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2020年6月19日更新

初めはサーフィンの街・千葉県一宮町|多くの拠り所がある暮らし[3]

2019年の秋に約1カ月間、日本各地で多拠点生活してみた。その体験などを通して、定住にとらわれずにいくつかの生活の拠点を持つような新しい暮らし方について、連載で紹介する。(文・久高友嗣)


千葉県一宮海岸。平日だったが、他府県から訪れているサーファーも多かった。次回の東京オリンピックの会場でもある

空き家活用して多拠点生活の家に
2019年9月2日から多拠点生活が始まった。目指す最初の拠点は千葉県の九十九里浜に面する、サーフカルチャーでも有名な一宮(いちのみや)町。那覇空港から羽田空港へ、そこからバスで東京湾を越えて電車に乗り継ぐ。上総一ノ宮駅近くのスーパーで3食分ほど食材を買い出し、太陽がカンカン照りのなかキャリーバッグを引いて、河川横を40分以上歩いた。そして、緑の多い住宅地の中に、ADDress(アドレス)のロゴマークが入ったのれんのかかった一宮の家に着いた。

多拠点生活向けの住居サービスを行うアドレスは、空き家活用や地方の活性化を事業の意義としている。アドレスが提供する家は空き家を改装、リノベーションした物件が主で、そういった家には「家守(やもり)」と呼ばれる管理人がいる。家守さんは共用部の清掃管理のほか、家に滞在するサービス利用会員に地域を案内するなど、地域と滞在者をつなぐ役割も兼ねている。

一宮の家も例外ではなく、外観は至って普通の民家。家の中へお邪魔し玄関へ入ると、ちょうど家守さんが今日から一緒に滞在する会員Sさんへ家の利用案内を行っている最中だった。



千葉県一宮町でお世話になった家。玄関近くにアドレスのロゴが入ったのれんがある。民家を改装しサービス利用会員らを受け入れている。ウッドデッキのテラスで洗濯物を干していると、家のごみ回収に来ていた家守さんと立ち話が弾んだ


玄関にはサーフボードが立てかけられていたり、地域のガイドマップなども置かれていたり、地域性を感じられた

都内在住者も持つ都心部への憧れ
家守さんの案内の後、Sさんと一緒にご飯を食べたり飲んだりして話が弾んだ。仕事はWebメディアのライターで、普段は東京都内西側に住んでいるという。私と同じ1カ月の多拠点住居サービスをお試し体験中で、動機は山手線内側の世界に暮らす体験をしたいとのことだった。その月の後半には東京23区内の家に滞在する予定だと話していた。同じ都内でも区の内と外では生活に違いがあり、地方地域に住んでいる人と似た都心部への憧れを感じていることに驚いた。一つ屋根の下、この日初めて会う人とふすま越しに隣の部屋で寝るのは不思議な感覚だった。

中日は、仕事の合間に家の近くの海やサーフショップなどへ散策に出た。企業の保養地などが昔は多かったエリアのよう。売り地や新築中の物件も目立った。チェックアウトの3日目は、朝から個室の清掃を済ませ荷物をまとめた。ダイニングには電話会議をする会員さんもいたので、家の裏手にある離れで昼食までの時間を過ごした。
まだ滞在するSさんに、一足先にいってきますと告げて、家守さんや意気投合した近所のお店の店員さん、同居の会員さんらとの一期一会の時間を思い返し、またの来訪と再会を望んで、次の拠点へ足を向けた。



一宮の家のキッチン。改装しているが、かたちは元のままのようだった。キッチンは会員さんたちで共有して使う


一宮の家の離れ。寝泊まりする母屋の裏手にあり、作業スペースとして活用していた


千葉滞在2日目に立ち寄ったサーフショップ。会計の際に移住者の店員さんと多拠点生活の話をしたところから話が弾んだ。連絡先を交換し、サービスで店のステッカーももらった
 
 久高友嗣/くだか・ともつぐ/1990年、那覇市生まれ。琉球大学卒業後、健康×ITの領域で起業。2018年からキャンプ団体「CAMPO(きゃんぽ)」の活動を開始。レジャーの枠を超えたキャンプをテーマに、用品の提供や遊休地などを利活用した場づくりなどを手掛ける

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1798号・2020年6月19日紙面から掲載

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