企業・ひとの取り組み
2020年4月17日更新
【ひと】音楽から電気工事の世界へ|仲宗根 巌さんBanana concept(株)代表取締役
電気設備工事を主軸に、照明設計、空間演出まで手掛け、その提案力が高く評価されるBanana(バナナ) concept(コンセプト)(株)代表の仲宗根巌さん(43)。「社会や未来に大きな価値を提供できる仕事」が信条だ。
未来に残せる仕事が信条
現在の仕事のきっかけは?
高校卒業後、物作りの仕事をしたいと、大工、屋根・外壁建築工事などの仕事を経験しました。ジャマイカの音楽が好きでDJもやるうちに、サウンドシステムに興味を持ち、音には電気が重要だと知ったんです。それから電気を本格的に学ぶようになり、電気工事の世界に入りました。
心掛けていることは?
五感に響く仕事をするのがモットー。図面通りでいいものは生まれない。いつでも実際に利用するお客さまのことを想像し、喜んでもらえる仕事をしたい。そのためにも、お客さまの話をたくさん聞くようにしています。雑談のようなものから、ライフスタイルや好みが分かり、アプローチのヒントになっています。仕事の本当の価値はお金ではない。2017年、18年には、リヤカーに電気工事道具を積み、那覇空港から辺戸岬まで歩きながら、電気工事を無償で行う「ヘッドアッププロジェクト」を行いました。多くの人とつながり、喜ばれ、仕事の価値は人が与えてくれるのだと改めて思いました。
今後の目標は?
これからは組織ではなく個性を持つ人が輝く時代になると思う。当社も個性的なスタッフ一人一人が主役となり、能力を発揮できる会社にしたい。アイデアを掛け合わせることで、より大きな価値を世の中に提供できるはず。これからも常識にとらわれず、未来に残していけること、やって良かったと思えることを仕事としてやっていきながら、皆さんとつながっていければ幸いです。
電気自動車の活用法を提案
環境、防災、イベントにも
昨年の「うるまシマダカラ芸術祭」では「島の記憶と未来が対話する場所へ」をテーマに照明演出も担当。主会場の電源供給は全て電気自動車で賄った。
大宜味村田嘉里にある同社ヤードでも、電気自動車と、電気自動車から建物に電気を供給するV2Hシステムを夏までに設置予定。仲宗根さんは「環境に優しく、災害に強い生活の提案、情報発信の拠点として、いろいろな仕掛けを考えていきたい」と意気込む。
昨年の「うるまシマダカラ芸術祭」では、主会場の電源供給を電気自動車で賄った
なかそね・いわお 1976年、沖縄市出身。両親は薬剤師。サッカーでブラジル留学も経験。高校を卒業後、大工、屋根・外壁建築工事などに従事。2005年、電気設備工事を主事業とするBanana concept(株)を創業。好きな音楽でDJなども行う。
◆Banana concept(株)
沖縄市園田2‐19‐16‐2F 電話098・933・7369
編集/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1789号・2020年4月17日紙面から掲載