DIY
2018年8月10日更新
ようこそ♪DIYの世界へ「木材の種類と特徴」
#5 材料選び
DIYで使うことの多い木材。ホームセンターにはさまざまな種類が売っていますが、大きく「無垢材」「集成材」「合板」の3種類に分けられます。材料購入のヒントになるよう、それぞれの特性について説明します。
文・島袋清成
木材は3種類に大別
DIYで使う材料の購入先として、まず考えつくのがホームセンターだと思います。建材店という手段もありますが、表面の処理が粗い「荒材」を売っているのが一般的。なので、きれいにかんながけされた「加工材」を使いたい初心者には、やはりホームセンターでの購入がオススメです。
ホームセンターに足を運ぶと、売り場にはさまざまな種類・サイズの木材が並んでいて、選ぶのが難しいと思います。ですが、実は三つに大別できます。
一つ目は「無垢材」。一本の木を、材として使えるように形を整えたもので、木目の美しさを楽しめます。中でも初心者向きなのが、2×4材の「ホワイトウッド」。軟らかいので加工しやすく、穴を開けたり木ネジを打つのが簡単です。
二つ目は、同じ厚みの材をつなぎ合わせていく「集成材」。無垢材を製材するときに出る端材で作っていることが多いです。木のいろいろな部分を使っているので、色を塗ったときに塗料ののり方が違い、さまざまな模様が出るのでおもしろいです。
最後が「合板」。薄くスライスした板を重ねて貼り合わせたものです。ベニヤ板と言った方がイメージしやすいかもしれませんね。三尺(910ミリ)×六尺(1820ミリ)の「サブロク」サイズが一般的で、大きな面積が必要な食器棚の裏板などによく使われます。
無垢材
テーブルやいすの脚などに
特別な加工をしていない木材で、木本来の美しさを持つ。種類は多いが、資源保護のため幅広な材が減少して高価。時期によって流通量が変化することもある。どこを切っても切り口にその木ならではの木目や年輪が現れるので、見た目にもきれい。
どこにでも使えるが、安価な幅広の材が少なく、集成材や合板と比べると最も強度が高いため、いすやテーブルの脚などに使われる。湿気や乾燥によって伸縮し、反りなどが生じることもあるため、引き出しなどには不向き。材が幅広になると反りやすくなる。
ホワイトウッドの断面。年輪の向きが一定で、一本の木からできているのがよく分かる。角は面取りされている
ワンポイント
初心者にオススメなのが2×4(ツーバイフォー)材。もともとは、アメリカで2×4工法による住宅を建てる際に使った規格木材。安価で品質も安定しているためDIYでも人気となっている。厚さ38ミリ×幅89ミリが基本だが、他のサイズも規格が決まっているほか、角を削る「面取り」もされていて、手軽に扱えるのも支持の理由。
県内のホームセンターでは「ホワイトウッド」という商品名で販売されていることが多い。成長の早い針葉樹「唐檜」を使っているので、幅広の材もよく流通している。
サイズ(厚さ×幅) | 価格 | サイズ(厚さ×幅) | 価格 |
1×1 (19ミリ×19ミリ) | ¥148 | ||
1×2 (19ミリ×38ミリ) | ¥258 | 2×2 (38ミリ×38ミリ) | ¥498 |
1×3 (19ミリ×63ミリ) | ¥378 | 2×3 (38ミリ×63ミリ) | ¥598 |
1×4 (19ミリ×89ミリ) | ¥398 | 2×4 (38ミリ×89ミリ) | ¥598 |
1×6 (19ミリ×140ミリ) | ¥730 | 2×6 (38ミリ×140ミリ) | ¥1,100 |
1×8 (19ミリ×184ミリ) | ¥1,030 | 2×8 (38ミリ×184ミリ) | ¥1,430 |
1×10 (19ミリ×235ミリ) | ¥1,330 | 2×10 (38ミリ×235ミリ) | ¥2,030 |
1×12 (19ミリ×285ミリ) | ¥1,730 | 2×12 (38ミリ×285ミリ) | ¥2,730 |
※長さはいずれも1830ミリ。長さが3650ミリになると価格は約2倍になる
合板
食器棚の裏板などに
薄くスライスした板を奇数枚張り合わせた板。いわゆるベニヤ板。価格が安く、厚さの種類も2.5ミリ、5.5ミリ、9ミリ、12ミリなど豊富。サイズが大きいのもメリットで、三尺(910ミリ)×六尺(1820ミリ)の「サブロク」サイズが基本となる。910ミリ×910ミリもある。大きな面積が必要だが、力がかからない部分(食器棚の裏板など)に使われる。
相場は、厚さ12ミリ×幅910ミリ×長さ1820ミリで1480円。同じ幅と長さで、厚さ2.5ミリだと750円、5.5ミリだと1180円、9ミリだと1300円。
ホームセンターのカットサービス
合板や集成材など、幅や長さがある材料をのこぎりでカットするのは、手間も時間もかかります。そこでオススメなのが「カットサービス」。ホームセンターで材料を購入すると、有料(1カット数十円)で利用できるので、うまく活用しましょう。
厚さ12ミリの合板の断面。薄い板がいくつもの層になっている
集成材
テーブルの天板などに
角材を張り合わせて作った人工材。反りなどのくるいが少なく、強度も高い。900ミリなど幅の広い板材もあるため、天板などに使われることが多い。
同じ種類の木を使って作るので、「パインの集成材」「ヒバの集成材」などとして販売されている。
価格の相場は、パイン材だと、厚さ18ミリ×幅150ミリ×長さ910ミリで980円、24×910×1820で7980円。ヒバ材だと、30×300×995で3080円、30×400×995で4000円。
集成材の断面。年輪の向きがバラバラで、複数の角材をつなぎ合わせているのがよく分かる
オイルステンで塗装した集成材。木の内側・外側に関係なく、さまざまな部分の素材をさまざまな向きで組み合わせているため、同じ面でも色ののり方や濃淡に差が出て、くっきりと分かれる部分がある
今回の内容について、動画でも紹介しています。
YouTube
https://youtu.be/Dqkf5K6LhnI
島袋清成(しまぶくろ・きよなり)
INTERIAN代表、DIYコンシェルジュ。カルチャースクールなどで、初心者向けのDIY講座を担当する。2008年、沖展木工芸部門入選。沖縄アートフェスティバル宮島達男賞受賞。
INTERIAN
050-1240-4059
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編集/出嶋佳祐
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1701号・2018年8月10日紙面から掲載
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この記事のキュレーター
- スタッフ
- 出嶋佳祐
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編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。