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2017年10月27日更新

リフォームのアドバイザーが語る 建材選びのポイント「沖縄の気候に耐えうるか」

[リフォームの現場から vol.01]リフォームする前に知っておきたいことを、職人や設備・建材の業者など、専門家にリレー形式で執筆してもらいます。初回はリフォームの相談に応じる「アドバンスサポートひなた」の日南田義竜さんが、建材選びの考え方を伝授します。

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私は、県内でリフォーム・リノベーションの相談を受けています。その中で感じるのは、「とにかく見た目重視!」という人が多いということ。
皆さんが頭の中で思い描いているマイホームは、とてもオシャレ。雑誌などの切り抜きを持参される方も少なくありません。私の方が、いつも勉強させていただいています。
しかしながら、リフォームを行う際に重要なポイントは沖縄の気候に適した資材かどうか、です。どんなにデザイン性が良くても、沖縄の気候風土に合わない建材資材を選ぶと、日照や塩害によるダメージが大きく、メンテナンスの頻度が高くなり、維持費が高くなります。
デザイン性が気に入ったものでも、沖縄の環境、気候に適した商材(資材、建材)であるか確認しましょう。
 

県外とは大違いの環境

沖縄で暮らす私たちには当たり前でも、県外から見るとまったく違うことも多いものです。
建築資材や建材のほとんどが県外で製造されているため、沖縄の環境、気候で使用するとメンテに手間がかかる商材もあります。
例えば、玄関に木製建具を利用したい! という相談を受けますが、沖縄で木製の玄関ドアを使用するには、塗装などの定期的なメンテナンスが必要です。メンテをしなければ、塩害、直射日光による劣化、湿気や雨による腐朽が起こり、最悪の場合、交換しないといけなくなります。
床材に関しても沖縄の気候にあった材料を使うことをお勧めします。杉などの針葉樹は肌触りがよく安価なのでよく使われていますが、無垢材だと暴れ(伸縮)が大きく床なりなどが起こりやすいです。
各種建材メーカーには、沖縄仕様の資材建材を紹介しているところもたくさんあります。ウッドデッキやアルミ建材、外壁仕上げ材(コーキング、シーリング、塗料など)で沖縄の環境に耐えられるものも紹介されています。
建材を選ぶ際はデザインだけでなく、気候風土に合った資材選びをしましょう。そして県外、国外の資材は沖縄の風土で使用した場合、どのような影響があるか資材販売店に確認してくださいね。


 

憧れのウッドデッキを造りたい! 建材を選ぶときには
杉材(足場板) 安価だが、柔らかく膨張収縮によるひび割れ、反りが起きやすい。半年から1年に1度は防腐剤や塗装などのメンテナンスが必要。
ウリン アイアンウッドとも呼ばれ、堅くて防虫防腐性に優れる。施工後、数カ月は樹液が多く出やすい。メンテナンスフリーと言われるが、ささくれなども起きるので、やすり掛けや天然塗料(オイル系)を使ったメンテナンスは必要。
セランカンバツ ウリンに比べて10~20%程度安く、安定して市場にある。経年劣化でシルバーグレーのような色になる。こちらもメンテフリーと言われるがウリンと同様のメンテは必要。沖縄では塩害があるため、台風後は水で流すなどの対応をしよう。
 
人工樹脂材 基本的なメンテナンスは不要。ささくれやひび割れなどは起こりにくい。炎天下での収縮膨張はあるが、施工時に調整可能。日射によって高温になりやすいので、炎天下に設置した場合ははだしで歩くのは厳しい。



日南田義竜
ひなた・よしたつ/リフォームやリノベーション、住宅ローンの相談に応じる「アドバンスサポートひなた」代表。宅建取引士、住宅ローンアドバイザー、日商商業簿記1級などの資格を持つ。
 


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1660号・2017年10月27日紙面から掲載

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