家づくり
2020年1月17日更新
家族にフィットする家|ママが笑顔になる家づくり[8]
文・宮城江利奈 (一級建築士)
「自分らしさ」に対応
キッチンを司令塔に 家事効率アップ
多様化に合わせ変化する間取りへ
子どもの世話をしながら、同時進行で掃除、洗濯、料理をこなしていく日々は大変ですね。キッチンからの作業効率を優先して水回りをコンパクトにまとめると、家事がぐっと楽になります。女性にとってキッチンは司令塔のようなものかもしれません。家のあちこちを見ることができて、仕事がはかどる回遊性のある動線で家事効率をアップしましょう。
息子が5歳になったいま思うのは、住まい方は変化していくということ。子どもの成長と共に、家での過ごし方、生活スタイル、収納がほしい場所も日々変わっていきます。
また多様化する現代には、固定概念に縛られない自由度の高い間取りを工夫するなど、家族それぞれの「自分らしさ」に対応できるつくりが望ましいでしょう。
オープンスタイルで
自分らしくカスタマイズ
子ども室って必要なのかな? 私は3姉妹で子どもの頃、ひとつの部屋を3人で共有していました。居心地が悪いなか知恵を絞って自分の居場所を獲得してはシーツで目隠ししてみたり、好きなものを並べて満足したり。自分の部屋がないからこそ、居心地の良いリビングは大好きでたまらない場所でした。
子ども室が必要な時期って、建物の寿命から考えると短い期間ですよね。子どもが一人になりたい時の基地のようなもので、わずか数年で空きスペースになるため、子ども室を快適に設けるよりも家族室を充実させることの方が住まいには重要だと感じます。
今、設計している家を例にしますと、リビングに面してオープンスペースを設け、将来必要に応じて仕切ることができ、子ども室としても使える住宅を提案しました。子どもの成長もそうですが、家族みんな暮らし方は変わっていきますよね。好きなスタイル、趣味、家で仕事をする、しないとか。フレキシブルに自由に間仕切りや収納を動かせ、必要に応じて仕切れる家は、さまざまな工夫で使い方が広がり自分の暮らしに合わせてカスタマイズできます。子どもが巣立った後の住まい方を想像して楽しみになることも! 人生100年時代、その時々の自分に(家族に)フィットした住まい方が人生の幸せにつながることと思います。
オープンなスタイルにしておくと、子どもが生まれたり、成長したり、巣立っても、下記1、2、3のようにさまざまな使い方ができる
1、夫婦+乳幼児なら
オープンスタイルで広々使える34帖のワンルーム。南北に開口のある居住性の高い空間ができ、住む人の暮らしを自由で快適に
2、夫婦+子ども2人なら
間仕切り壁や動かせる家具等で仕切ると子ども室を設けられる。収納はファミリークローゼットを共有
3、夫婦各々+趣味を楽しむ
16帖のLDKと夫婦おのおのの部屋を持って、程よい距離感で暮らす。将来親との同居が必要になった場合や介護が必要になった際には個室の位置を変えて柔軟に対応
家事も仕事 みんなで参加
家族はひとつのチーム
仕事というと、会社などの外で働くことをイメージしますが、料理・洗濯・掃除、子育て、教育…など家の中でする仕事も多い。それを含めて仕事だと思うと、ママだけがやるのではなく家族みんなが家事や育児に参加することが大事だと思います。また、家族だと甘えてしまうことも「チーム」だと思うと自然と助け合えるようになるのでは。
家族の理解や協力なしに幸せにはなれません。家づくりを、互いの心地よさを守る「チームづくり」として考え、家族みんなの幸せな暮らしにつなげていけるといいですね。
執筆者
みやぎ・えりな
1981年西原町出身。1級建築士。東京・県内設計事務所を経て2010年、(株)渡久山設計へ入社。気持ちをリフレッシュする方法は一人の時間をつくること。旅、読書が好き。
(株)渡久山設計 098-876-1101
