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2018年2月2日更新

[和風庭園を見る]人工芝を設置 庭仕事ラクに

金城義信さん宅(浦添市) 芝の手入れに苦労していた金城義信さん(81)は、庭師と相談して人工芝に変えた。植物もリュウノヒゲやムラサキオモトなど手入れが容易なものにし、ゆっくり自分のペースで庭仕事を楽しんでいる。


門から玄関へ向かい、丸い飛び石が連なる。その周囲は人工芝だが、つなぎ目などは見えず、一見、普通の芝に見える。以前の芝や飛び石ははがし、セメントを打った上に人工芝を敷いたそうだ
 

人工芝を設置 庭仕事ラクに

金城義信さん宅(浦添市)


重厚感と柔らかさ

青々と茂る芝の上。緩やかな曲線を描き、飛び石が連なる。昨年10月に改庭する前は、あちこち芝がはげたり、雑草が茂ったりで「あんまり見栄えが良くなかった=下写真」と施主の金城さんは語る。

セメントを打ってしまうと温かみが無くなる。だが、手入れの手間は省きたい。金城さんは庭師と相談し「人工芝に変更した」と話す。
以前に、裏庭の一部も人工芝に変えたが、「つなぎ目が見えて『いかにも人工』という感じがした。もっと自然なのものがないか、庭師と相談した」。

庭師に薦められて表庭に入れた芝は、つなぎ目が見えず一見、人工芝とは分からない。踏んだときのサクサクとした感触も、生きた芝のようだ。「通りがかった人に、『きれいな芝ですね』と言われる。人工というのは黙っておこうかなと思うけど、悪いから最後にバラすと、皆さんビックリする」と金城さん。

クロキや灯籠のそばからは、リュウノヒゲやムラサキオモトなどの低木が顔をのぞかせる。「これらの低木は手入れが容易。庭が好きだから、荒れていると心苦しくなる。私がゆっくり楽しめるようにした」。

四角だった飛び石は丸型に変えた。門から玄関まで、ゆるくカーブしながら人を誘う。芝と土との間を縁取る石も、ゆったりカーブを描く。要所の曲線が重厚感と柔らかさを両立させている。


【改修前】改庭前は、芝の管理が大変だったそう。四角の飛び石は撤去した

曲線が奥行生む

庭師は、「メンテナンスが楽」な庭にするため、以前の庭の芝や飛び石をはがし、セメントを打った上に人工芝を敷いた。手入れの手間を省きつつ、「見た目の美しさ」も重視した金城さんに「一般的な人工芝より高価ではあるが、質の良いものを薦めた。以前に施工した裏庭とは違う雰囲気になった」と庭師は語る。金城さんの庭に使った人工芝は、1平方メートルで4800円ほどするそうだ。

また、外からのゆるやかな目隠しとして「鉄砲垣」を設置。道路沿いの全体に設置するのではなく、高木の少ない門付近だけに設置した。鉄砲垣は竹(立子)が裏と表で互い違いに取り付けられており、隙間があることから「竹垣の圧迫感が和らぐ。金城さんの要望する、温かみのある庭にはちょうど良い」と説明する。

鉄砲垣の足元は八女石の乱杭で囲い、小さな前庭を造った。曲線を描く庭中央の主庭とうまくつながり、庭に奥行きを生む。「風情ある八女石を使うことで庭に重厚感が生まれる」と庭師は語った。



芝と岩との境目にはところどころ玉砂利を敷いた。「緑と白のコントラストが気に入っている」と金城さん


【裏側の庭】2014年に人工芝を設置した裏庭。つなぎ目が見える。「表庭はこれより自然なものにしたかった」


金城さんのお気に入り

道路からの目隠しに設置した「鉄砲垣」。金城さんは「あえてロープの結び目をたくさん作ってもらった。帯をぎゅっと締めたようで、見ているだけで身が引き締まる気がする」と語る

金城さんはカエルの置き物を収集しており、庭にもたくさんのカエルがいた。裏庭にもたくさんのカエルがいる。金城さん宅の裏庭は2015年8月7日発行号の当コーナーに登場した。
金城さんはカエルの置き物を収集しており、庭にもたくさんのカエルがいた。裏庭にもたくさんのカエルがいる。金城さん宅の裏庭は2015年8月7日発行号の当コーナーに登場した。


(設計・施工/久田緑化造園)


編集/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1674号・2018年2月2日紙面から掲載

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東江菜穂

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週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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