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2021年10月29日更新

【第7回沖縄建築賞】タイムス住宅新聞社賞/「恩納村立うんな中学校」(恩納村) 設計:宇垣安晃氏・河野泰志氏(株)国建

沖縄県内の優秀な建築物・建築士を表彰する「沖縄建築賞」(主催/同実行委員会)。全16作品(住宅部門9件、一般部門7件)の中から、第7回の入賞作品が決定した。タイムス住宅新聞社賞には宇垣安晃氏(45)・河野泰志氏(55)設計の「恩納村立うんな中学校」が選ばれた。

中学校を俯瞰(ふかん)した様子。海を望む小高い丘に建っている。写真奥の大きな赤い屋根の部分が体育館、屋上にソーラーパネルやプールのある手前が校舎
中学校を俯瞰(ふかん)した様子。海を望む小高い丘に建っている。写真奥の大きな赤い屋根の部分が体育館、屋上にソーラーパネルやプールのある手前が校舎


タイムス住宅新聞社賞
「恩納村立うんな中学校」(恩納村)


交流の場を随所に

自然になじむ学校

「恩納村立うんな中学校」は、村内にあった五つの中学校が統合して生まれた。

敷地の高低差を利用した配置計画で、1階はスクールバスも止められる天井高4・2㍍のピロティ式駐車場、2階~4階に教室や体育館などがある。

学習ラウンジやデッキテラス、コモンスペースなどを随所に設置。設計した宇垣安晃さんは「生徒が安心して学び、交流できるような場所をつくることで、通いたいと感じてもらえる学校を目指した」と話す。

内装は、床全体にカバ桜のフローリングを敷いたり、木製の建具を使うなど、木質系の材料で木の風合いを出した。壁は掲示板クロス、天井は岩綿吸音板など機能性も備えている。 

一方、外装については「各階を囲むベランダに木調柄のアルミ製手すりを使用するなど、外装は周囲の自然になじませながら維持管理のしやすさにも配慮した」

審査では「校舎やピロティの開放感に居心地の良さを感じた。レインボーサインの『だれでもトイレ』など、普及すべき課題に取り組む先進的学び舎」と評された。
 

玄関前。曲線を描いたベランダは周囲の山並みをイメージしており、その下には日陰が心地良いアマハジ空間が広がる

玄関前。曲線を描いたベランダは周囲の山並みをイメージしており、その下には日陰が心地良いアマハジ空間が広がる

開放的なデッキテラス。海と山の両方の眺望が楽しめる
 

2階と3階をつなぐらせん階段。外装との統一感を図った木のルーバーでぬくもりを感じる
 



断面図




設計者/(写真上から)宇垣安晃氏(45)、河野泰志氏(55)
(株)国建




(宇垣)恩納村教育委員会をはじめ、関係者全員に与えられた賞であり、深く感謝いたします。自然と場所性を生かした学習環境が実現できたと感じており、生徒たちの心が豊かに育まれる施設であり続けられるよう期待しています。



審査講評・能勢裕子氏 タイムス住宅新聞社賞

居心地良い先進的学び舎

碧い海と豊かな緑に囲まれた高低差ある地形を活かした配置設計で、村内5校を統合した中学は、ベランダが緩やかなカーブを描いたルーバーに囲われている。それらは視覚的効果と共に、日差し遮蔽や災害時対応なども担っている。

スクールバス乗降場でもあるピロティは4・2㍍高と開放的な空間が海を望んで広がり、心配りある室内外のサインにより校内へと導かれる。視察は土曜日であったが、生徒たちが部活等で楽しげに集う様は、校舎の開放感や、木質化と機能性が配慮された内装の居心地の良さを感じさせた。

それと同時に、生徒の活発さ故か、掲示板クロスには所狭しと張り紙があり、機能や美しさや秩序について悩ましく考えさせられた。

レインボーサインの「だれでもトイレ」など多様性に対応した施設づくりや制服に加え、特別支援学級への配慮等、今まさに普及すべき課題に取り組んでいる先進的学び舎であり、エメラルド色の海が羨ましい立地の中で、生徒たちが生き生きと学べる場が出来上がっている。(彫刻家)

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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1869号・2021年10月29日紙面から掲載

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