海と緑、人生を楽しむ|株式会社 琉球住樂|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

こども絵画コンクール

お住まい拝見

お住まい拝見

2019年11月22日更新

海と緑、人生を楽しむ|株式会社 琉球住樂

[お住まい拝見|2階建て木造省エネ住宅]「家を建てるなら木造で、海の近くに」という願いをかなえ、糸満市の海を望む住宅地に、コンパクトな2階建てを建てたSさん(64)。庭の緑とお気に入りのものに囲まれて暮らす。


外壁に焼き杉板を用いた、落ち着いた佇(たたず)まいの外観。ハイビスカスの生け垣に囲まれた庭の先に海が見え、リビングからつながる広いウッドデッキが楽しみの場になっている


小ぶりでも豊か

Sさん宅
木造/自由設計/家族2人
「海の近くに住みたいと考えていたけれど、台風もあるし、木の家だと難しいかなと思っていました」とSさん。そんな不安を打ち消す木造住宅を手掛ける建築士事務所に出合い、長年の夢が実現した。
 延べ床面積約24坪の2階建て。1階はLDKと水回り、Sさんの部屋を配置、2階には妹のワークスペースと個室がある。飫肥(おび)杉の床に漆喰(しっくい)の壁で、「入った時のにおいがすごくいい。家に戻ると癒やされます」と、仕事で大阪と沖縄を行き来する妹さん(61)は話す。

キッチンは、業務用のステンレス製。「自分たちの暮らしを楽しむのに、豪華なものはいらない。自然になじむものがいい」と、選んだ。造りつけてもらった木製の食器棚は、「肌触りも収まりも良く、コンセントの配置なども細やかに配慮されていてすごく使いやすい」と、気に入っている。
LDKから続く広いウッドデッキは、もう一つのリビング。テーブルを出して朝食を楽しんだり、くつろいだり。「庭のハイビスカス越しにサトウキビ畑と海が見えて、風景もぜいたく。夕日や風の音、星も間近に感じられます」。伝統工芸に携わるSさんは「創作意欲も湧く」と話す。


吹き抜けになった1階LDK。ウッドデッキとつながり、広く感じられる


リビングに隣接するSさんの部屋は、庭に面して開放的

思い出もいっぱい
長姉の家の近くに土地が見つかり、家づくりを計画。見学会に足を運び、沖縄の気候風土を熟知し、丈夫で断熱性の高い木造設計に信頼を寄せた。「すごく誠実に、丁寧に対応してくださって安心でした」。

2階ワークスペースの机と本棚は、グラフィックデザイナーで陶芸作家だった妹さんの亡き夫がデザインした。「トイレの洗面ボウルも夫の作品。一緒に造った思い出が、家のあちこちに残っています」。

姉妹のお気に入りが詰まった家。「出先で雑貨を見ると、家のあそこに飾ろうって思って楽しくなる。家は小ぶりだけど、とっても豊か」とほほ笑んだ。


2階のワークスペースは妹さんの仕事場。机と本棚は亡くなった夫がデザインし、造作してもらった。奥には小屋裏を活用した大容量の収納もある



玄関。上り下りしやすいよう設けたスギ材のステップは、濃い色を塗装し段差を分かりやすくした


洗面室。木を生かした洗面台のアクセントになっているレトロな柄のタイルは、妹さんが大阪で見つけたもの


ここがポイント
外断熱と日射遮蔽で快適
西側に海を望むなだらかな坂道の途中にあるSさん宅。敷地は、前面道路に接する北側の間口が狭く、奥(南側)に行くにつれ広がる台形状で、眺望を得るためには西に開くことが絶対条件だった。建築士の伊良皆盛栄さんは、建物の配置、外断熱工法と日射遮蔽(窓から侵入する日差しを遮る)の工夫で、眺めの良さと快適な室内環境を両立させた。

建物の配置ではまず、東側にある隣家の眺望を遮らないように配慮。来客のための駐車スペースも必要なSさん姉妹のライフスタイルを踏まえ、敷地中央に建物を据え、北側に駐車場を配置するプランを決めた。「この配置なら、現在、畑になっている南側に家が建っても、リビングからの眺めは確保できます」と伊良皆さん。

建物は、屋根、壁、基礎で外断熱し、窓には遮音性、気密性が高い樹脂サッシを用いた省エネ仕様。LDK上部(2階ワークスペースの足元)に風穴を設けることで、「エアコン1台で気温差が少ない、健康的な室温を保つことができます」。

大きな開口部のある1階リビングから個室にかけては、西日を遮るため、深い軒のあるウッドデッキを設けた。「軒の奥行きは270センチ。軒先の高さを210センチ以下にすることで、日差しも雨も効果的に遮ることができる」

さらに、夏場の日差しを遮ってくれるよう、庭の真西に当たる場所には高く成長する樹木を植えている。


庭から住宅をみる。270センチの深い軒を設けたウッドデッキが、リビングと個室への入り日を遮る


机の前でイスに腰掛けると、窓の外にちょうど海が見えるようになっている


LDK上部には、筋交いの隙間を利用して三角形の風穴を設けた。上下階の風の流れを生む


2階ワークスペースの南側にある個室。引き戸の奥には、屋根空間を有効活用して大容量の納戸を設けた


[DATA]
家族構成:姉妹
敷地面積:373.91平方メートル(113.11坪)
1階床面積:57.46平方メートル(17.38坪)
2階床面積:21.18平方メートル(6.40坪)
建ぺい率:20.25%(許容60%)
容 積 率 :21.03%(許容200%)
用途地域:指定なし
躯体構造:木造
設  計:(株)琉球住樂一級建築士事務所伊良皆盛栄
施  工:(株)琉球住樂
大  工:内部/大友内装
     外部/孝技建
電  気:テルヤ電業
水  道:(有)海西工業
木製建具:(有)照屋木工所
外部建具:(株)エクセルシャノン


[問い合わせ先]
(株)琉球住樂
098-852-6936
http://10raku.co.jp/


撮影/比嘉秀明 取材/比嘉千賀子(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1768号・2019年11月22日紙面から掲載

お住まい拝見

タグから記事を探す

この記事のキュレーター

キュレーター
比嘉千賀子

これまでに書いた記事:118

編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

TOPへ戻る