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2015年2月6日更新

家も人もオープンに 楽しみ膨らむ二世帯|(株)一級建築士事務所 斎

沖縄県本島南部の“外人住宅”の実家を二世帯に建て替えた瀬長博康さん。「妥協しなくて良かった」と話す住まいは、両世帯をつなぐ吹き抜けの大開口が印象的で、塀越しにご近所と声を掛け合うオープンな雰囲気。LDKもルーフテラスも集いの場となり「住んでいて楽しい!」と大満足だ。

妥協なしで満足

瀬長博康さん宅(家族5人 自由設計 RC造)


1階姉世帯のリビング。通りに面する東側(正面)と南側には大開口が設けられ、明るく開放的。隣近所は顔なじみなため塀はあえて低めに。吹き抜けからは2階で暮らす瀬長さん世帯の様子が伝わってくる

亡き母の思いも反映
瀬長さん宅は1階に姉、2・3階に瀬長さん家族が暮らす二世帯住宅だ。建て替えは、完成を待たずして亡くなった母の強い希望から。当時、瀬長さんは東京に住んでいたが、「知人に紹介された建築士の建物が気に入って。年もウイスキー好きなのも同じ」と意気投合。設計を依頼した。
「仏壇中心の間取りに」「玄関は一つ」「孫の声を聞いて暮らしたいから1階リビングは吹き抜けに」との母の要望は取り入れつつ、「古くさくない造りにしたかった」と瀬長さん。メールで密にやり取りしつつ、工事中は現場にも足繁く通い、職人たちともコミュニケーションを図った。
そんな瀬長さんのこだわりの一つが家中の床。幅広で上質な無垢のチーク材を使っており「吹き抜けと相まって広がりが出るね」と満足げ。
姉が住む1階は、共用玄関と仏壇を中心に、北に寝室と階段、南にパブリックスペースと水回りを配置。引き戸を開け放てば、リビングから畳スペース、ダイニングキッチンが一続きになる。姉は「休日は、母の好きだったオリーブが育つ芝庭を眺めてのんびり。近所の子どもたちも通りながら手を振ってくれる」と喜ぶ。

海眺めテラスでBBQ
一方の瀬長さん世帯は、吹き抜けに面した2階の南側にLDKを、北側に家族4人の個室をまとめた。
夫人好みのアジアンテイストで品良くまとめられたLDKは、吹き抜けに面した大開口からたっぷりの光と風が入り開放的。以前、海外で暮らした経験から、「ホームパーティーがしやすいように」とキッチンは大勢で囲めるアイランド型に。夫人は「おしゃべりしながらお客さまにも手伝ってもらえます」と使い勝手の良さを実感している。
3階は、家族のお気に入りの場所。フリースペースは親子でヨガやストレッチをしたり、子どもの友達が集まるだけでなく、「来客の寝室としても重宝」。海が見えるルーフテラスでは、「慶良間諸島や月を眺めつつビールを飲んだり、家族や仲間とバーベキューしたり」と瀬長さん。楽しみは尽きないようだ。


2階、瀬長さん世帯のLDK。吹き抜けとの間には、普段は子ども室の前にある戸袋に収めておける引き戸も設置。閉じれば人目や姉世帯への音漏れも気にならない


2階キッチン。正面には洗濯機のある洗面室、奥右手には物干し場をまとめ、家事も効率よく


2階洗面室。床は隣のバスルームまで同じタイル張りにし、一続きに見えるようにしたことで広さを演出。洗面化粧台の鏡の両脇に設けた窓は、採光・通風に一役


ここがポイント
個室以外 緩やかにつなぐ

「瀬長さんのご家族は仲が良く、二世帯ながら同居に近いイメージを要望していた」と一級建築士の玉那覇昇一さん。そのため設計では「各人の個室はしっかり設けつつ、それ以外はオープンで緩やかにつながる、シェアハウス感覚の二世帯」を提案した。
まず玄関を共有。北側の内階段で上下階を行き来できるようにしたほか、南側にある1階・姉世帯のリビングは吹き抜けにし、そこに面して2階・瀬長さん世帯のLDKを配置することで両世帯をつないだ。
ポイントは吹き抜けに面して両世帯に設けた引き戸。「日中や人が集まる際は開け放してオープンに、夜間やプライバシーが気になる際は閉じれば音漏れもほとんど気にならない」と、必要に応じて開閉が可能だ。特に2階は「手すりはソファに腰掛けても視界を邪魔しないガラスで、引き戸は閉じても光は取り込めるよう半透明な素材で仕上げた」と細部まで工夫が光る。
オープンな造りは、外に対しても同様。塀は低めにし、1階リビングは通りに面する東側一面を大開口に。姉の寝室や子ども室は開口部をルーバーで覆うことで、目隠ししつつ通りへの圧迫感を和らげている。そのほか2階の寝室、子ども室は、将来を見据え、可動式の間仕切りを取り払えば、どちらも一続きにできる。
オープンで柔軟に開閉できる造りが、家族や周囲とも程よくつながる暮らしを実現した。


デッキから見た1階リビング。吹き抜けから、2階の瀬長さん世帯の様子が伝わる。2階の手すりを透明なガラスにしたことで、視界が遮られることがなく、広がりが感じられる空間に。大勢が集まる行事の際は、格子の引き戸を開け放てば和室やダイニング・キッチンまで一続きに使える


1階のキッチンから仏壇のある畳スペース、リビング、庭へのつながりを見る。琉球畳はフローリングにはめ込み、洋室になじみやすくした


2階への階段。蹴上げを抜き、手すりもフレームとワイヤーで仕上げたことで、視線が奥まで抜ける


住宅街の角地に建つ瀬長さん宅。右手にある姉の寝室や子ども部屋はルーバーで目隠し

[DATA]
家族構成:夫婦、子ども2人、姉
敷地面積:201.87㎡(約61.1坪)
1階床面積:113.90㎡(約34.5坪)
2階床面積:94.28㎡(約28.5坪)
3階床面積:13.32㎡(約4坪)
建ぺい率:59.38%(許容60%)容積率:96.08%(許容100%)
用途地域:第一種低層住居専用地域
躯体構造:鉄筋コンクリート造壁式構造
設 計:(株)一級建築士事務所 斎 玉那覇昇一
構造設計:(有)翔光プラン
施 工:(有)匠建
電 気:(株)ひかりPLAN
水 道:(有)ライフ工業
造 園:艸木(そうもく)
観葉植物:(有)Ru‐ga

[設計・問い合わせ先]
(株)一級建築士事務所 斎
098-996-3512
http://www.atelier‐sai.net
写 真/比嘉秀明撮影
編 集/徳正美

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1518号・2015年2月6日紙面から掲載

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