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2023年6月16日更新

電気代削減に効果大!断熱リノベーション|壁、天井、窓を改修 熱の侵入を防ぐ|そろそろ補修・改修③

夏場、家の冷房をつけても「暑い!」とストレスを感じること、ありませんか。原因の一つは、外の熱が室内にこもってしまっていること。今回は、断熱材を設置したり窓の交換をし、日射の影響をしっかり防ぐ「断熱リノベーション」について説明します。県内で数々のリノベを手掛けるintree(インツリー)の佐藤ともえさんに教えてもらいました。


 

県内RC造こそ断熱を

一年中暖かい沖縄で、断熱材は不要と思っている方もいるだろうが、「沖縄の鉄筋コンクリート(RC造)の建物こそ、断熱材が必要」と話す佐藤さん。

蓄熱性の高いRC造は、強烈な日差しを吸収すると冷めるのに時間がかかる。気密性の高さも手伝い、その熱が室内にこもり続ける。日が落ちて外は涼しくなったのに帰宅してドアを開けた途端、熱気を感じるのはその性質のためだ。冷房効率の妨げにもなる。

断熱をすれば「外気温の影響を受けづらくなる。本土では寒さ対策のために行うが、沖縄は暑さ対策のために断熱が必要」と話す。


鉄筋コンクリート造の断熱工法
外断熱
長所
・建物をすっぽり包み込むように断熱材を設置するため、躯体が日射の影響を直接受ない。断熱性能が高く、省エネ効果も大きい。
・断熱材が建物を保護してくれるため、建物の長寿命化にもつながる。

短所
・工事がかなり大がかりで高額になりがち。
・外壁が厚くなるため、敷地に余裕が必要。

 
内断熱
長所
・一般的な断熱工法で、外断熱よりは施工が容易で価格が安い。
・断熱材の自由度が高い。
・外壁に影響しない。

短所
・断熱材の切れ目(熱橋)で熱損失が生じる。
・躯体と室内との温度差で結露が起きる場合もある。
・躯体に直接、壁紙を貼るなどの仕上げをしている既存住宅に行う場合、断熱材の分、室内が少し狭くなる。

熱橋(ねっきょう)
※熱橋とは…ヒートブリッジともいう。断熱材が途切れ、内外に熱を橋渡ししてしまう場所


 

外・内断熱の長短所?

断熱工法には、建物全体を断熱材で包み込む「外断熱」と、建物の内側に断熱材を設置する「内断熱」がある。

外断熱は、断熱材で建物をすっぽり覆うため断熱性が高く、建物の耐久性も向上する。

デメリットは工事が大がかりで高額なこと。そして既存住宅に行う場合、外壁が厚くなるため容積率・建ぺい率がギリギリだと施工できなかった。しかし今年4月からは、建築基準法の改正により制限を超えることがやむを得ない場合、特例許可制で限度が緩和された。

内断熱は、一般的な断熱工法で、外断熱よりは容易でコストも安い。だが、「壁や天井を剥がすなど解体工事は必要なので、手軽とはいえない。フルリノベーションをする際などに、一緒にやると効率がいい」と佐藤さん。

デメリットは、配線周りや床と壁の接合部など、断熱材が途切れる部分(熱橋)は細かく施工する必要があること。

また、建物内外の温度差により結露が発生するケースもある。「沖縄は夏場、エアコンで室内を冷やし過ぎると結露が発生しやすい。ただ、断熱をすれば設定温度をそこまで低くしなくても涼しくなるし、躯体と断熱材の間に空気層を作るなど湿気を逃がす工夫をすれば、そこまで大きなデメリットにならない」と説明する。

断熱リフォームは高額だが、国や自治体がさまざまな補助金を出している。有効に利用しよう。

躯体の断熱が難しければ、窓の断熱改修という方法もある。「外から室内に侵入する熱の約7割が窓から。複層ガラスに変更したり、既存の窓の内側にもう一つ窓を付けても効果がある」と話した。


窓の断熱改修の一例
ガラス交換
既存窓のガラスのみを取り外し、サッシはそのまま利用して、複層ガラスなどに交換する

 
内窓設置
既存窓の内側に新しい窓を新設して、二重窓にする

 
外窓交換(カバー工法)
既存サッシの上から新しく断熱性能の高い窓を覆いかぶせて取り付ける

 
外窓交換(はつり工法)
既存窓を取り外して、断熱性能の高い窓に交換する


窓の断熱改修に補助金

窓の断熱改修に関して、国が補助事業を行っている。「先進的窓リノベ事業」と「こどもエコすまい支援事業」があり、住宅の立地や構造、窓のサイズや省エネ性能によって適用する事業や、金額が変わる。

一例として、「先進的~」では、窓ガラスの交換で4000円~4万8000円、外窓交換(はつり工法)で5万1000円~18万3000円の補助金が出る。「こどもエコ~」では、ガラス交換で3000円~1万2000円、外窓交換で1万5000円~3万1000円が補助される。

いずれも申請は、施主でなく改修を請け負った事業者などが行う。二つの事業の重複申請は不可。

★「住宅省エネ2023キャンペーン」サイト(https://jutaku-shoene2023.mlit.go.jp/)内「我が家の断熱窓検索」では、物件情報や改修内容を入力すれば、どの事業の、いくらくらいの補助金を受けられるか確認できる。




【教えてくれた人】
さとう・ともえ/リノベーション協議会沖縄支部会員。間取り提案からインテリアまでトータルでコーディネートする㈱intreeを夫婦で営む。自身も中古マンションをリノベした家に暮らす。http:/intree.jp

取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1954号・2023年6月16日紙面から掲載

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東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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