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2020年7月3日更新

豊かな自然と人が魅力 [うるま市宮城島]

[歩いて見つけた!地域の住み心地-38-]本島と橋でつながり、沖縄らしい自然が残る宮城島。その魅力に引かれて、移住希望者も少なくないが、土地や家などの物件は供給が少ないのが課題。一方で移住者が住宅を建てているケースもあるという。島内の不動産を取り扱う業者に話を聞いた。

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高台にある景観スポットのシヌグ堂バンタから上原・宮城地域を見下ろす。島の自然やロケーションを生かし、島内にはペンション、ビーチ、レストランがある食塩製造工場などの観光向けの施設が点在する
 
太平洋が広がる景色は最高だルン♪
くねくねの道をドライブしたらたどり着くよ!

 



うるま市与那城の海中道路を真っすぐ進んで二つ目の島、宮城島は他の島よりも高くなっていて、「高離(たかはなり)島」とも呼ばれていた。島の地形は、カップから出したプリンのように、急な斜面地で囲われ、上の高台が平らな土地になっている。


高台からは海の絶景

島の魅力はなんと言っても、高台から見る海の景色。「高台のシヌグ堂バンタからは島の集落や伊計島が一望できる。島西側の崖からは金武湾が見渡せる」と話すのは上原自治会長の北野勲さん(80)。急勾配を上るため、道は曲がりくねって起伏もあるが、斜面の緑地の合間に見える集落を抜け、高台に着いた時に広がる海や畑の景色は、車でドライブするだけでも非日常な気分を味わえる。 

沖縄の海が堪能でき、離島だが橋でつながり本島からアクセスしやすいのもあって、移住希望者は少なくない。46年前に移住してきたという北野さんは、「妻が地元出身、仕事の関係で移住した。人柄がいい人が多くて、移住者でも受け入れてくれた」と話す。

ただ、家や土地は、「仏壇が残っていたり、家は老朽化が激しかったりする。土地も売れたらいいんだけど、地権者がブラジルなどの国外に住んでいる土地もある」といい、すぐには住めない状況だ。

地域活性化の思いも


海沿いの桃原地域には移住者が営む店がある。一本裏側の道に入るとほかの地域よりも築年が浅そうなRC造の民家が多い。「もともとは高台にあった地域だが、高台の畑地を整備する際に沿岸部に集落を移したようだ」と北野さんは説明する


島内の不動産を扱う(有)とみや不動産・取締役常務の仲与根節子さんは、「移住者が島内で建物を建ててお店を営んでいるケースもある」と話す。「今、島内で取り扱っている物件の売り主の中には、自身も移住者で、海が見えるところに住みたいと一生懸命働いて家を建てた人がいる。とてもバイタリティーがある」。島の土地を買うには情報収集や地権者との交渉など時間がかかると想定されるが、強い思いを持っていれば、移住への活路は見いだせるのかもしれない。

地元の人との関係性について、「移住者本人の人柄もあったと思うが、『近くで釣った魚をお裾分けしてもらったりした』と聞く。魚やモズクが近くの海でとれるからすごくおいしいのだそう。日々地域と関わって信頼関係が築ければ、余っている畑を貸してくれることもあったようだ」と話す。小さな島だからこそ互いに助け合う気持ちが働くのだろう。

物件を取り扱う地域がうるおってほしいと願う気持ちの強い仲与根さんは「この島に住むなら、『これから地域をつくっていく』といった、活性化に向けた気持ちを持って住んでくれる人がいるとうれしい」と話す。「例えば、農業の他、ヤギの畜産など、暮らすために必要な食材を生みだし、それを豊かな自然の中で味わえれば、より豊かな暮らしにつながると思う。人も訪れて地域の活性化につながるのではないか」と展望を語った。
 


桃原地域の売買物件
海が見える木造2世帯住宅





とみや不動産がおすすめする物件は、海岸沿いの桃原地域にある木造2世帯住宅の売り家。「目の前が海とロケーションが抜群の立地。内装はカラフルなクロスが多用されていてかわいらしい。自宅兼レストランやセカンドハウスなどにおすすめ」と仲与根さんはアピールする。
駐車場は3台分。上下階で住戸が分かれていて、部屋数も多い。価格は3280万円。
問い合わせは同社(電話=098-892-1277)。


エリアマップ

学校区
島全域、平安座島にある彩橋小学校、中学校。スクールバスが運行している


不動産の動向
「土地の価値は低い」と地元の自治会長。「畑地で坪当たり3000円、海岸沿いだと坪当たり1万~2万円程度で出ていたことがある」という


この地域を通るバス
島内ではうるま市運営の「伊計屋慶名線」が運行。各地域にバス停は一つだが、地元の人によると「運行ルート上ならバス停に限らず乗降できる」という

 


編集/川本莉菜子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1800号・2020年7月3日紙面から掲載

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