片付けやすくし家族健康に|ママが笑顔になる家づくり[2]|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

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2019年5月17日更新

片付けやすくし家族健康に|ママが笑顔になる家づくり[2]

ママが頑張って掃除しなくても自動的にキレイになる魔法の家ってあるのでしょうか? いま住宅の設計依頼を受けているAさんご家族は、お子さんにアレルギーがあることもあり、片付けしやすい風通しのいい家を希望しています。

自動的にキレイになる家って?

Aさんの片付けないといけない理由…
子どもがアレルギー、風通しよく
ママが頑張って掃除しなくても自動的にキレイになる魔法の家ってあるのでしょうか? いま住宅の設計依頼を受けているAさんご家族は、お子さんにアレルギーがあることもあり、片付けしやすい風通しのいい家を希望しています。

現在お住まいの家にお邪魔させてもらったところ、モノは少なく無駄なものはなるべく持たない生活が成り立っているように思えました。また、カビやダニを寄せ付けやすい布製のファブリックは使わず、扉付きの収納も中がカビそうなところは使用しないと徹底されていました。それでも「なんだか散らかって見える」のは、モノがリビングに集中して置かれ、すべてオープンに見えている状態だからだということが分かりました。


家族に合った収納方法、どう選ぶ?
続けられるか○×方式で確認
雑誌や本などで収納の方法を学んでも、結局その人の性格に合っていなければ長続きしません。ダイエット同様、これなら苦じゃない、むしろ楽しめるくらいの収納方法を探しだせたら最高ですね。

Aさんの場合は、収納や動線計画では、一つ一つ行動を確かめながら「これなら片付けられそう」「それだと結局長続きできなさそう」という○×方式で、プラン決定までのプロセスを重ねました。「美しく見せる収納」や、オープンだけど使っている人以外からは見えにくいようにするなど収納の配置に気をつけること、通気性のいい収納を設けることで解決できそうだという結論に。最終的には、収納整理プランナーの方とも相談しながら、どこに何を収納するかをイメージしながら収納計画を決めていきました。


段差をなくした水回り。左手の収納は床から浮かせ掃除しやすく


リビングの開口部の外側にルーバー=写真左手=を設置。アレルギーに心配な要因である布製カーテンを設置しなくても、視界や日射を遮ることができる


半外部空間に緑のカーテンを設置することで、室内空気も清浄できる(写真はムーンビーチ)


太陽の熱や光、風も上手に活用
一石二鳥!? 布団で西日対策
自然エネルギーを上手に使うのもオススメです。例えば私は独身の頃、西日の当たる窓が大きな部屋に住んでいたのですが、その部屋であえてカーテンをかけず、布団をかけていました。日射を遮るだけでなく、毎日太陽の匂いがする布団で眠れることが幸せでした。布団も気軽にその場で簡単に干せる工夫や、カーテンをかけなくても生活できる空間にし、太陽の熱や光、心地よい風を感じることができれば、心も体も豊かで自然と笑顔になれると思います。

Aさん宅は、壁や天井は結露しにくい仕様で、汚れても容易にメンテナンスできるように設計を進めています。肝心の床掃除は、段差をなくし引き戸のレールなどもなるべく省くことで、お掃除ロボットも活躍します。収納も床から浮いたデザインで、モノがちゃんと決められた位置に収まっていれば、自動的にキレイが保てるし、自分で掃除するのもラク。床に段差やモノが少ないので結果的に風の通り道もスムーズに確保できました。

理想の家づくりのヒント
おしゃべりから新しいアイデア
家族のライフスタイルに寄り添ったカタチをつくるというとなんだか難しそうですが、自分の生活パターンや一見関係のなさそうな家族の癖などの話から、理想の家づくりに近づいていけることもあります。設計者とのおしゃべりも楽しんで、たわいもない会話から生まれる新しいアイデアで、ママも家族もみんな笑顔あふれる家づくりができますように~!


執筆者

まつだ・まりこ
1977年那覇市出身。1級建築士。東京・県内設計事務所をへてNPO蒸暑地域住まいの研究会理事長に。省エネ住宅の普及や県内戸建て住宅の環境調査・公園内茅葺建築・病院関連施設等に携わる。2019年、松田まり子建築設計事務所設立。 098-871-3122 

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1741号・2019年5月17日紙面から掲載

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