吹き抜けで開放的に|(株)東設計工房|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

木立

お住まい拝見

お住まい拝見

2019年8月23日更新

吹き抜けで開放的に|(株)東設計工房

[お住まい拝見|細長い敷地、バリアフリーに]「2階建てでも、家族が合図し合えるように」と、吹き抜けのある家を希望した40代のOさん。細長い敷地を生かして建てられた、開放的でバリアフリーな空間でくつろぐ。


吹き抜けになった1階のLDKは、天井高最大5・2メートル。南側(写真左手)の大きな窓から光と風を取り込み、開放的。鉄骨製の階段も視線が抜け、奥行きを生む
 

いつでも家族を感じて

Oさん宅
RC造/自由設計/家族4人
玄関を開けると、目の前には吹き抜けの大空間が広がる。「どこにいても家族の声、気配が感じられ、すぐに合図できるのがいい」とOさん。
天井が高く開放的なLDKは、いすを中心に、古い家具や雑貨を集めるのが好きだという夫人お気に入りの家具に合わせて内装をしつらえた。

「2階の子ども部屋に机はあるけど、小学生の長女はリビングで勉強することも多くて。食卓は家族が集う中心になっています」と夫人。


2階の個室。中央の仕切り戸を閉じれば2部屋として使える造りになっている

リビングの掃き出し窓を開け放ち、庭でバーベキューをするのが、家族の楽しみの一つ。「庭の草木を摘んで、食卓にちょっといけてみたり、庭ができたことで暮らしの楽しみも増えた。愛犬のチョコが庭を走っている姿を見ると、かわいくて」とほほ笑む。

誕生日やクリスマスには近くに住む親族が集い、にぎやかにパーティーを開く。「子どもたちが多いので、階段も使って楽しそうに遊んでいます」。


和室側からリビング・ダイニングを見る。食卓は家族の集いの中心。LDKの内装は、夫人が集めていたいすや家具のデザインや色合いに合わせて仕上げた


タイル張りのアクセントウオールが印象的なキッチン。壁面収納は、手持ちの足つき収納に合わせて上部の棚の高さと幅を調整して完成させた


介助もスムーズ
夫人の実家にも近い浦添市内のマンションで暮らしていたが、土地を探す中で同じ地域の区画整理地に売地が見つかり、購入。家づくりの展示会で出会い、印象に残った建築士事務所に設計を依頼した。「木を使った建物が多く、手がけた落ち着きのある空間の雰囲気が、好みに合っていた」と大城さん。

家づくりにあたり、開放的な空間構成とともに重視したのはバリアフリー。次女が車いすを利用していることから、マンションでは段差や通路の狭さなどで、移動の苦労も多かった。「水回りに車いすを回転させるのにも十分なスペースを設けてもらったので、娘の世話がスムーズにできるように。精神的に楽になりました」と夫人は喜ぶ。

バリアフリーな空間は、「将来、自分たちが歩けなくなった時にも必要ですから」とOさん。将来の暮らしも見据え、家族の快適さを追求する。


1階の洗面室と浴室。リクライニング車いすがスムーズに回転できるように、スペースが広く取られている


ここがポイント
駐車場優先 室内まで楽に移動
Oさん宅の敷地は、間口約11メートル、奥行き約20メートルで東西に細長い。北側はマンション、西側にはアパートと高い建物があり、南側にも住宅が隣接する。東側の前面道路は、北から南へ緩やかに傾斜。また地区計画で、建物の壁面は隣地境界線から1メートル後退させる必要があった。

車いすでの移動を考慮すると、屋内外ともにバリアフリーは必須。設計で最優先したのは、雨に濡れず車いすの乗せ降ろしがしやすい駐車スペースを確保することだった。

建築士の久高多美子さんは、ウェルキャブ車(福祉車両)が道路からスムーズに出入りできるよう、敷地北側に縦列の駐車スペースを設け、建物は東西に細長い造りにするプランを提案した。

「建築前、実際に車を出し入れしてもらってプランを決めた。駐車場から玄関にかけて深い庇を設けることで、雨から守ってくれます」と久高さんは説明する=下写真。


赤瓦の屋根が印象的な外観。正面の玄関から北側(写真右手)にある駐車スペースにかけては、上部に深い庇(ひさし)が設けられている


室内は、リビング・ダイニングを吹き抜けにして開放的に。南側に設けた庭に面した大開口から、光と風を取り込む。

1階は、リクライニング車いすの移動がしやすいように工夫した。キッチン背後に設けた寝室と水回りの間のスペースは、幅約150センチと広々。「車いすをスムーズに回転できるスペースを確保しました。洗面室も同様です」

寝室についても、ベッドを2台置いてもゆとりのある広さを確保している。


1階の和室は小上がりにして、下部は収納に。リビングダイニングの東側にあり、窓からは庭の緑が眺められる、落ち着いたたたずまい


2階の多目的ホール。キッチン上部に位置し、パソコン作業や勉強をしたり、ピアノを弾いたり、家族で活用する



[DATA]
家族構成:夫婦、子ども2人
敷地面積:209.4㎡(約63坪)
1階床面積:87.03㎡(約26.33坪)
2階床面積:49.62㎡(約15.01坪)
建ぺい率:51.40%(許容60%)
容  積  率:65.26%(許容150%)
用途地域:第一種中高層住居専用地域
躯体構造:壁式鉄筋コンクリート造
設  計:(株)東設計工房 久高多美子、大盛俊
構  造:(株)東設計工房
施  工:(株)國興建設 山城 順
電  気:(有)中原電設
水  道:(有)春水工業



[問い合わせ先]
(株)東設計工房
098-917-5000
https://azumas.com/


撮影/矢嶋健吾 取材/比嘉千賀子(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1755号・2019年8月23日紙面から掲載

お住まい拝見

タグから記事を探す

この記事のキュレーター

キュレーター
比嘉千賀子

これまでに書いた記事:108

編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

TOPへ戻る