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2019年9月13日更新

(公社)日本賃貸住宅管理協会 県支部主催 「住環境向上セミナー2019」

 (公社)日本賃貸住宅管理協会(日管協)県支部は9月7日、浦添市で「住環境向上セミナー2019」を開いた。賃貸住宅市場の整備・発展を目的に設立された同協会では毎年、専門講師を招いて賃貸管理や不動産に関する情報を提供している。ことしはうちな~噺家(はなしか)の志ぃさー(藤木勇人)さんが、相続をテーマにした創作落語を披露した。

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セミナー終了後、披露した『テーゲー遺言書』の裏側を語る志ぃさーさん=9月7日、国立劇場おきなわ楽屋セミナー終了後、披露した『テーゲー遺言書』の裏側を語る志ぃさーさん=9月7日、国立劇場おきなわ楽屋




相続と家族 落語で表現

相続発生も話は平行線
志ぃさーさん自身は、「うちのおやじには財産なんて無かったから、相続でもめた経験はない」と話す。しかし、披露された「テーゲー遺言書」は、とてもリアルな内容だった。

落語の主人公は金城家の主(あるじ)。死去して幽霊になり、相続の話し合いをする家族を見守る。話し合いの場には妻、長男、次男、長女に、遺言書を託された司法書士が参加。さらに、長男は不動産屋を伴い、長女はユタを連れて来る。ユタの姿を見た途端、不動産屋は及び腰になる。「沖縄ではよく聞く話でしょう? 人から聞いた話や、日管協の担当者にアドバイスを仰ぎながら2週間かけてつくった」と志ぃさーさんは話す。

長男は「オレが金城家を守る! 古い実家を取り壊してマギー(大きな)マンションを建てよう!」と提案。だが、「嫁や子どもに対するメンツしか考えてない」「考えが甘い」「建物は分けにくい。もめごとの原因になりやすい」など、兄弟や司法書士からいさめられる。

さらに、父親には腹違いの隠し子がいたことが判明。話し合いは混迷していく。


セミナーで落語を披露する志ぃさーさん。老若男女8人の登場人物を見事に演じ分けていた

遺言書で家族まとまる
にっちもさっちもいかなくなり、父親の遺言書が読み上げられる。内容は抽象的で〝テーゲー〟ではあったが、思うところがあった長男。「オレは、親も自分の家族も兄弟も、皆大切にしたいわけよ」と本音を吐露。

志ぃさーさんは、「落語だから、完全な悪人はいない。皆、最後には改心して終わる」と話す。その言葉通り、皆が亡き父に思いをはせ、前向きに話し合いを続けることを約束。そして最後には父親からの付言事項が読み上げられる。法的な拘束力は無くとも、家族一人一人へ気持ちのこもった手紙で幕を閉じる。

志ぃさーさんは、「死なない人はいない。遺言や相続を『自分には関係ない』と思っているウチナーンチュは多いけど、もっと身近に考えてほしい」と呼びかけた。


会場はほぼ満席。180人以上が志ぃさーさんの落語に聞き入った

◆インフォメーション
同セミナーは、石垣島(石垣市健康福祉センター)で10月5日(土)午後4時~、宮古島(平良港ターミナルビル)で10月19日(土)午後2時~から開催される。参加費は1000円。問い合わせは日管協県支部事務局(電話=098-963-9099)

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