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2019年8月30日更新

イマドキホームシアター|アバック沖縄店

ここ数年のホームシアターの進化はすごい。映画館と同様の立体的な音響や、きめ細かい映像を自宅で楽しむ事ができる。最近のトレンドをホームシアターのプロに聞いた。

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映画館に迫る環境

プロが語る ホームシアターのトレンド
音響は「ドルビーアトモス」・映像は「4K、HDR(ハイダイナミックレンジ)」

スピーカー七つにウーファー一つ、天井スピーカー四つの7.1.4chサラウンド。天井にスクリーンやプロジェクター、スピーカーなどを設置するため、「天井高が3.5メートル以上あると取り付けに工夫が必要。コストが余計にかかる場合もある」と當山店長

価格下がりハードル低く
「最近のホームシアターは映画館に迫るほど高画質・高音質。うちの店にもシアタールームがありますが、初めて体験する人は驚きます」と語るのは、ホームシアターやオーディオの専門店、アバック沖縄の當山寛人店長。

映像のトレンドは、ハイビジョンの4倍の解像度を誇る「4K」と、明暗差を肉眼に近いコントラストで映し出す「HDR」。この二つに対応したプロジェクターや大画面テレビが人気。大きな画面でもきめ細かく、黒つぶれしない深みのある映像が楽しめる。

音響のトレンドは、大ヒット映画「ボヘミアン・ラプソディ」で注目を集めた音響システム「ドルビーアトモス」。前後左右のスピーカーに加え、天井にも2~6個のスピーカを設置することで音が上下方向にも移動。立体的なサラウンドは、まるで映画の中にいるかのような臨場感だ。「実は、ボヘミアン・ラプソディが上映される数年前から、ホームシアターではドルビーアトモスがトレンドだった。ここ2~3年の間に私が県内で施工した約7割のホームシアターで導入している」と話す。

ひと昔前までサラウンドといえば、「5.1ch(スピーカー5個、ウーファー1個)」や「7.1ch(スピーカー7個、ウーファー1個)」だったが、そこに天井スピーカーが加わって、「5.1・4ch」や「7.1・4ch」が主流になっているという。

「価格も下がっている。上のイラストのような機材を一式をそろえても、工事費込みで100万~140万円ぐらい」。

天井スピーカーの設置は、「新築やリノベーションのタイミングが望ましい。天井に設置できない場合は、天井へ音を反射させるイネーブルドスピーカーを用いる方法もある」と説明する。


ゲーム・スポーツ観戦も
ホームシアターを導入する際は、どう利用したいのかで機材が変わる。「本格的に映画鑑賞をしたいならスクリーン+プロジェクターと、ドルビーアトモスをすすめる。ゲームやスポーツ観戦など、カジュアルに使うならテレビでもスクリーンでもOK。サラウンドは5.1chくらいでもいいでしょう」と當山店長。

機材の目星を付けたら、次に大事なのが画面のサイズ。「小さい部屋に大きな画面を入れると見づらいし、小さい画面だと迫力が出ない。施主が希望するサイズと部屋の大きさをすり合わせながら画面のサイズを決めます」。画面のサイズや位置からプロジェクター、観賞席、音響の配置を決めていく。目安は画面の高さ×1.5倍~2倍ぐらいの距離に観賞席を置くのだそう。

「機材だけ購入して、自分で設置することもできる。だが、配線を美しく納めたいなら、やはり専門家に依頼する方が良いと思う」と話した。

 

「どっぷり浸れる」

翁長徹一郎さん宅
共同住宅でも実現! 念願のホームシアタールーム

翁長さん宅のシアタールーム。スクリーンは130インチ。後ろに四つ、前に三つのスピーカーと、重低音専用サブウーファーが一つ、天井にも四つのスピーカーを埋め込んだ7.1.4chの「ドルビーアトモス」シアター。「最初は、テレビに二つのスピーカーとウーファーを設置して満足していたのですが、さらなる臨場感を求めて一つずつスピーカーを増やし、現在に至る。今度はスピーカーをもっといいものに替えたい。完成は無いですね」と笑う

最大の魅力は「没入感」
翁長徹一郎さん宅は、親族が建築・管理する賃貸アパート。建て替えのタイミングで「お願いして」シアタールームを設けたという。建て替え前のアパートでもホームシアターを導入していたが、「いつも音量を絞っていたので、思いっきり楽しめる空間がほしかった」。施工は、長年の付き合いがあるアバック沖縄店に依頼した。

翁長さん宅は最上階の角部屋。他の住居と一番離れた家の端に約12畳のシアタールームを設けた。床や壁は防音施工をし、カーテンは防音・遮光機能があるものを設置した。

シアタールームの広さは、スクリーンのサイズから決めた。「本当は150インチのスクリーンを入れたかったのですが、寝室がかなり削られるというので妻から苦情があり(笑)、130インチにしました」。

音響はドルビーアトモス。天井にも四つのスピーカーを設置した7.1・4chの立体サラウンドは翁長さんのこだわり。「ほぼ毎日、映画鑑賞しています」と楽しそうに話す。

昼間でも、「カーテンを閉めれば問題なく見ることができます」と話す。それも独立したシアタールームの利点だ。

お気に入りのソファに足を伸ばし、ときにはお菓子を片手に「周りを気にせず、どっぷりと映画に浸ることができる。ホームシアター最大の魅力は、この没入感」と翁長さん。

妻の奈苗さんは「正直、こだわり過ぎじゃないかと思う部分もある(笑)。でも、私もここで音楽を聴きながら仕事したりと利用させてもらっている。あまりに音が良くて聞きほれてしまうのが難点」と笑顔で話した。

教えて當山店長! ホームシアターQ&A
Q・スクリーンと大画面テレビ、どちらが良いのですか?

A・スクリーンの魅力は大きな画面。テレビとは情報量が違うように思います。テレビは大型化すると高額です。映像は4KやHDRに対応していれば、どちらも高精細ですが、テレビはそれ自体が発光しているので、暗いシーンになると見ている自分の顔や周りのものが画面に映り込む。スポーツなど明るい映像なら問題ありませんが、映画は“没入感”に差が出ます。

Q・ケーブルを表に出したくない。無線のホームシアターも作れますか?
A・電源が必要なので、完全にケーブルをなくすのは不可能です。また、無線LANでスピーカーやプロジェクターに音声や映像を飛ばすシステムはありますが、途切れず美しい映像を望むなら絶対に有線が良いです!

Q・リビングシアターの注意点は
A・家庭では、リビングシアターが主流。テレビの前に巻き上げ式のスクリーンを設置し、映画を見るときはスクリーンを下ろし、使わないときは巻き上げてテレビが見られる2Wayシアターがおすすめ。専用のシアタールームに比べると、あちこちから明かりが漏れることが多いので、昼はテレビで夜はスクリーンで見るなど使い分けると良いでしょう。
 

とうやま・ひろと/アバック沖縄店長。40年以上、オーディオやホームシアターの仕事に携わる。県内で手掛けたホームシアターは700件以上。好きな映画はレオン、ブレードランナー、グラディエーター。

◆アバック沖縄店 
那覇市銘苅323-1
098-943-9178

取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1756号・2019年8月30日紙面から掲載

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東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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