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2016年6月3日更新

時代変化に耐えうる住宅|アーキテクトラボ.ハローム

建築に関わり15年。沖縄の中古住宅のメンテナンスの必要性を感じ、3年前に独立した新里尚次郎さん(38)。「建築士目線で、古い建物を長く大事に使うアドバイスをしたり、時代の変化に耐えられる家づくりを提案したい」と語る。

アーキテクトラボ.ハローム
代表 新里尚次郎さん


古い建物を長く大事に使う


建築士が建物の維持管理を専門にするのは珍しいですね。
はい。私は設計、デザインだけではなく空調や水道までトータルでやってみたいと考えていました。仕事を通して疑問に感じていたのが、住宅を建てた時点がゴールになっている方が多く、維持管理の重要性が知られていないこと。住宅はメンテナンスすることで寿命が延び、資産価値を高めることができます。これからは、古い住宅を長く大事に使っていくため、修繕積立などと合わせて提案していくのも建築士の役目だと思っています。

具体的な仕事の内容は?
建物の劣化診断や耐震基準適合証明の発行、設備の定期調査などを行っています。

中古物件の活用では、オーナーさん、管理会社、プランを手掛けるデザイナーの間に入る“つなぎ役”です。例えば、居酒屋だった店舗をデイサービス施設にするなど、建物の用途が変わるとさまざまな手続きが必要になります。私が法的な面をクリアにすることで、デザイナーも安心して工事を進められます。最近では、民泊に関連した相談など仕事の幅が広がっています。

沖縄の住宅で必要なことは?
こまめなメンテナンスです。沖縄は台風など塩害がひどく、県外よりも塗装の劣化が早い。でも、メンテナンスしている家は傷みが遅いんです。

コンクリート建築は、きちんと手入れをすれば100年持つと言われています。大切なわが家だからこそ、愛着を持ってメンテナンスしてほしいと思います。長く住んでもらえるアドバイス、時代の変化に耐えられる住宅づくりを提案していきたいです。



 




​中古物件の流通に力

OKINAWA型中古住宅流通研究会

新里さんが設立メンバーの一人であるる「OKINAWA型中古住宅流通研究会」。中古物件の流通を広げるにはどうしたらいいか―。設計事務所、不動産業者、建築・リフォーム会社など、分野の異なる専門家同士が情報交換、議論できる場として2014年に発足した。「『お客さま目線』という共通認識の下、20年までの活動を目指しています」と新里さん。

同研究会では、中古住宅の状況を自己診断できる「おうちクリニック住宅カルテ」(写真)を作成している。建物の基本構造、物件状態のセルフチェック、住宅ローン減税や不動産取得税の軽減措置などの優遇制度が利用可能かが分かる。カルテは、http://study.okinawa/からダウンロードできる。
 



しんざと・しょうじろう
1977年、浦添市生まれ。久留米工業大学卒業。東京の建築会社、県内設計事務所、コンクリート会社、自動ドア会社などで経験を積み、3年前にArchitect LAB.CHALOM(アーキテクトラボ.ハローム)を設立。2級建築士。小5の長男を筆頭に、3男1女の父。



Architect LAB.CHALOM
沖縄県西原町兼久248-1-106
098-927-0860
 


取 材/西香南(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1587号・2016年6月3日紙面から掲載

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