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2017年7月28日更新

手すり設置に備え壁補強「単純な動線で活動促す」

老後も安心 住まい[03]
体力が衰えると、自宅でも不便に思うことが出てくる。老後も住み続けるためには、先を見据えたリフォームも必要だ。リフォームを手掛ける(有)ラムハウジングの福祉住環境コーディネーター・川上晃奈さんは「将来、手すりを設置できるよう、壁を補強しておくと安心」と話す。

老後を見据えたリフォーム

「老後を見据えたリフォームの基本は、段差解消、手すりの設置、建具の開口幅の拡張」と話す川上さん。これらは水回りや居室、玄関など、あらゆる場所に共通して配慮すべき点だという。
敷居など室内の段差を解消する際は、床を完全に平坦に。2センチほどの段差でも、つまずく危険性があるためだ。
手すりは、手でつかむ人もいれば、抱え込むように手すりと壁の間に腕を入れる人もおり、人によって使いやすい高さが異なる。そのため、「すぐに設置しなくても、将来、必要になったときに取り付けられるよう、壁の中を補強しておくと安心」とアドバイス。
建具の開口幅は、車いすが通れる75センチ以上が望ましい。「自分でこぐタイプなら、腕を通す幅も確保しておくように」。浴室などは、3枚戸にすれば間口が広くなり、介助者もサポートしやすい。
さらに、扉は引き戸にする。扉を手前に引いて開く場合、自分も一歩下がらなければならず、バランスを崩しやすいからだ。特に内開きだと、万が一、中で倒れても、倒れた人がつかえて扉を開けられないこともある。「引き戸は歩行器の利用者でも楽に開閉できる。構造的に引き戸にできなければ、扉の隣に手すりを取り付けて」。
 

スロープは距離必要

単純な動線にすることも大切。中でも寝室からトイレまでの動線は重要で、「移動しやすければ、自分でやろうという意欲へとつながり、個人の尊厳も保たれる」。動線を一直線にすることで、移動が楽になるだけでなく、部屋が明るくなり、風通しも良くなるという利点もある。
「外部との交流が、生活のハリにつながる」と、川上さんは、外出しやすくするためのアプローチの整備も勧める。このとき段差があるとスロープを設置しがちだが、「スロープはある程度の距離がないと角度が急になるので、かえって危険」と注意を促す。距離が短ければ、階段の段数を増やして一段当たりの段差を低くしたり、手すりを設置する方が安全だという。
川上さんは「老後の自分が暮らしやすい環境は、今の自分にとっても暮らしやすい。元気なうちに準備を」と呼びかけた。


浴室、洗面室のリフォーム例。浴室の開口幅を広くするため、3枚引き戸を使用。床の段差も解消し、車いすや介助者付きでの入浴もしやすい(ラムハウジング提供)


勝手口のリフォーム例。室内の床を上げて段差をなくした分、屋外に段差の低い階段と手すりを設置。扉の横にも手すりを取り付けてある
 

動線を単純にした事例



寝室には、もともとユニット式のトイレを設置していたが故障していた。そこで、寝室のトイレを新しくするついでに、浴室や階段横のトイレまでの動線も一直線にした。寝室の入り口の位置を変え、トイレ前にある目隠し用の壁を撤去、テーブルなどの家具も移動した。




(有)ラムハウジングの川上晃奈さん( 福祉住環境コーディネーター2級)
川上晃奈さん(かわかみ・あきな)
福祉住環境コーディネーター2級
(有)ラムハウジング 098-936-8808

 


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1647号・2017年7月28日紙面から掲載

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出嶋佳祐

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「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。

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