庭・garden
2022年2月4日更新
【プロがつくる庭】植栽の高さ調節し橋と海の絶景確保
AWAY沖縄古宇利島リゾート(今帰仁村)
年中咲く花々景色彩り南国感
生け垣で視線コントロール
古宇利島の小高い丘。眼下にはエメラルドグリーンの海が広がり、古宇利大橋がすーっと延びる。
そんな景色を堪能できるよう、「AWAY沖縄古宇利島リゾート」では、海側にある庭の植栽が低めに抑えられている。例えば、1階客室の前では、ハナチョウジやコバノランタナといった、ひざ下くらいの高さの小花がやわらかく揺れ、さりげなく景色に色を添える。
また、道路との境界部分には、プルメリアやモンパノキ、ヤシ、ハイビスカスなどが生け垣として植栽されているが、いずれも外から中は見えにくく、中からは景色が楽しめるように高さが調整されている。そこに、赤い葉のアカリファや、シルバーリーフのモクビャッコウなどがアクセントとして彩り豊かな庭を演出している。
庭を手掛けた金城グリーンの金城健太郎さんは「年中何かしらの花が咲くようにして南国のリゾート感を出しつつ、オーシャンビューが引き立つような植栽を意識した」と話す。レストランの隣にあるガジュマルも、座った時に景色を遮らないよう樹形や大きさに配慮したという。
海側の庭。左手の道路に面した部分には、さまざまな種類の樹木を生け垣として植栽。そのため外からはプールなどが見えにくくなっている
ガーデンテラス。ソファに寝転びながらでも橋が見えるよう、花壇には背の低いランタナやコバノサンダンカなどが植えられている
1階客室の前にも背の低い植物が並ぶ
プール。外の植栽の高さが調節されているので、プールに入っていても景色を楽しめる
ツル性のハマササゲなどで壁を隠し、無機質な印象を和らげている。階段下にはクワズイモが植えられている
石敷き詰めて維持しやすく
海風に耐える在来植物
日が当たりにくい建物の北側には中庭がある。道路よりも低く、壁に囲まれた場所ながらも、ヒカゲヘゴやクロツグ、オオタニワタリ、シマキキョウランなどが葉を茂らせる。ひんやりと心地良いその庭は「亜熱帯の森」がテーマだ。
中でも目を引くのが、石畳のような地面。金城さんは「日陰だと芝生などを敷いてもすぐダメになるから」と、琉球石灰岩を敷き詰めた。沖縄らしさを演出しながら庭を維持しやすくするための工夫であり、他の場所にある階段下などにも敷いてある。
海側の庭を含め、「在来の植物を多用したのも維持しやすくするため」と金城さん。「海風の影響を受けやすい場所なので、しっかり耐えられるよう、なるべく沖縄に定着しているものを選んだ」
利用客からも好評で、ホテルの事業主である日建ハウジングの志喜屋勇人さんは「グリーンが眺望によくなじんでおり、お客さまから喜ばれています」と話す。
同じホテル内でも、開放的なリゾート感もあれば、森の中のような落ち着いた南国感もある。それぞれ趣は異なるが、どちらも在来植物が使われているので、どこにいても沖縄の雰囲気を感じながらリラックスできそうだ。

亜熱帯の森をテーマにした中庭。地面に敷かれた琉球石灰岩が印象的

クワズイモ。金城さんは「沖縄では嫌われ者になりがちだが、緑が育ちにくいところでも育つ」と重宝する。実際、コケも生えないような中庭の階段下でも、しっかりと葉を伸ばしている

北側の道路沿いの植栽。建物の陰になっているが、赤い葉のアカリファが鮮やか。地面が見えないくらいに植栽することで雑草も生えにくくなるという

レストランの道路側の庭。成長してもオーシャンビューを邪魔しないよう、ヤシは柱の部分に合わせて植栽している
レストランの屋上。建物への負担を軽くするため、植栽部分の土には、木チップなどを混ぜ込んだ軽量土壌を使った
レストラン隣にあるガジュマル。イスに座った人の視線を遮ることなく、上部に開いた部分にも収まるよう、剪定(せんてい)で樹形やサイズを調整した
設計・施工/金城グリーン㈱ ☎098・973・9717
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1883号・2021年2月4日紙面から掲載
この連載の記事
この記事のキュレーター
- スタッフ
- 出嶋佳祐
これまでに書いた記事:224
編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。