庭・garden
2016年9月9日更新
万人に人気のある[モンステラ]|植物と器で楽しむ Interior green⑥
インテリアグリーンを楽しむコツと上手な育て方を、プランタドール代表の新城圭吾さんがレクチャー。観葉植物として万人受けする「モンステラ」は、サイズで印象が変わるのも魅力だ。
サイズで印象が変わる
万人に人気[モンステラ]Q.モンステラってどんな植物?
日当たり弱くても育つ 乾燥、病害虫にも強い
サトイモ科モンステラ属の植物で、自生地では大木の下などの半日陰や湿った土壌で生息しています。そのためインテリアグリーンとしては、一般的な明るさの室内はもちろん、多少日照が弱い場所でも取り入れることが可能です。乾燥に比較的強く病害虫にも強い、育てやすい品種になります。
大きく、個性的なフォルムの葉が印象的で観葉植物としての人気も非常に高く、万人受けする品種です。サッカー選手で例えると、非常にまじめで監督やチームメートからの信頼もあつく、プレーでは堅実でPKでの強さに定評があった元ブラジル代表のゴールキーパー、タファレルといったところでしょうか。
小鉢~大鉢とサイズで表情が違い印象が変わるのも魅力のひとつです。
Q.育てる上で気を付けたいことは?
水やりはたっぷり気根はカットも可
比較的乾燥にも強いのですが、水分を好みます。置き場所にもよりますが、夏は基本的に毎日、春・秋・冬は鉢の表土が乾いたら鉢底から水が出るまでたっぷりあげてください。その際、葉にもしっかり霧吹きしてください。
成長していくと下の方の葉が落ちて茎が伸びてバランスが悪くなる場合があります。そのままだと鉢とのバランスも悪くなりますので、伸び過ぎた部分を切り戻して、全体のバランスを整えながら植え直すと同じ器でまた楽しめます。
モンステラは成長に伴い、茎の途中からたくさんの気根を出します。見た目が苦手な方や邪魔になるような場合は、株元に軽くまとめるように誘引するか、生育に特に大きな影響を与えないのでカットしてもいいかと思います。
直射日光下では葉焼けをおこしやすく見た目が悪くなるので、個人的には室内でのインテリアグリーンとしてオススメします。
一枚一枚の葉が大ぶりで、切れ込みの入ったフォルムも個性的。サイズによって表情が変わり、品種もいろいろある
生活スタイルに応じて
際立つ! 葉のフォルム
琉球石灰岩の壁に合わせてボリュームのある植物をとの希望で、ある企業のリラックスルームに設置した「モンステラ デリシオーサ」。高さ、幅ともに約2メートル。一枚一枚の葉が大きく、広がりのある樹形の場合、高さのある器に合わせると圧迫感を与えず、インテリア性が増します。白系の壁面に合わせると葉のフォルムや樹形がより際立つので、モンステラはオススメの植物です。
一般的な室内よりも暗い場所にありますが、週1回メンテナンスに通い、3年たった現在も元気に成長しています。日照が限られている場所でも環境にあわせた水やりや管理で長く楽しめます。
共存しない種を一緒に楽しむ
直射日光のあたらない軒下に飾った例。自生地では共存することのないアロエ種(右)とモンステラ デリシオーサコンパクタ(高さ約70センチ)を同じ形の器に合わせました。イスに置くことを意識して、安定性のある低めの器をセレクト。温かみのあるマットなベージュは、木の外観との相性も◎です。出合うことのない品種を一緒に楽しめるのもインテリアグリーンの楽しさです。
こぼればなし
実はいろいろあります!
モンステラには、いろいろなタイプがあるのをご存じですか?
【モンステラ デリシオーサ】
一般的に流通しているのがコレ。若葉はハート形でかわいらしく、成長に伴い切れ込みなどが入り成葉に変化する。
【モンステラ デリシオーサコンパクタ】
「モンステラ デリシオーサ」と一見違いがない。一番の特徴は若葉の頃から葉に切れ込みが入り、小鉢サイズでもモンステラの特徴の葉やフォルムを楽しめること。流通量が少なく価格も割高。
【モンステラ ジェイドシェイコック】
葉に光沢・凹凸があり、質感はパリパリで切れ込みが入らない品種。成長に伴いつる性になるので、スタンド付きの鉢やハンギングとしてつるして飾るのもきれい。
【モンステラ ドゥビア】
原産地では木に着生して成長する個性的な葉姿のモンステラ。板や支柱などに着生させるのもいい。
執筆・提案
しんじょう・けいご/PLANTADOR代表。「花屋Ru-ga」で植物についての基礎・応用を学び、2009年に独立。14年に浦添市大平に販売店舗「PLANTADOR Segundo」をオープン。主に植物の室内コーディネート、住宅の植栽、植物販売などを手掛ける
『週刊タイムス住宅新聞』Interior green<6> 第1601号 2016年9月9日掲載