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2016年1月8日更新

手を加え楽しむ 住み心地抜群|リッタイ スペース ワークス

玄関からコンクリートの土間とキッチン、板張りの居間まで見渡せるオープンな造りの大湾朝太郎さん(37)宅。夫婦ともに「家に帰ってきたら、まったり。気が緩む」と話すその家は、雨や風を身近に感じられ、暮らしの変化もおおらかに受け入れてくれる。

暮らしラフに空間自在に

大湾朝太郎さん宅(家族4人 自由設計 混構造)



1階、コンクリートの土間とひと続きの居間で、雑談する大湾さん(中央)と長男(左端)、設計者の仲地さん。ダイナミックな木の屋根が伸び伸びとした雰囲気を醸し出している。収納はすべてオープン。素朴でシンプルな空間に木やコンクリート、鉄などの異素材が調和する



居間から土間、玄関を眺める。昼は高窓から陽光がさして家中が暖かな光に包まれ、「夜には照明のほんのりとした光で、リラックスできる」。照明器具は自分たちで空間に合うものを選んだ


沖縄県本島中部の住宅地に建つ大湾さん宅は、コンクリートブロック(CB)の箱に木の勾配屋根が掛けられた平屋建て。木の庇や柱でできた玄関ポーチの素朴な風合いが、訪れる人を温かく迎える。

玄関を入ると、天井高4メートルの伸びやかな空間が広がり、高窓から空へと視線が抜ける。土間と居間を中心に、西側に水回り、東側に個室がオープンにつながる。

1日の大半を土間や居間で過ごす一家。「土間は細かいことを気にせず、ラクに過ごせるのがいい。小型のトランポリンを置いて跳ねて遊んだり、寒い時には石油ストーブを置いて、その周りで暖を取ったりしています」と大湾さん。

シンプルな空間構成に、さり気なく手仕事の風合いや素材の質感が感じられるのも、「過ごしやすさ」につながっている。キッチンや居間の壁にある木板と鉄のパーツを組み合わせた棚は、使い勝手に応じてカスタマイズ。木の玄関戸や板張りの床も自分でオイルを塗ったりケアできる。

「細かい箇所に、丁寧な職人仕事を感じられる一方で、子どもが汚した壁に自分でペンキを塗っても違和感がない。懐が深い家だなと思う」



キッチンの隣にある脱衣室。勝手口から物干し場まですぐに出入りできるので、洗濯がラク


書斎兼多目的スペース。カウンター周りは、自分たちでカスタマイズできるようシンプルな造りに
 


アイデア広がる家


両親から土地を譲り受ける予定だったが、借家暮らしに特段不便を感じるわけでもなかった夫妻。本格的に家造りを始めたのは、ある建築士との出会いがきっかけだった。「家造りではあれこれ過剰に詰め込み過ぎない方がいいとの考え方や、仕事や趣味など価値観が共感できた」と夫妻。

設計者への主な依頼は、「家相に気を配ること」、「建築コストを抑えて自分たちで工夫して住み心地を楽しめ、ラフに過ごせる空間」だった。そのための建築士からの提案も、積極的に取り入れた。その一つが土間。「田んぼだった敷地なので、土間は湿気対策とコストダウンができると聞き、いいなと思った」とすんなり受け入れたと言う。

「住みながら使い方のアイデアが広がる。ゆくゆくは、ロフトでも造ろうかと思う」。家族の成長とともに変化する心地良い家づくりは、現在進行形だ。



キッチンもすべてオリジナルで製作。こちらもステンレスや鉄、木などの異素材が程よく調和。調理台の下や壁面の棚もあえてオープンにしてもらった。「広々として使いやすい。ラフな造りなので付け足したり変えるのもラク」


コンクリートブロックの箱に、木のルーバーや庇、玄関戸が温かみを添える大湾さん宅の外観。「木の部分など、手が届く範囲は自分でメンテナンスする予定」と大湾さん


 

ここがポイント
異素材程よく調和 手仕事の技随所に


大湾さん宅は、補強CB造の箱を二つ並べ、木造小屋根でつないだ混構造。大湾さん夫妻が「ひと目で気に入った」という、設計者、仲地正樹さんの自宅がベースになっている。「施主と話をしながら、ラフに暮らしたいという要望や人柄に、伸び伸びとした空間をイメージしました」と仲地さん。外と内との合間のような雰囲気の空間で、手を掛けることで経年変化も味わいになる素材使いに気を配った。

木造の屋根は勾配にして高窓を設け、軽やかな空間に。もとは田んぼだった敷地の環境から、湿気対策とコスト面の兼ね合いを考慮しコンクリートの土間を提案した。土間にすると、寒さと結露が気になるところ。「土間には断熱材を入れたほか、杉板の床は高さを取って側面を無双窓にして通風を促しました」。

シンプルな空間構成ながらも温かみが感じられるのは、木やコンクリートなど素材の質感を生かす自然な仕上げと、異素材のつなぎ目をすっきり見せる職人の手仕事によるもの。「天井と壁、床の間に幅木を付けず仕上げを見せるなど、細かな部分に丁寧な仕事ぶりが感じられる。大切に住んでいこうと思う」と大湾さん。

「時間をはねのける素材使いではなく、年を経て味わいが増す空間づくりの工夫」で、家族の暮らしの蓄積が楽しめる家となったよう。



真上から見たイメージスケッチ。シンプルな構成で、変化を柔軟に受け入れる工夫が盛り込まれている

[DATA]
 家族構成:夫婦、子ども2人
 敷地面積:325平方メートル(約98坪)
 1階住居床面積:89㎡(約27坪)
 建ぺい率:29.57%(許容60%)
 容積率 :27.58%(許容100%)
 用途地域:未指定地域
 躯体構造:補強CB造と木造の混構造
 設  計:LITTAI  space  works 仲地正樹
 施  工:長山建設
 電  気:エイト電気工事
 水  道:創設備
 木工事 :小浜工務店
 キッチン:LITTAI
 植  栽:HADANA

[設計・問い合わせ先]
 リッタイ スペース ワークス
 0980-51-9027
 littai.com
写 真/高野生優・フォトアートたかの撮影
編 集/岸本貴子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1566号・2016年1月8日紙面から掲載

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