こだわりのコートハウス|真玉橋設計事務所|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

オール電化キャンペーン2017年10月10日から12月31日A

お住まい拝見

お住まい拝見

2017年12月8日更新

こだわりのコートハウス|真玉橋設計事務所

[お住まい拝見・二つのテラスでLDK挟む]明るく開放的なLDKには、東西二つのテラスから光と風が巡る。リゾートホテルのような上質感は、一つ一つの建材から仕上げまで、施主のNさん(47)がこだわった賜物だ。


アイランドキッチンに合わせて造作してもらったダイニングテーブル(写真奥)は、子どもたちが宿題をしたりと家族だんらんの場。テラスから入る光と風が心地良い
 

建材も仕上げも妥協せず

Nさん宅
RC造/自由設計/家族5人

「型枠を外す日は、胃が痛くなるくらい緊張しました。なんせ一発勝負ですから」と建築士に言わしめるのは外壁だ。コンクリート打ち放しの壁に、杉板型枠の木目が際立つ。水平を強調したシャープな外観だが、柔らかさを感じるのはその木目の効果。施工に際し、Nさん・建築士・施工業者で何度も打ち合わせをした。そのかいあり、「納得の仕上がりになった。自慢の外観です」とNさんは目を細める。


水平ラインを強調した外観。正面の大きな壁には、杉板型枠の木目が付いている。コンクリートの冷たさや重たさが、木目を生かした質感のおかげで軽くなり、優しい印象に。植物ともマッチしている
 

明るく、涼しい家を

土地探しに5年をかけた。Nさんは理想の家を建てるべく「妥協したくなかった」と話す。当時、住んでいたうるま市のマンション近くに十分な広さの土地を見つけて購入。「僕たちの要望をしっかり聞いてくれた建築士に依頼した」。

隣にはアパートも建つ住宅密集地。制約の中でも「明るく、涼しい家」をかなえるべく、建築士と検討を重ねた。

完成したのは、LDKを二つのテラスで挟んだコートハウス。外壁で囲まれたテラスは、外からの視線をブロックする。東西の掃き出し窓を開ければ「外にいるのと変わらない」と言うほどの採光と通風。LDKの天井高は約3.5メートルあり、縦横の広がりが住宅密集地にいるとは思えない開放感を生む。

キッチンには夫人のこだわりが詰まる。「生活感を表に出したくない」と、レンジやごみ箱などを隠す収納を造り付けた。どこに何を収納するのか決めて造ってもらったため「使い勝手はとてもいい」。

家造りにおいて「こだわり」は、愛着と豊かな暮らしへ結びつく。Nさん宅はそれを体現していた。


キッチン側からリビングを見る。天井高は約3.5メートルあり、開放的。床や壁など、室内を白で統一していることも空間をより広く見せている。天窓からも光がめぐる。テラスは外壁で囲まれているため、外からの視線を気にせず窓を開け放てる



ここがポイント
「分離発注」の強み 能動的な家づくり


LDKの東西にあるテラス。右写真は東側、上は西側テラス。東側のテラスは、寝室(写真右側)と子ども室の間にあり、各居室に光と風、そして互いの気配も届ける。西側のテラスは駐車場に通じている



一般的な家づくりでは、「一括発注」という契約スタイルが多い。一括発注とは、施主が建築会社と契約し、その建築会社が電気や水道、内装など各種専門の工事業者に工事を発注する=図参考。



一方でNさん宅を手掛けた真玉橋設計事務所では、「分離発注(コンストラクション・マネジメント:CM)」というスタイルを取っている。施主(Nさん)は建築士事務所と契約を結び、その建築士やCM担当者のサポートを得ながら各種の工事業者を選定。Nさんが工事業者に直接、発注をする。

分離発注のメリットは施主と工事業者が直接、契約を結ぶため中間マージンが省けること。

デメリットは施主の手間が増えること。建築士だけでなく工事業者との打ち合わせなども出てくるためだ。

だが、Nさん宅においてはそのデメリットもメリットとなった。「Nさんのこだわりを業者にもきちんと伝えられた」と同事務所の建築士、野里雅樹さんは話す。

外壁の仕上げや内装なども、Nさんと工事業者、建築士らが現場で調整を重ねた。「例えば、浴室の壁に使ったタイルは一枚一枚、少しずつ模様が違う(写真)。そのタイルの配置も、みんなで並べながら決めていった」。

設計を始めてから2年半。完成までに時間はかかったが、細部まで思いを反映した家ができた。


子ども室には可動式の家具を設置。仕切ったり、オープンにしたりと柔軟に使える


壁のタイルは、一つずつ模様が違う。その配置は、現場でNさんと工事業者、建築士で試行錯誤しながら決めた



[DATA]
家族構成 :夫婦+子ども3人
敷地面積 :330.58平方メートル(約100坪)
1階床面積:144.84平方メートル(約43.81坪)
車庫面積 :34.22平方メートル(約10.35坪)
建ぺい率 :56.45%(許容60%)
容 積 率:45.96%(許容200%)
用途地域 :第一種・第ニ種中高層・住居専用地域
躯体構造 :鉄筋コンクリート壁式構造
設  計 :(有)真玉橋設計事務所
      比嘉美幸、野里雅樹
      (CM担当)大城達人
構  造 :与儀建築工房
施  工 :(有)秀林組 その他6社による分離発注
電  気 :ミシマ・プラン
水  道 :(有)大伸設備工業
キッチン :(株)クチーナ沖縄



[問い合わせ先]
真玉橋設計事務所
098-937-2777
http://www.madanbashi.com/


撮影/泉公(ララフィルム) 編集/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1666号・2017年12月8日紙面から掲載

お住まい拝見

タグから記事を探す

この記事のキュレーター

スタッフ
東江菜穂

これまでに書いた記事:41

編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

建築士の日2017|週刊タイムス住宅新聞

TOPへ戻る