キッチンを司令塔に 家事効率アップ
多様化に合わせ変化する間取りへ
子どもの世話をしながら、同時進行で掃除、洗濯、料理をこなしていく日々は大変ですね。キッチンからの作業効率を優先して水回りをコンパクトにまとめると、家事がぐっと楽になります。女性にとってキッチンは司令塔のようなものかもしれません。家のあちこちを見ることができて、仕事がはかどる回遊性のある動線で家事効率をアップしましょう。
息子が5歳になったいま思うのは、住まい方は変化していくということ。子どもの成長と共に、家での過ごし方、生活スタイル、収納がほしい場所も日々変わっていきます。
また多様化する現代には、固定概念に縛られない自由度の高い間取りを工夫するなど、家族それぞれの「自分らしさ」に対応できるつくりが望ましいでしょう。
オープンスタイルで
自分らしくカスタマイズ
子ども室って必要なのかな? 私は3姉妹で子どもの頃、ひとつの部屋を3人で共有していました。居心地が悪いなか知恵を絞って自分の居場所を獲得してはシーツで目隠ししてみたり、好きなものを並べて満足したり。自分の部屋がないからこそ、居心地の良いリビングは大好きでたまらない場所でした。
子ども室が必要な時期って、建物の寿命から考えると短い期間ですよね。子どもが一人になりたい時の基地のようなもので、わずか数年で空きスペースになるため、子ども室を快適に設けるよりも家族室を充実させることの方が住まいには重要だと感じます。
今、設計している家を例にしますと、リビングに面してオープンスペースを設け、将来必要に応じて仕切ることができ、子ども室としても使える住宅を提案しました。子どもの成長もそうですが、家族みんな暮らし方は変わっていきますよね。好きなスタイル、趣味、家で仕事をする、しないとか。フレキシブルに自由に間仕切りや収納を動かせ、必要に応じて仕切れる家は、さまざまな工夫で使い方が広がり自分の暮らしに合わせてカスタマイズできます。子どもが巣立った後の住まい方を想像して楽しみになることも! 人生100年時代、その時々の自分に(家族に)フィットした住まい方が人生の幸せにつながることと思います。
オープンなスタイルにしておくと、子どもが生まれたり、成長したり、巣立っても、下記1、2、3のようにさまざまな使い方ができる
1、夫婦+乳幼児なら
オープンスタイルで広々使える34帖のワンルーム。南北に開口のある居住性の高い空間ができ、住む人の暮らしを自由で快適に
2、夫婦+子ども2人なら
間仕切り壁や動かせる家具等で仕切ると子ども室を設けられる。収納はファミリークローゼットを共有
3、夫婦各々+趣味を楽しむ
16帖のLDKと夫婦おのおのの部屋を持って、程よい距離感で暮らす。将来親との同居が必要になった場合や介護が必要になった際には個室の位置を変えて柔軟に対応
家事も仕事 みんなで参加
家族はひとつのチーム
仕事というと、会社などの外で働くことをイメージしますが、料理・洗濯・掃除、子育て、教育…など家の中でする仕事も多い。それを含めて仕事だと思うと、ママだけがやるのではなく家族みんなが家事や育児に参加することが大事だと思います。また、家族だと甘えてしまうことも「チーム」だと思うと自然と助け合えるようになるのでは。
家族の理解や協力なしに幸せにはなれません。家づくりを、互いの心地よさを守る「チームづくり」として考え、家族みんなの幸せな暮らしにつなげていけるといいですね。
執筆者
みやぎ・えりな
1981年西原町出身。1級建築士。東京・県内設計事務所を経て2010年、(株)渡久山設計へ入社。気持ちをリフレッシュする方法は一人の時間をつくること。旅、読書が好き。
(株)渡久山設計 098-876-1101
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1776号・2020年1月17日紙面から掲載