2020年8月14日更新
台風情報と防災
台風シーズンに突入するが、事前にいつ・どの程度の風雨が襲来するか分かっていれば被害を防ぐことができる。そのカギとなるのが沖縄気象台から発表される台風情報だ。予報官に、台風情報の種類や見方を聞いた。
さまざまな予報活用し台風対策
気象衛星ひまわりが取得した画像。2018年9月29日、沖縄地方に接近した台風24号(気象庁・NOAA National Environmental Satellite, Data, and Information Service・Colorado State University-CIRA)
今後の発生数について
ことし7月31日までの台風発生数は、わずか2個だった。(1~7月の間の平年発生数は7・7個)。特に7月は観測史上初めて、一つも発生しなかった。「台風が発生しやすい南シナ海からフィリピンの東海上に太平洋高気圧が張り出し、積雲対流活動が抑制されたことが原因と考えられる」と笹本予報官は話す。
だが8月に入り、その太平洋高気圧の勢力が弱まったことも要因となり、次々と発生・接近している。「統計的にはこれから10月ごろにかけて発生数・接近数が多くなる。台風情報を確認して、早いうちから備えるようにしてほしい」と話す。
進化・向上する台風予報
今までは、進路予報のみが5日先まで出て、強度予報(中心気圧、最大風速、最大瞬間風速、暴風警戒域など)は3日先までしか発表されていなかった。それが、昨年3月からは強度予報も5日先まで発表されている。早い段階から暴風域に入るかどうかの目安が付くため、「事前の台風対策に役立ててほしい」と笹本予報官は話す。
台風情報でよく目にするのは、上の台風経路図。5日先までの進路が発表される。さらに、「昨年3月から、台風の強度(中心気圧、最大風速、最大瞬間風速、暴風警戒域など)についても、
5日先まで発表している」と話す。進路に比べ、強度については予報が難しかったが「スーパーコンピューターの計算能力の向上や技術開発により、精度も上がってきている」と台風予報の進化を説明する。
そして、今まで熱帯低気圧については24時間先までの進路・強度予報しか発表されなかったが、ことし9月からは「台風に発達するとみられる熱帯低気圧についても5日先まで進路・強度予報を提供する予定である」。
沖縄気象台では、それらの気象情報を一般の方々に向け「前もって」「分かりやすく」提供している。気象台のホームページを見ると、さまざまな気象情報が掲載されている。台風情報は図や表が用いられ、警戒が必要な地域や時間帯が一目で分かるようにしている。「行政の発表を待つだけでなく、自ら率先して気象情報を入手し、自ら動くことが一番の防災につながる」と笹本予報官は力を込める。
風強くなる前に対策を
台風の接近の恐れがある場合、確認しておきたいのが下記の「早期注意情報」。
警報級の現象が5日先までに予想される場合、その可能性の高さを上図の形式で発表していて、各市町村ごとに見ることができる。「台風対策は風が強くなる前に行うことが大事。なので台風が発生したら台風経路図や早期注意情報を確認して、家の周りを片付けたり、非常用品の確認をしておいてほしい」。
さらに台風が接近してきたら、下記の「危険度を色分けした時系列」で、警戒や注意が必要な時間帯を確認。
3時間ごとに危険度が色分けして表示されているほか、「雨量や風速、潮位などの予想値も明示されているので、自らの地域に迫る危険の詳細がひと目で把握できる」
台風が過ぎた後も「警報や注意報が解除されるまでは油断しないこと。吹き返しによる暴風や強風、大雨が続くことがある」と注意を呼び掛けた。
暴風警報発表のタイミングと天気予報の時間表現
暴風警報は、実際に暴風となる3~6時間前に発表される。
例えば、「昼過ぎ」に暴風となる恐れがある場合は、「朝」に発表される。
これは防災対策に必要な時間を確保するためだ。天気予報で使われる言葉と一緒に覚えて、対策に役立てよう!
