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2021年3月5日更新

コロナ禍の避難所設営①| みんなの防災計画 拡大版[22]

文・長堂政美
2011年に起きた東日本大震災から今年で10年。大きな節目を迎える。そこで今回は「拡大版」として、コロナ禍における避難所設営のポイントについて紹介する。

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避難所の運営や設営は、「誰かにやってもらう」のではなく、
「避難者自身で行う」のが基本。災害が起きた時、あなたは
自分が過ごす避難所を設営できますか?

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■感染症対策を施した避難所

感染防ぐ2段階受け付け

避難者が設営・運営
「内閣府防災発出の避難所運営ガイドライン」によると、1995年の阪神・淡路大震災では約31万人、2011年の東日本大震災では、岩手、宮城、福島の3県で約41万人が避難所生活をしたとされています。そして、避難所が閉鎖されるまでにかかった期間は、岩手県で7カ月、宮城県で9カ月を要したそうです。

本県においても、地震だけでなく、特別警報級の猛烈な台風や高潮など、人的・物的被災を伴うような大規模災害が起こる可能性はあります。そうなると避難所は「住まいを失い、地域での生活を失った多数の被災者のよりどころ」となります。 

しかし、沖縄本島地方全域に及ぶような大規模広域災害の場合、行政や消防、警察といった公的機関そのものが被災し、機能しなくなることも考えられます。行政などによる公助に頼ることができない、「公助の限界」という状況です。

そのため、「沖縄県地域防災計画」などでは、避難所の設営や運営は、自治会や自主防災組織、避難者などが自主的に行うことを基本原則としています。特に本県は、島しょ県ゆえに他府県からの支援をすぐには受けられないため、より一層、避難所の自主運営・設営が求められます。

■避難所全体のレイアウト例


発熱者は別室に
小中学校をはじめとした行政指定の避難所では、「住まいおよび生活の質」に多くの課題もあります。例えば、「水や食料が足りない」「トイレ等の設備が不十分」「プライバシーの確保が難しい」など。このような空間で何日も生活することにより、多くの避難者が体調を崩す恐れもあります。

特に現在のコロナ禍においては、避難所内で感染が拡大しないよう気を付ける必要があります。

その方法として、まず受け付けは2段階に。最初に事前受付で検温したり、健康カードの記入により、体調を確認しましょう。異常がなければ総合受付に案内し、発熱などがある場合は発熱者スペースや濃厚接触者スペースに案内します。二次感染を防止するためにも、これらのスペースはできるだけ別階や別室など、人があまり行き来しないような場所にしてください。トイレや通路も専用にしておくといいでしょう。

感染リスクの高い高齢者や基礎疾患がある人などについても、専用スペースがあると安心です。

また、一般避難者スペースにおいても感染防止に努めてください。換気を徹底し、出入り口には消毒用のアルコールを設置、避難者同士の間隔も2㍍以上は確保しましょう。

通路を設ける場合は、幅4㍍以上にすることで、すれ違う時も2㍍以上の距離を保てます。通路を一方通行にするなら、幅は2㍍以上でもよいでしょう。


コロナ禍の避難所設営②▶︎



長堂政美
ながどう・まさみ/NPO法人防災サポート沖縄理事長、元沖縄市消防長 ☎098・923・4442
 

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1835号・2021年3月5日紙面から掲載

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