家族をつなぐスキップフロア|studio jag1級建築士事務所|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

オール電化キャンペーン2017年10月10日から12月31日A

お住まい拝見

お住まい拝見

2017年11月10日更新

家族をつなぐスキップフロア|studio jag1級建築士事務所

[お住まい拝見・趣味も学びも一緒に]中城村の高台に建つIさん(41)宅は、高低差のある敷地を生かしたスキップフロアの2階建て。家族で共用する中2階のアトリエが、上下階と家族をゆるやかにつなぐ。


中2階のアトリエは家族みんなで活用する。壁に沿って設けたカウンターは場所によって奥行きが異なり、趣味に勉強にと目的に応じて自由に使えるよう工夫されている

 

家族の気配どこでも

Iさん宅
RC造/自由設計/家族5人

周囲に緑も残る新興住宅地の一角に、Iさんの住まいはある。駐車場脇から階段を数段上り玄関へ。吹き抜けになったホール上部からは、柔らかな光と2階にいる家族の気配が伝わる。

室内は3層からなるスキップフロア。玄関を挟んで南側にはLDKと和室、水回りがまとまり、北側には半階上がった中2階にアトリエと寝室がある。2階南側は子ども室とルーフテラスになっていて、上下階で公私の空間が分かれている。「どこにいても家族の気配を感じられる家にしたかったんです。スキップフロアだと気配がすぐに分かるので安心」と妻のAさん。

南側の芝庭に面したリビングダイニングは、4枚の引き込み戸を開け放つとテラスから庭へと一体的につながる。節の模様も楽しい杉足場板の床は足触りが柔らかく、素足に心地いい。「息子の通っていた保育園の床が杉材で、気持ちが良かったので使いたかった。傷がつきやすい素材だけど、それも味になると思ってます」と笑う。

Iさんのお気に入りは、中2階にあるアトリエ。造り付けのコの字型のカウンターでIさんは絵を描き、中学生の長男くん、次男くん、小学2年生の長女ちゃんは、宿題をしたり遊んだりと親子で活用する。「家を建てるなら、絵を描く場所がほしかった。子どもたちの勉強スペースも個室とは別に設けたかったので、一緒に過ごせる形になって良かった」とうれしそう。


和室からLDKと庭を見る。開口部は4枚の引き込み戸で開け放てばフルオープンに。テラスと室内の床材を同じ杉足場板にすることで、庭への連続性を高めた。対面式キッチンの北側にあるドアから物干し場、家事室へと行き来できる

 

希望をすべて実現

家づくりは土地探しからスタートした。那覇や南部へも足を運んだが、住んでいたアパートと同じ地域で、Aさんが学生時代を過ごしたなじみ深い地に土地が見つかり購入。小学校からの同級生である建築士に設計を依頼した。

スキップフロアにしたことで、「上下階の移動が楽」とIさん。中2階を駐車スペースの上部にせり出すように設けたことで、ほしかった屋根付き駐車場も実現した。

「小さな土地だと思っていたけど、希望はすべてかなったし広さも十分。庭も思いのほかスペースが取れて大満足です」と笑顔。家族も空間もゆるやかにつながる家で、目標とする絵本製作にもはずみがつきそうだ。


北側からの外観。正面上部がアトリエと寝室のある中2階で、その下部に駐車スペースを設けたことで、天気を気にせず車に乗り降りができるようになった



ここがポイント
高低差生かし 中2階でつなぐ


2階の子ども室。南側のルーフテラスと一体的に活用できる


Iさん宅の敷地は南北に細長く、北側の前面道路とは約2メートルの高低差があった。設計を手掛けた1級建築士の久志直輝さんは、「高低差を生かしながら、周囲に建物が建っても光と風が確保できるように、スキップフロアを提案しました」と話す。

道路と同じ高さの北側を駐車スペースとし、外階段を半階分上がったところに玄関、LDKと和室、水回りを配置。1階部分南側に生活の主要スペースをまとめた。LDKは南に大きく開くことで明るく、風も抜ける気持ちのいい空間に。水回りの北側に家事室を隣接させ、物干し場を通してキッチンと行き来できるようにして、スムーズな家事動線を確保した。

半階上がった北側のブロック(中2階)にはアトリエと寝室を配置。さらに半階上がった2階には子ども室とルーフテラスがあり、屋内外を一体的に活用できる。中2階は北側にせり出すように設けて室内に光と風を取り込み、下部をピロティにすることで、雨天時も快適な駐車スペースを実現した。

仕切りのないオープンな造りのアトリエは、「コミュニケーションの場になる同時に、上下階に分けた公私の空間をつなぎ、気配や風と光を届ける役割も担っています」と久志さん。敷地の高低差を利用し、それぞれの空間が緩やかにつながる開放的な住まいとなっている。


断面に見る工夫​



子ども室から玄関上部の吹き抜けとアトリエを見る。上下階へ家族の気配を伝える仕掛けだ/写真左。琉球漆喰(しっくい)を施した床のある1階の和室。小上がりにしたため腰掛けるにも便利。下部は引き出し式の収納になっている/写真右。



[DATA]
家族構成 :夫婦、子ども3人
敷地面積 :194.02平方メートル(約58.69坪)
1階床面積:90.00平方メートル(約27.23坪)
2階床面積:62.93平方メートル(約19.04坪)
建ぺい率 :48.15%(許容50%)
容 積 率:63.98%(許容100%)
用途地域 :第一種低層住居地域
躯体構造 :鉄筋コンクリート造壁式構造
設  計 :studio jag1級建築士事務所 久志直輝、河上親生
構  造 :黒岩構造事ム所
施  工 :(株)カネヨシ工務店
電  気 :(有)清和電気
水  道 :泉水設備(株)



[問い合わせ先]
studio jag1級建築士事務所
098-874-2055
http://studio-jag.net/


写真/泉公(ララフィルム) 編集/比嘉千賀子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1662号・2017年11月10日紙面から掲載

お住まい拝見

タグから記事を探す

この記事のキュレーター

スタッフ
比嘉千賀子

これまでに書いた記事:88

編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

建築士の日2017|週刊タイムス住宅新聞

TOPへ戻る