農業地が一変 店舗集まる街[うるま市前原・豊原・塩屋]|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

スペシャルコンテンツ

地域情報(街・人・文化)

2019年6月7日更新

農業地が一変 店舗集まる街[うるま市前原・豊原・塩屋]

[歩いて見つけた!地域の住み心地ー29ー]うるま市旧具志川市の東海岸にある前原・豊原・塩屋地域は、「下原(しちゃばる)」と呼ばれる農村地域であった。2000年以降は大型商業店舗の進出や道路整備によるアクセス性の向上、隣接する中城港湾の埋め立て地の完成など、地域内外の環境が一変。買い物や通勤が便利で人気のある地域になっている。

生活便利「人気エリア」

昔はサトウキビ畑
うるま市前原・豊原・塩屋地域はうるま市南部の東海岸に位置する。県道33号線と85号線は、歩道が広々としていて、車道が4車線あり交通量も多く、沿道には大型商業店舗や事業所が連なる。畑地を挟んで県道16号線や36号沿線に住宅地が張り付いている。

同3地域、また隣接する川田の沿岸部は「下原(しちゃばる)」と呼ばれ、もともとは畑が広がる一帯だった。前原自治会長の照屋淳(すなお)さんは「サトウキビ畑が広がる地域だった」と振り返る。今でも店舗と店舗の合間や裏手側に畑があり、大通りを歩けばにぎやかさを、一本裏の道に入るとのどかさを感じることができる。「塩屋には塩田があって、1950年代後半までは塩作りをしていたよ」と塩屋自治会長の大城朝順さん。きっと地名の由来にもなっているのだろう。現在では埋め立て地になっているが、以前は遠浅の海が広がっていて、「塩田で野球をしたり、海ではカニやタコをとったりして遊んでいた」と懐かしむ。

地域の様子が大きく変わったのは2000年に入ってから。うるま市江洲から前原に下る道路が開通して、ジャスコ具志川店(現・イオン具志川店)が2000年にオープン。埋め立て地である中城港湾新港地区(うるま市州崎・沖縄市海邦町)が07年に工事が完了した。その後、13年にドン・キホーテ、18年にABLOうるまやうるマルシェなど、大型商業店舗が続々とオープン。駐車場が広々と確保されていて、商圏はうるま市内だけでなく沖縄市や北中城村なども見込めそうだ。道路整備も進み、沖縄北ICや沖縄市方面にもアクセスしやすくなった。

さらなる発展の兆し
11年に開通した県道36号線の「なかきす大橋(豊原塩屋大橋)」から塩屋・豊原地域を望むと、アパートが点在しているのが分かる。新港地区の工場や周辺の商業店舗などで働く人が多く住んでいるそうだ。「この辺りは昔は人が少なかったんだけどね。最近は人口が急増している。塩屋は戻ってくる地縁者よりも外から来る人のほうが多いみたい。外国人も他地域と比べたら多いみたいだよ」と大城さん。前原地域では「この10年で20棟近くアパートが増えている」と照屋さん。「たまに『イオン周辺に土地はないかな』と相談に来る人もいる」という。

18年7月の地価調査において、同地域の地価は1平方メートルあたり3万3800円。坪あたり11万2000円ほどになる。(株)はまもと不動産鑑定・代表取締役の濱元毅さんは「地域が急速に熟成して、ここ2~3年で地価は急上昇。市全体でも上昇しているが、それを超える上昇率のようにみえる。人気エリアになっているのは間違いないだろう」と話す。畑が広がる農業振興地域であり、「以前は100坪弱と広い土地の取引が多くあったが、今は宅地用に小さく分けて取引しているようだ」。

一方で、県道33号線沿線の一部は街のにぎわいや利便性を高めるため、18年に地区計画が導入された。商業店舗やアパートなどが建てられるようになり、「これがはずみになって更なる発展が見込めるだろう」と濱元さんは話した。


        
昔はサトウキビ畑が広がっていたんだって。今も残る農地の緑がのどかだルン♪



1なかきす大橋から豊原地域を望む。民家と商業店舗の間にまとまった農地が残っていて、商業地の喧騒(けんそう)を感じさせない。畑ではサトウキビのほか牧草などを育てているそう


2県道33号線沿線にはスーパー、ドラッグストア、ホームセンターなどさまざまな店舗がずらり。どの店舗も駐車場が広い一方で、歩くのが大変だからと言って与勝のスーパーに行ったりする人もいるのだとか


2イオン具志川店裏側から県道沿いを歩くと戸建ての民家が並ぶ

◆エリアマップ◆

校区

3地域全域、小学校は高江洲小学校、中学校は高江洲中学校

地域の不動産動向

この十年来アパートが増加。ファミリー向けが多かったが、最近は単身向けの部屋も出てきている。地縁者だけでなく他地域から探しに来る人も多い。地価は坪当たり約11万2000円(18年地価調査を基に換算)


橋の下に公園

なかきす大橋の下にあるのは「下原地区スポーツ広場」。高架橋の下を有効活用し、遊具広場=写真=のほか、バスケットコート、テニスコート、広場があり、駐車場も備えている。高江洲小学校から徒歩約15分、通学路の沿線にある。

ちなみに「なかきす」はうるま市喜仲、江洲(上江洲・高江洲)などの地名から付けられた名称。豊原には「なかきす児童センター」があり、高江洲中学校区の地域を中心に児童サポートや地域活動を行っている。


編集/川本莉菜子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1744号・2019年6月7日紙面から掲載

地域情報(街・人・文化)

タグから記事を探す

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
川本莉菜子

これまでに書いた記事:23

編集者
好奇心が行動源。まち歩きで面白いことを発見した時に興奮し、脇目振らずに追いかけて迷子になること多し。人が住む・暮らす場所にある歴史、知恵、繋がりの面白さを見つけて発信していきたいです。よく県外出身かと聞かれますが、生粋のウチナーンチュです。

TOPへ戻る