新型コロナウイルス感染症の状況下における避難について
【知っておくべき五つのポイント(内閣府)】
・避難とは「難」を「避」けること。安全な場所にいる人まで避難場所に行く必要はない。
・避難先は公共施設だけではない。安全な親戚、知人宅に避難することも考えよう。
・マスク、消毒液、体温計が不足している。できるだけ自ら携行しよう。
・市町村が指定する避難場所、避難所が変更・増設されている可能性がある。事前に市町村ホームページなどで確認しておこう。
・豪雨時の屋外の移動は車も含め危険だ。やむをえず車中泊をする場合は、浸水しないよう周囲の状況などを十分確認すること。
気象衛星ひまわりが取得した画像。2018年9月29日、沖縄地方に接近した台風24号(気象庁・NOAA National Environmental Satellite, Data, and Information Service・Colorado State University-CIRA)
今後の発生数について
ことし7月31日までの台風発生数は、わずか2個だった。(1~7月の間の平年発生数は7・7個)。特に7月は観測史上初めて、一つも発生しなかった。「台風が発生しやすい南シナ海からフィリピンの東海上に太平洋高気圧が張り出し、積雲対流活動が抑制されたことが原因と考えられる」と笹本予報官は話す。
だが8月に入り、その太平洋高気圧の勢力が弱まったことも要因となり、次々と発生・接近している。「統計的にはこれから10月ごろにかけて発生数・接近数が多くなる。台風情報を確認して、早いうちから備えるようにしてほしい」と話す。
進化・向上する台風予報
今までは、進路予報のみが5日先まで出て、強度予報(中心気圧、最大風速、最大瞬間風速、暴風警戒域など)は3日先までしか発表されていなかった。それが、昨年3月からは強度予報も5日先まで発表されている。早い段階から暴風域に入るかどうかの目安が付くため、「事前の台風対策に役立ててほしい」と笹本予報官は話す。
台風情報でよく目にするのは、上の台風経路図。5日先までの進路が発表される。さらに、「昨年3月から、台風の強度(中心気圧、最大風速、最大瞬間風速、暴風警戒域など)についても、
5日先まで発表している」と話す。進路に比べ、強度については予報が難しかったが「スーパーコンピューターの計算能力の向上や技術開発により、精度も上がってきている」と台風予報の進化を説明する。
そして、今まで熱帯低気圧については24時間先までの進路・強度予報しか発表されなかったが、ことし9月からは「台風に発達するとみられる熱帯低気圧についても5日先まで進路・強度予報を提供する予定である」。
沖縄気象台では、それらの気象情報を一般の方々に向け「前もって」「分かりやすく」提供している。気象台のホームページを見ると、さまざまな気象情報が掲載されている。台風情報は図や表が用いられ、警戒が必要な地域や時間帯が一目で分かるようにしている。「行政の発表を待つだけでなく、自ら率先して気象情報を入手し、自ら動くことが一番の防災につながる」と笹本予報官は力を込める。
風強くなる前に対策を
台風の接近の恐れがある場合、確認しておきたいのが下記の「早期注意情報」。
警報級の現象が5日先までに予想される場合、その可能性の高さを上図の形式で発表していて、各市町村ごとに見ることができる。「台風対策は風が強くなる前に行うことが大事。なので台風が発生したら台風経路図や早期注意情報を確認して、家の周りを片付けたり、非常用品の確認をしておいてほしい」。
さらに台風が接近してきたら、下記の「危険度を色分けした時系列」で、警戒や注意が必要な時間帯を確認。
3時間ごとに危険度が色分けして表示されているほか、「雨量や風速、潮位などの予想値も明示されているので、自らの地域に迫る危険の詳細がひと目で把握できる」
台風が過ぎた後も「警報や注意報が解除されるまでは油断しないこと。吹き返しによる暴風や強風、大雨が続くことがある」と注意を呼び掛けた。
暴風警報発表のタイミングと天気予報の時間表現
暴風警報は、実際に暴風となる3~6時間前に発表される。
例えば、「昼過ぎ」に暴風となる恐れがある場合は、「朝」に発表される。
これは防災対策に必要な時間を確保するためだ。天気予報で使われる言葉と一緒に覚えて、対策に役立てよう!
新型コロナウイルス感染症の状況下における避難について
【知っておくべき五つのポイント(内閣府)】
・避難とは「難」を「避」けること。安全な場所にいる人まで避難場所に行く必要はない。
・避難先は公共施設だけではない。安全な親戚、知人宅に避難することも考えよう。
・マスク、消毒液、体温計が不足している。できるだけ自ら携行しよう。
・市町村が指定する避難場所、避難所が変更・増設されている可能性がある。事前に市町村ホームページなどで確認しておこう。
・豪雨時の屋外の移動は車も含め危険だ。やむをえず車中泊をする場合は、浸水しないよう周囲の状況などを十分確認すること。
この記事のキュレーター
- スタッフ
- 東江菜穂
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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。