物や幾何学的な文様は日々の生活にロマンをもたらすに違いない。
私は耳付きのイルカ柄土器鉢をキッチンに置きたい。季節の野菜や果物、草花を入れても食卓のアクセントになるし、何よりずっと触っていたい。
耳付き土器鉢
W25cm×D25cm×H15cm 2万5000円(税別)
オブジェ「知不知(しるしらぬ)」
第50回沖縄県芸術文化祭で沖縄県文化振興会理事長賞受賞
W65cm×D50cm×H60cm 30万円(税別)
土器壺(台座付き)
W17cm×D17cm×H20cm 2万円(税別)
作家近況
6月にはグループ展開催(岐阜)。また、イタリア・ミラノで開催されるミラノサローネに作品を出品予定。詳細はサイトでチェック
【ホームページ】https://www.instagram.com/suzuki_makoto21/
【インスタグラム】https://www.instagram.com/accounts/login/?next=/atelier_hitosaji/
もとむら・ひろみ
那覇市出身。清泉女子大学卒業。沖縄県立芸術大学造形芸術研究科修了。ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2」でパーソナリティーを務める
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1899号・2022年5月27日紙面から掲載
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ロマンチストなラジオDJ
那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学 造形芸術研究科修了。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2(毎週 日曜日 19時~20時)」でパーソナリティーを務める。