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2018年9月28日更新

応援!おきなわ技能五輪・アビリンピック2018|木工[5]

「全国アビリンピック」とは、15歳以上の障がいのある人が技能を競う大会。11月2日~5日に沖縄で開かれる。木工部門には県大会で金賞を受賞した宮古特別支援学校高等部3年の新里和馬さん(18)、銀賞を受賞した沖縄高等特別支援学校3年の當眞柊さん(18)が出場する。新里さんに意気込みを、當眞さんにはやりがいなどを聞いた。

木の質感が魅力
當眞柊さん(18)/沖縄高等特別支援学校3年



アビリンピックへの意気込み
大会ではのこぎりやのみ、かんななどの手工具を使って、箱を作ります。全国大会の課題はフタ付きの箱。レベルがさらに上がるので、まじめに練習しようと思っています!

當眞柊さんに聞きました

■木工を始めたきっかけは
高校生になって、木工コースに入ったのがきっかけです。ほかにも窯業や園芸、クリーニングなどのコースもあったのですが、物を作るのが大好きで、それを木でもやってみたいと思って選びました。

■やりがいは
ザラザラの木を磨いてツヤツヤの木材にする工程が好きです。
沖高特祭では木工コースの皆でテレビ台やハンガーラック、背付き椅子などを作って販売しました。ほとんど売れて、頑張ってよかったなと思いました。
家族にも作ってあげたいけど、もっと上手に作れるようになってからかな(笑)。お父さんも木工をするので、負けないようなものが作れるようになってからプレゼントしたいです。

■県大会初出場での銀賞。どんな練習をしてきたか
高校生活も最後なので、腕試しがしたいと思って県大会への出場を決めました。
木工の授業では、電気工具を使って作るのですが、大会では手作業で箱を作ります。慣れない作業なので、力加減がとても難しかったです。県大会に向けては授業の後や夏休みに練習を積んできました。そのおかげもあって、いい作品が作れました。
ただ、かんながけの仕方が弱いという指摘があったので、全国大会までにしっかり練習したいと思います。

■全国アビリンピック出場へ向けての意気込み
もちろん、金賞を目指しています。自分のペースで、丁寧にやれば狙えると思っています。皆さんの応援が力になるので、ぜひたくさんの人に見にきてもらいたいです。




新里和馬さん(18)/宮古特別支援学校高等部3年



アビリンピックへの意気込み
全国アビリンピックへの出場は2回目です。全国大会に向けて、ことしの4月から練習を重ねてきました。今も、のこぎりやのみの使い方を特訓中です。ことしは地元沖縄での開催なので、入賞目指して頑張ります!




緻密な作業の連続 
玉城幹大さん(34)/沖縄高等特別支援学校木工コース教諭



指導教諭から応援メッセージ
私がこの学校に来たのは柊さんが1年生のとき。一緒に入学し、成長や頑張りを見てきました。柊さんなら、ロシアでの世界大会出場も夢じゃないと思います。

玉城幹大さんに聞きました
■沖縄高等特別支援学校ではさまざまな職業教科のコースを選べますが、木工コースの現状は

木工コースを出たからといって、木工の仕事に就けるわけではありません。現に、柊さんは木工のいい腕を持っていますが希望しているのはホテルの清掃員です。
しかし、学んだことがまったく生かされないかと言えば、そうではありません。人の話(要望)を聞き、それを形にしていく、というスキルは間違いなく身についています。
木工の工程には、危険な作業もあるし、ミリ単位の誤差も許されない緻密な作業もあります。それを一つ一つ安全に、丁寧にこなしてこそ、いい作品が出来る。柊さんは、それを素直にコツコツと手掛けることができる。これが強みだし、今までの授業で培ってきたもの。将来にも役立つスキルの一つだと思います。
柊さんだけでなく他の生徒も皆、真面目に一生懸命、作業に打ち込むので、授業の準備が追いつかないほどです。

■當眞さんへ、全国大会へ向けての応援メッセージ
柊さんのセンスにはいつも驚かされます。
授業では、クギを打つところに私が印をつけているのですが、皆の作業が早くてなかなか手が回らなくて。「柊、ちょっと待っててよ」と他の生徒の対応をしている間に、すでにクギを打っていたんです。それが打つべき場所、ドンピシャでした!
そういうことが県大会でもありました。「これはペースアップしないと制限時間内に完成しないな」と思っていたのですが、ちょっと目を離した隙に完成目前まで仕上がっていたんです。きっちり規定の寸法通りで、びっくりしました。柊さんは目測の才能があるのかな? (當眞さん、笑顔で首をかしげる)。
柊さんの真面目さとセンスがあれば、金賞を狙えるでしょう。さらに上の世界大会出場も視野に入れて頑張ってほしいです。



大会マスコットキャラ 「ワジャサー」
大会マスコットキャラ 「ワジャサー」


「おきなわ技能五輪・アビリンピック2018」

ことし11月2日(金)~5日(月)に「おきなわ技能五輪・アビリンピック2018」が開かれる。
アビリンピックとは、全国障がい者技能競技大会で、15歳以上の障がいのある人が技能を競い合う。表計算や洋裁、機械CADなど22種目を予定。また、技能五輪とは、23歳以下の若手技能者が全国から集まり、技を競う大会。造園や左官、ウェブデザインや洋菓子製造など42種を予定。
いずれも年1回開催されており、沖縄での開催は初めて。アビリンピックの木工競技は奥武山公園で開催される。
そのほか詳細は「おきなわ技能五輪・アビリンピック2018」のホームページ(http://www.okinawa2018.jp)でチェックできる。


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1708号・2018年9月28日紙面から掲載

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