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2021年1月8日更新

【明かり】大きさ・場所 幅広く楽しむ|アートと暮らす[4]

[アートと暮らす|文・写真 青木嘉一郎]このコーナーでは、アートショップを営む青木嘉一郎さんに工芸やアートを日常に取り入れる面白さを教えてもらいます。


約50年前、ある舞台の公演で舞台監督助手を務め、生まれて初めて海外に行った。それもイタリアの水の都、ヴェニス。すてきな劇場での公演は夢のような世界だった。

街の中には石畳の道路、小さい島々をつなぐ橋、ゴンドラの他、水上バスやモーターボートも行き交い、まさに映画の世界そのままの風景が広がっていた。夜になると、石造りの建物の窓からスタンドの明かりが漏れていた。暖色の間接照明の使い方がすばらしく、まるで外灯のような窓は寒い冬の夜でも心を温かくしてくれた。

うちではシャンデリアやスタンドランプなど、いろいろな明かりを置いて楽しんでいる。例えば、リビングルームでくつろいでいる時、隣のダイニングキッチンが暗いのはさみしい。けれど、フロアスタンドを一つつけておくだけで安心する。リサイクルショップで見つけたフロアスタンドは、蛇腹状のオレンジのシェードが透けて、雰囲気のある明かりが心地いい。また、ヴェニスの街で見たように、キッチンの窓から漏れる明かりは外から見てもいい景色になり、道行く人を安心させる。


ダイニングに置いているフロアスタンド。首が回るため、キッチンでお茶を入れる時などにも重宝


穴あけパンチをベースに、ショットグラスをシェードに使ったランプ。文具を使っているから本棚に置いてもマッチして、ランプそのものが空間を飾る

かけ算のような明かり

静岡で企画ギャラリーをしていた頃、古い道具などを組み合わせたランプが雑誌で紹介されているのを見つけた。埼玉にアトリエを持つ夫婦が作っているということを知って、展覧会への出展をお願いし、実現した。

作品は、例えばヨーロッパで見つけたという靴の木型と油差し、ドアノブとフィルムケース、文具のパンチとショットグラスなどを組み合わせて、すてきな明かりにしていた。

物と物が組み合わさると、足し算ではなく、かけ算のような世界が広がる。普段の暮らしの中でも視点を変えて物を見てみると、とてもおもしろいことが起きる。そして、いろいろな構想が浮かんできて楽しくなる。



リビングに取り付けたシャンデリアの下で妻が入れたコーヒーを飲むのが至福のひととき


ベッドサイドに置いているえんじ色のシェードのランプは、薄暗い明かりで安眠に誘ってくれる


カラフルな色を組み合わせたステンドグラスのランプシェード。壁に色を映して影絵のように楽しむ

 
あおき・よしいちろう/1947年、川崎市出身。舞台監督として、78年「沖縄歌舞団太陽の燃える島」にも携わる。静岡県で妻・容子と企画ギャラリーを運営し、2016年に移住。北中城村のレストラン沖縄物語内の「アートショップ蓉(よう)」で、作品の展示販売を行う
 
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1827号・2021年1月8日紙面から掲載

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