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2021年5月28日更新

アートを持ち帰ろう(2)文/本村ひろみ

今回はGW期間中に開催された、画家で絵本作家のなかんだかりたつろうさんの個展「星々からのささやき」に出かけた。

夜空に溶ける 青のグラデーション

キッチン越しに眺め浮世の喧噪忘れる

作家が初めての個展を開催すると聞くと「どんなふうに作品を見せてくれるのか」と、興味がわく。

今回はGW期間中に開催された、画家で絵本作家のなかんだかりたつろうさんの個展「星々からのささやき」に出かけた。緑の多い路地にあるart gallery soranoeでの展示。以前から、自然の植物や架空の生き物をやさしい色調(アクリルガッシュや水彩や色鉛筆など)で仕上げた作品が印象に残っていたが、新作は夜空を見上げ星々や宇宙にまで思いをはせるものだった。


淡緑から硬質な群青色へ

柔らかいトーンの作品の中でひときわ目に飛び込んできたのは、翡翠(ひすい)のような淡い緑色からラピスラズリのような硬質な群青色のグラデーションが際立つ作品『きっと君に届くまで』。

絵のなかで夜空に溶けていく青は、モネの「睡(すい)蓮(れん)」も想起させる。夜空とモネの水
の風景の連想。星のさざめきと中央に描かれた人物の青い瞳。

そんな幻想の青につつまれた作品を、私はキッチン越しに眺められる場所に飾りたい。ふと見上げる視線の先の絵は時間を緩めてくれるだろう。特別なこともないのに、ただ夜更かしをしている夜には明かりを消して、窓からこぼれる光だけでこの絵を見つめていたい。闇に浮かぶ青の美しさがしばし浮世の喧(けん)騒(そう)を忘れさせてくれそうだ。



「きっと君に届くまで」
「夜空のもと胸に抱えている大切なものを届けるための心の動きを描いた」という作品。98mm×150mm。原画は非売品。複製画は額装込みで1万8000円



「夜空のもと胸に抱えている大切なものを届けるための心の動きを描いた」という作品。98mm×150mm。原画は非売品。複製画は額装込みで1万8000円

作家近況

完売した絵本「君がいる場所」を今後出版予定。スケッチ集『SEEDS』(1000円)はサイトから購入可。
https://nekoyasora.wixsite.com/nekoya
【Instagram】ID @tatsuro_nakandakari

 

もとむら・ひろみ
那覇市出身。清泉女子大学卒業。沖縄県立芸術大学造形芸術研究科修了。ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2」でパーソナリティーを務める

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1847号・2021年5月28日紙面から掲載


 

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ロマンチストなラジオDJ
那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学 造形芸術研究科修了。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2(毎週 日曜日 19時~20時)」でパーソナリティーを務める。

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