2026年1月23日更新
飲食店の省エネ 厨房・冷房がカギ|省エネ診断⑰
文・写真/名嘉光男(NPO法人 沖縄県環境管理技術センター)
飲食店の省エネ
厨房・冷房がカギ
中小企業のエネルギー使用状況を調査し、省エネの工夫を提案する「省エネお助け隊」。県内でお助け隊として活動するNPO法人・沖縄県環境管理技術センターの名嘉光男さんが実際の調査結果を基に省エネのヒントを紹介する。今回の省エネ診断事例は
おもろ殿内(那覇市)

那覇市安謝にある創作沖縄料理店「おもろ殿内」
◆おもろ殿内の現状


ガスエンジンで駆動するガスヒートポンプエアコンの室内機(上)と室外機。パワフルなのが特徴
電気とLPガス使用
今回の省エネ診断事例は、2003年8月にオープンした創作沖縄料理店「おもろ殿内」です。那覇市安謝にあり、周囲を木造の建物に囲まれた琉球王朝風の古民家で、泡盛と創作うちなー料理を提供しています。中庭にも宴席があり、都会の一角にありながら、沖縄の風や味を堪能できるため、観光スポットにもなっています。
本事業所で使用しているエネルギーは電力とLPガスです。エネルギー管理に必要なグラフ化などの「見える化」は実施していません。
空調設備はガスヒートポンプエアコンによるマルチ空調システム(1台の室外機で複数の室内機を接続)で各部屋を空調しており、空調機は順次、高効率型に更新しています。照明設備のLED化は済んでいます。給湯設備はガス瞬間湯沸かし器で厨房に給湯しています。
厨房(ちゅうぼう)では業務用冷凍・冷蔵庫や業務用テーブル形冷蔵庫、ガスレンジなど多数の冷熱機器が複数台稼働しています。一般的に居酒屋では厨房エネルギー(電気・ガス)が店舗全体のエネルギー使用量の50%以上を占める(出典/日本フードサービス協会)ため、厨房のエネルギー管理が省エネ対策の一つのポイントになります。
細やかな温度管理を
客席の冷房設定温度はフロントで集中管理しており従業員の省エネ意識は高いです。しかし、顧客に快適な空間を提供するため、店舗の冷房温度は全体的に低く設定されているほか、注文に迅速に対応するためエネルギー管理はおろそかになりがちです。
店舗スタッフに省エネルギー活動を理解してもらうために、簡易なマニュアルなどを作成・配布し、営業時間や営業時間外(準備・後片付け)におけるムダの排除、開店・閉店間際や季節変化に応じたきめ細かな温度管理で省エネに努めるよう提案しました。
今回の省エネ診断による提案事項の実行で削減できる予想金額は年間20万6790円です。
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省エネ診断による提案事項
◆運用改善①客席の冷房設定温度の緩和 ②室内機のフィルター清掃 (室外機フィン洗浄含む) ③こまめな空調停止 ④全員参加による省エネ活動 ⑤厨房ガス使用量の削減 |
※提案事項の実行による予想削減電力は年間1991kWh、予想削減LPガスは年間466平方メートル、予想削減金額は年間20万6790円
省エネ診断の補助事業(中小企業向け)
事業所のエネルギー使用状況を把握し、省エネできる項目の洗い出しや改善策を提案するのが省エネお助け隊による「省エネ診断」。中小企業は国の補助(地域エネルギー利用最適化・省エネルギー診断拡充事業)により、1割負担で診断を受けられる。診断は5720円~(税込み)詳細は「省エネお助け隊ポータル」で検索。
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執筆者
なか・みつお
NPO法人沖縄県環境管理技術センター理事長、エネルギー管理士、一級管工事施工管理技士。
電話=098・853・3739
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2090号・2026年01月23日紙面から掲載











