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2018年12月7日更新

考えよう!沖縄の省エネ住宅[16]|4.2kwhで停電時も3日間生活

大規模な停電で暮らしに多大な影響をもたらした9月の台風24号。10月に行われた沖縄県トータルリビングショウでは、蓄電池の展示ブースに多くの人が立ち寄り、関心の高さをうかがわせた。県内で蓄電池の販売・設置を手掛ける(株)饒平名エコステーションの饒平名知也代表取締役は「この3年間でわが社の蓄電池の販売数は100を超えた。停電時はもちろん、普段も電気の自給自足ができるので、電気代の削減が可能」とアピールする。

設備③/(株)饒平名エコステーション「クラウド蓄電池」

蓄電池+太陽光で真夏の電気料金4分の1以下に

太陽光との連系 普及を後押し
家庭用蓄電池は、太陽光発電で作った電気や電力会社から買った電気をためておき、必要なときに必要なだけ使うことができるようにする機器のこと。主流のリチウム蓄電池を使った蓄電システムは大きく分けて二つある。一つは、コンセントから充電するポータブル型。持ち運び可能だが、非常用電源としての活用が主で、特定の家電にしか使えない。そこで登場したのが、電力系統に接続可能な系統連系型だ。自宅の分電盤にあらかじめ配電工事を行うことで、家庭内の照明や電気製品への電力供給が可能。停電時の使用はもちろん、太陽光発電との連系ができ、電力使用量や太陽光の発電量に応じて蓄電池から電力を供給することができる。

「系統連系型が登場し、太陽光発電システムと連系できるようになったことで使い勝手が格段に向上。普及を後押ししている」と饒平名代表。実際、同社が蓄電池の取り扱いを始めて4年になるが、「販売・設置数は100件を超えた」。ちまたでは、その理由の一つに「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」による保証期間の満了者が2019年に出始めることが挙がっている。「確かにそれもある。が蓄電池の設置購入者のほぼ半数は、買取価格に関係なく、自分でつくった電気を自分で使いたいと考える人」と言い、売る時代から使う時代へ移行してきていることを強調する。



普段も停電時も活用可能
同社が取り扱うのはシャープのクラウド蓄電池で、4.2kwh、6.5kwh、8.4kwhの3タイプ。太陽光発電と蓄電池、それぞれに必要となるパワーコンディショナーが1台で制御可能となる点が特徴だ。

系統連系型の蓄電池は、普段も停電時も活用できる。太陽光発電を設置していないなら「安い深夜電力を買電し蓄電池にためて、昼間使う」、設置しているなら「つくった電気から使い、足りない分だけ電力会社から購入したり、余った分は電力会社に売る」ことも可能だ=上図参照。もちろん、停電時のバックアップ電源として用いることができる。

実際、太陽光発電システムと4.2kwhの蓄電池を導入していたうるま市のS邸では、先の台風24号で起こった大規模停電時でも、3日間生活するのに十分な電気が賄えたとのこと。「冷蔵庫・扇風機・テレビ・電気ポットを常時使用し、洗濯機を3回使用。炊飯器を毎食使っても、まだ余裕があった」と喜ばれた。

同社でも昨年、新オフィスの開設時にシャープで以前販売されていた4.8kwhタイプを導入。「設置前の6月は1万6245円だった電気代が設置後の8月には3885円になった」と節約、省エネ効果を実感している。


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1718号・2018年12月7日紙面から掲載

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