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2018年9月7日更新

考えよう!沖縄の省エネ住宅[14]|ガス消費とCO2排出 11%減

給湯は、冷房や照明を抜いて家庭のエネルギー消費量第1位を占める。特に県内に多いガス給湯機を見直すことは、住まいの省エネ化に有効だ。リンナイ(株)沖縄営業所主事の江崎芳則さんは、「高効率型の『エコジョーズ』は、排気熱を有効に利用することで従来型に比べ熱効率が格段にアップ。ガスの使用量、CO2排出量ともに11%削減できる上、家計にも優しい」と説明する。

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設備②/リンナイ(株)「エコジョーズ」

排気熱の活用で熱効率95%まで向上

県内4人家族世帯で年8000円減
エコジョーズの特徴は、これまで捨てられていた排気熱をうまく活用している点にある。「従来型は水を一気に温めて湯を沸かし、沸かした後の熱はそのまま捨てていました。エコジョーズは、その排気熱である程度温めておいた水を沸かすというもの=下図1参照。そのため、従来型よりも早く、少ないガス量で、効率良く湯を沸かすことができます」と江崎さんは解説する。


エコジョーズは、これまで捨てていた熱を有効に使い、2段階で湯を沸かす


熱効率は従来型80%から95%に向上。ガスの使用量は従来型に比べて11%少なくて済む上、待機時消費電力も40%削減できる。さらに地球温暖化の一因となるCO2排出量も11%減るため、省エネ化に役立つというわけだ。

では家計にはどのくらい得なのか? 「プロパンガスを使用している沖縄の4人家族世帯でシミュレーションすると、ガス使用量は年間あたり10%削減。ガス料金(立法メートル単価550円)にすると8000円程度安くなる計算」と話す。


ライフスタイルに応じて選択を
エコジョーズが登場したのは15年以上前。従来品と比べ価格が定価ベースで5万円ほど高いこともあり他府県に比べて導入率は低いが、昨今は少しずつ増加。2017年度には、県内に普及する給湯専用のガス給湯器3万4000台のうち、約11%を占める4000台がエコジョーズとなった。江崎さんは、「建築物省エネ法の改正やエコ意識の高まりを受け、普及率は着実にアップ。賃貸アパートや分譲マンション、県営団地などの集合住宅ではエコジョーズを指定されるところも多い」とその背景を説明する。

さらに省エネ化が進む今後を見据え、電気を使ったヒートポンプとガスを組み合わせた「エコワン」も2010年より販売を開始。従来型に比べ、一次エネルギー消費量は45%減、光熱費は63%削減(追い炊き機能付きの場合)で、現在ある給湯設備の中で省エネ性能は最も高い=下グラフ1。エコジョーズ、エコワンとも、導入した家庭からは、「これまでと同じ使い方でもガス代が目に見えて安くなったと効果を実感していただいている」と話す。

江崎さんは、「エコジョーズは定価16万円余、エコワンは72万円~と初期コストはかかるものの、昼間の在宅時間が長い方や、家族が多かったり共働きなどでガス乾燥機が欠かせない家庭にはオススメ。給湯器と一口に言っても仕組みや省エネ効果、初期・ランニングコストはさまざま。ライフスタイルに応じて選んでほしい」と話した。





国立研究開発法人建築研究所による平成28年省エネルギー基準に準拠した「エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版)Ver.2.3.1」による算出

※グラフ1、2は住宅の省エネ基準における地域区分の6地区(九州その他)の数値。図表はすべてリンナイ(株)提供


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1705号・2018年9月7日紙面から掲載

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