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2020年8月28日更新

case17「相続税評価額と実勢価格」|マンション売買そうだんfile

いよいよ来週は旧盆を迎えます。コロナ禍で例年通りとはいかないかもしれませんが、家族が集まりご先祖様のことやこれからのことを考える貴重な機会です。大切な財産の分け方についても考えてみませんか?

換金時は実勢価格

相談内容
先日母が亡くなり、財産として古いマンションとわずかな現金が残されました。そのほとんどを兄が相続する内容の遺産分割協議書に署名・押印するよう、兄から求められました。すぐに署名・押印していいものでしょうか?

遺言書ない際の「遺産分割協議書」
遺言書のない相続の場合に、法定相続人同士でその財産をどう分けるかを決めた文書のことを「遺産分割協議書」といいます。預貯金はもちろん、不動産の名義変更などもこの遺産分割協議書で決めた通りに分けられ、名義変更されます。
法定相続人全員の署名と実印による押印が必要であるため、もし法定相続人のうち一人でも署名や押印が欠けていた場合、その遺産分割協議書は法的に無効になります。
また、一度、署名・押印をしてしまうとその内容通りに遺産は分けられ、後からの撤回はかなり難しくなります。そのため、内容の確認と判断は慎重に行う必要があります。



マンションの相続税評価額
相続税を計算するとき、不動産の価値は「相続税評価額」を基にして、その不動産の評価を行います。
しかし、この相続税評価額は、実際に売買の際に利用される「実勢価格」とは金額に開きが出てくることがあります。特にマンションは、どこにマンションが建っているかという立地によって、相続税評価額と実勢価格に大きく差が出ることがよくあります。
今回ご相談の築年数の古いマンションの場合、建物部分の減価償却が進んでいるため相続税評価額は400万円弱とかなり低くなります。しかしその所在を確認すると、那覇の市街地やモノレール駅にもほど近く、現在でも2千万円前後で売買されているマンションでした。



実勢価格で判断を
相続の場面において、特に不動産の評価は慎重に行う必要があります。相続税評価額はあくまでも相続税の計算に用いるための評価額であるため、税金対策の面ではこの価格が低い方が相続人にはメリットがあります。
しかし、実際に売買される実勢価格がその不動産の換金価値であることを忘れてはいけません。たとえ同じ大きさの土地であったとしても、その形状や立地によって実勢価格は変わります。
今回の場合、400万円の不動産であれば兄に相続されることを認めたかもしれませんが、実際の価値が2千万円だと知れば、すんなり兄に全てを相続させていいか考えてしまうのが人の感情です。
前述のように、遺産分割協議書に署名・押印してからその不動産の実勢価格を知っても、その署名・押印を撤回することはかなり難しいです。
悔しい思いをして兄弟でわだかまりを残すことにならないよう、相続する財産の中に不動産が含まれる場合は、その相続税評価額だけではなく、実際はいくらで売買されるか実勢価格をしっかり確認し、納得した上で遺産分割協議書に署名・押印をしましょう。



 友利の結論 
・マンションは階数に関係なく、広さが同じであれば固定資産税はほぼ同額
・現金よりも不動産を購入した方が相続税評価額は低くなる
・明らかな相続税対策での購入は国税庁に否認されることも!
・節税目的で購入するならしっかりとした計画と対策を!



ともり・まゆみ  (株)エレファントライフ代表。「沖縄マンション.jp」主宰。不動産専門ファイナンシャルプランナーとして不動産と相続の困ったを解決する日々を送る。 電話098・988・8247

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1808号・2020年8月28日紙面から掲載


 

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