2022年11月11日更新
[沖縄]知っトク制度[29]|次世代省エネ建材の実証支援事業
「脱炭素住宅」の一つとして経済産業省が取り組む「次世代省エネ建材の実証支援事業」。2018年度から公募期間を年に数回設けている。今年度第3回目の応募は11月30日まで。事業の目的や内容、注意事項を紹介する。
省エネリフォームに補助金
高性能断熱材などの使用で最大300万円
公募期間は年に3回
2018年度から経済産業省が行っている「次世代省エネ建材の実証支援事業」は、既存住宅を対象に蓄熱材や高性能の断熱材を使い室内の快適性を高めたり、工期を短くできる次世代の省エネ建材を使ったリフォームの費用を補助する制度。次世代省エネ建材の効果の実証支援を目的としている。
申請は先着順で、補助業務を担う団体「(一社)環境共創イニシアチブ(SII)」に書類を提出する。今年度の公募は3回で1、2回目は終了。10月下旬から3回目の公募が始まっており、11月30日まで=表1。申請金額の合計が予算に達した時点で終了となっている。
表1 事業のスケジュールの例
審査を通過した申請者には「補助金交付決定通知書」が発行される。注意したいのは工事契約や着工のタイミング。補助を受けるには、必ず通知書が交付された後にリフォーム工事の契約や発注、着工などを行う必要がある。
リフォームの種類は三つ
補助の対象となるリフォーム工事は三つ。①外壁すべてを断熱材で覆う「外張り断熱(外断)」②室内の壁に断熱パネルを貼るなどの「内張り断熱(内断)」③すべての窓を複層ガラスにして断熱効果などを高める「窓断熱(窓断)」—に区分されている=表2。
表2 リフォームの種類(2022年度の内容)
内断と窓断の工事に使用する製品は指定されており、製品の検索はSIIのホームページで検索が可能。また、内断のリフォーム工事に限っては戸建て住宅だけではなく集合住宅も対象となっている。
公募要項には「既存構造材を撤去せずに施工すること」と記載されているが、具体的に提示されていないため、SIIに確認することをおすすめする。
外張り断熱のみ効果測定
補助金は、工事費や材料の購入費といった費用の2分の1以内の金額に対して支払われる。支給額は外断と内断で最大300万円、窓断で150万円となっている。ただし、工事にかかった費用はいったん自費で支払う必要がある。支払い完了後に、工事前と改修後それぞれの写真を添えて「実績報告書」などを提出してから補助金が支払われる。
また、外断のリフォーム工事を行った場合のみ室内温度や外の気温を測るなどの「効果測定」を行い、報告が必要。
POINTS
☆住宅の改修工事は「外張り断熱」、「内張り断熱」「窓断熱」、三つから選択可能。
☆工事後、外張り断熱のみ「効果測定」が必要。
☆「交付決定通知書」の発行を受けてからの工事契約や着工が対象。
☆総工費の1/2以内が補助の対象、最大支給額は300万円。
☆支払い完了後に実績報告を提出したのちに補助金が支給される。
※表1、2ともに一般社団法人環境共創イニシアチブの「次世代省エネ建材の実証支援事業」を参照
編集/市森知
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1923号・2022年11月11日紙面から掲載