DIY
2018年7月13日更新
ようこそ♪DIYの世界へ「電動ドリルドライバーのコツを紹介」
#4 部材を接合する「木ネジ」
前回(1692号、6月8日発行)紹介した電動ドリルドライバーを活用しながら、木材用のネジ「木ネジ」で木材同士を接合する方法について説明します。事前にドリルで下穴を開けたり、電動ドリルドライバーを押し付けるようにするなど、いくつかのコツがあります。
文・島袋清成
スリムビス
長さは25~90ミリの12種類。軸の太さが3.3~3.8ミリと細いため、打ち込みやすく、木が割れにくい。相場は1本あたり約1円/写真左
コーススレッド
長さは25~120ミリの12種類。軸の太さは3.8~4.5ミリと太いため、折れにくい。相場は1本あたり約0.6円/写真右
下穴開けて押し付けて
長さは木の厚みの2倍
木材と木材をつなげるとき、従来はクギを使っていましたが、今は「木ネジ」と呼ばれる接合ネジを使うのが一般的。らせん状の溝があるため、クギよりも強固に接合できるのが特長です。
その中で主流なのは「コーススレッド」と「スリムビス」ですが、初心者にオススメなのはスリムビス。コーススレッドに比べて軸が細いため打ち込みやすく、木も割れにくいからです。一方、コーススレッドは軸が太くて折れにくく、ネジ部分の溝が深いため木にしっかり食い込みます。
長さは、木材の厚みの2倍を目安に選びましょう。例えば厚さ19ミリの木材に打ち込む際は、40ミリの木ネジを選びます。短過ぎるともう片方の木材まで届きませんし、長過ぎると木ネジが折れる可能性もあります。
接合する際は、木ネジを自立させるため、ドリルであらかじめ下穴を開けておくのがポイント。手で木ネジを押さえる必要がなくなる代わりに、両手で電動ドライバーを扱うことができ、安定した作業ができます。開ける穴の大きさは、木ネジの太さよりも一回り大きく。例えば、太さ3.3ミリの木ネジなら、3.5ミリのドリルビットを使いましょう。
木ネジを打ち込むときは、ドライバービットの先を押し付ける感覚で、真っすぐネジ頭に立てます。そうすることで、ネジ頭の溝からドライバービットがずれなくなり、空回りして溝を壊したり、ビットが折れるのを防ぎます。そのためにも、できるだけ力の入れやすい真上から木ネジを打つようにしましょう。
右がコーススレッドで、左がスリムビス。同じ長さでも、軸の太さや、ネジ山の高さ、間隔など細かい違いがある
下穴を開ける
木ネジを打ち込む場所に、電動ドリルで穴を開け、貫通させる。木ネジが自立するよう、木ネジの太さよりも一回り大きな穴にする
ワンポイント
穴を開ける木材の下に、土台として不要な材を密着させておくと、きれいに穴が開けられる。密着させず、浮かせた状態などで行うと、貫通時に木が割れることがある
○ 成功例。穴の周囲がきれい
× 失敗例。穴の周囲にささくれができている
木ネジで接合する
○
別の板を支えとして使い、クランプでしっかり固定。写真では、上の板と中央の板を接合するため、左右に支えを設置している。電動ドライバーを両手で押し付けるようにして、上から打ち込む
下穴に木ネジを入れる。自立するので、手で木ネジを固定する必要がない
×
支えがない状態。手で固定しなければならず、不安定。電動ドライバーを両手で押し付けることもできない
○
ドライバービットをネジ頭に真っすぐ当てる
↓
できあがり。電動ドライバーのトリガーを小刻みに引いて、少しずつ打ち込んでいくと失敗しにくい
×
斜めになると、ネジ頭の溝にビットがはまらず、空回りする
ボンドでより強固に
木ネジだけで固定すると、最初はわずかなグラつきでも、徐々に大きくなり、最終的には木ネジが抜けてしまうことがある。そこで、木ネジで固定する前に、接合部に木工用ボンドを塗っておく=写真。木ネジは点、ボンドは面で固定するので、グラつきにくく、木ネジも抜けにくくなる。
今回の内容について、動画でも紹介しています。
YouTube
https://youtu.be/2BwO5msJhhA
島袋清成(しまぶくろ・きよなり)
INTERIAN代表、DIYコンシェルジュ。カルチャースクールなどで、初心者向けのDIY講座を担当する。2008年、沖展木工芸部門入選。沖縄アートフェスティバル宮島達男賞受賞。
050-1240-4059
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編集/出嶋佳祐
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1697号・2018年7月13日紙面から掲載
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この記事のキュレーター
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- 出嶋佳祐
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編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。